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商品説明
公訴時効の廃止を受けて再捜査となった15年前の老女殺人事件。当時の捜査本部はバブル期の土地トラブルに目を向け、元刑事・加納もその線を辿ろうとするが、謹慎明けの刑事・水戸部は、かつて荒木町の芸妓だった老女の「過去」に目を向ける—。【「BOOK」データベースの商品解説】
公訴時効の廃止で再捜査となった15年前の老女殺人事件。元刑事・加納はバブル期の土地トラブルの線を辿るが、謹慎明けの刑事・水戸部は、荒木町の芸妓だった老女の「過去」に目を向ける。『オール讀物』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐々木 譲
- 略歴
- 〈佐々木譲〉1950年北海道生まれ。「エトロフ発緊急電」で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞、「武揚伝」で新田次郎文学賞、「廃墟に乞う」で直木賞を受賞。
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紙の本
東京の古い街の古い事件
2021/04/24 09:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐々木譲の警察小説である。東京の代官山を舞台にした『代官山コールドケース』で登場した水戸部警部補が再登場である。今回はOBの相談員との共同作業である。とはいえ、当時の捜査に加わっていたという経歴がある。時間軸でいえば、こちらが先で、代官山はその続編ということのようだ。
今回の舞台は四谷荒木町である。東京に住んでいても行ったことのある人は少ないかも知れない。昔は芸子が街を歩く夜の街だった。ここで元芸子で芸者置屋の女将が殺害された。代官山同様、地域の詳細な描写が巧である。しかも実名をうまく隠している。実際に地図を広げていくと、それらしい地名が確かに存在している。
地図好きにはたまらない小説である。ストーリーもなかなか凝っており、怨恨がこの街には隠されていたということである。この水戸部警部補シリーズは代官山とこの四谷荒木町の2本だけのようだが、是非続編を読んでみたい。それだけ他者の作品とは趣が異なっている印象を受ける。
相棒が前作は勘が鋭く、頭の回転の速い女性巡査部長であったが、本作ではOBの相談員であった。その違いは大きそうに見えるが、どちらもプロの警察官として、読者としても安心感がある。単なるアシスタントではなかったようだ。