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商品説明
遠藤周作、寺山修司、ふたりの原稿の下には「禁秘(タブー)」がある。そこには毒が仕込まれている−。彼らの引用や模倣に目を配り、その有様を具体的に検証することから、創造の原理を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
ふたりの原稿の下には「禁秘〈タブー〉」がある。そこには毒が仕込まれている。
出自にからむあれこれがあり、卑下のなかに虚栄が香り、したたかな戦略もまた見え隠れ。そうした暗部にためらわず手を突っ込み、つかみあげたい―。引用や模倣に目を配り、その有様を具体的に検証することから、創造の原理を考える書。
遠藤に、寺山に、躊躇なく迫る。目指すのは日向水のようなぬるい論考、分析ではない。
あわせて、こんな着眼も開示する。手放しで称賛されている感のある映画『沈黙』だが、はたしてそうか。本書はかく問いかける。
【...ところが、英訳ではキリストが話しかける。Trample!(「踏みつける」の命令)とロドリゴを誘う。マーティン・スコセッシ監督の『沈黙--サイレンスー』も根は同じ。踏絵のシーンで神が言葉を発している。だが、キリストが本当に声をあげたなら、論理は破綻する。
キリストが沈黙を破った瞬間、それまで存在を疑っていた神がいると証明されたことになる。踏絵のなかに、手の届くところに神はいる。クリスチャンは救済を約される。踏絵、棄教云々などどうでもいいはず。ロドリゴは叫べばいい。穴吊りされている信者に向かって「安心めされ。神は沈黙を破られた」と伝えればそれでいいではないか。
原文は、神の沈黙がはたして破られたのか否か判然としないままであり、それが『沈黙』の玄妙ともなっている。この点がゆがめられている。】......第4章内容より【商品解説】
目次
- はじめに―禁忌(タブー)に触れる
- 覚書
- 第1章 原稿の下に隠されしもの 遠藤周作から寺山修司まで
- Ⅰ 遠藤周作から
- 『沈黙』の引用書簡/下敷き―『沈黙』/会長辞任―丹羽文雄/連載打ち切り―熊谷達也『聖武士の谷』/社会的制裁―西村みゆき『針のない時計』/赤毛の男/木曽路はすべて山の中である/臨界点七十六パーセント
- Ⅱ 寺山修司へ
- 十三面待ち/マトリョーシカ/揺れる振り子/著作権のない時代/禁手から定石へ/模倣巡礼
- ■寺山修司 模倣巡礼年表(「チェホフ祭」以降)[昭和三十三年〜五十八年]
著者紹介
久松 健一
- 略歴
- 〈久松健一〉東京生まれ。中央大学大学院文学部博士後期課程満期退学。明治大学で教壇に立つ。NHKラジオ講師としても出演。著書に「英語がわかればフランス語はできる!」「書物奇縁」など。
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