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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1997.5
- 出版社: 朝日出版社
- サイズ:19cm/194p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-255-97014-9
読割 50
紙の本
羽生 21世紀の将棋
著者 保坂 和志 (著)
「人は将棋を指しているのではなく、将棋に指されている」 羽生善治の行きついた将棋観を、彼のインタビュー、自戦記、それに何人かからの棋士のコメントなどをもとに大胆に読み解く...
羽生 21世紀の将棋
羽生 21世紀の将棋
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商品説明
「人は将棋を指しているのではなく、将棋に指されている」 羽生善治の行きついた将棋観を、彼のインタビュー、自戦記、それに何人かからの棋士のコメントなどをもとに大胆に読み解く、芥川賞作家の「羽生」論。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
保坂 和志
- 略歴
- 〈保坂和志〉1956年山梨県生まれ。早稲田大学卒業。81年から93年まで西武百貨店コミュニティ・カレッジに勤務。95年「この人の閾」で芥川賞受賞。ほかに「プレーンソング」「草の上の朝食」など。
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紙の本
将棋の法則・世界の法則
2002/05/26 18:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
保坂和志と将棋。このミスマッチに興味を惹かれて、将棋ファンでもないのに、書店や図書館でさんざん探しまわって、ようやく見つけた時には本当にうれしくてワクワクしながら読んだ。
将棋観戦記で有名な倉橋武二郎の娘が『季節の記憶』や『もうひとつの季節』のモデルとなった人物の奥さんだったり、学生時代の友人が『将棋世界』の編集長だったりすることが保坂和志と将棋の関係を解き明かすヒントなのではなくて、というより、そもそも「保坂和志と将棋」ではなくて「保坂和志と羽生善治」だったのだということがよくわかった。
以前NHK教育の『未来潮流』で放映された吉増剛造と羽生善治との対談がとても面白くてずっと記憶に残っていたので、「保坂と羽生」だったらたしかに根深いところでつながっているかもしれないと思ったし、実際本書を読んでそのことが(言葉ではうまく表現できないけれど)よく理解できた。
技術論や人生論として将棋を語るのではなくジャンル横断的に将棋を語ること、つまり「将棋が、他のジャンルと同様の、きちんと考え、論ずるに値するゲーム=ジャンルなのだという了解を作り出す」ことでもってインター・ナショナルならぬインター・ジャンルの方向へと将棋を開くこと、そして「一局の将棋とは、その将棋が固有に持った運動や法則の実現として存在するものであ」るという「将棋観」を持つこと。これが「序」で要約される羽生善治のすべてなのだが、それは保坂和志がめざしている小説そのものの要約でもあるだろう。
《将棋とは個人の欲望や執念の産物でもなければ、個人の人生の比喩でもない。将棋というゲームの奥行き、広がりは、個人の人生よりもはるかに大きい。もし将棋が個人の欲望や人生の比喩程度のものであったら、とっくに必勝法が作られていただろう。/したがって、棋士は棋風という個人のスタイルを持つのではなくて、スタイルを乗り越えて、持てるものすべてを投入して、将棋の法則を見つけ出そうとする必要がある。》