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読んでみたのですが、正直ちゃんと理解できてない本。
おそらく、「現時点では未来は予測できない」っていうことだと解釈しました。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4183278.html
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期待した内容と違ったものの、世の中のことを分かった気にならないためには良い本。人の行動・性向は常識よりももっと複雑で、団体や組織、社会となれば尚更。
モナ・リザがなぜ世界に認められたか、アップルやFacebookの成功、ソニーの失敗に対する見解が面白い。人は都合の良い理由・原因を求め、法則を見出したくて仕方がないけれど、偶然の要素を握りつぶした、後付けの物語、将来の予測は大きな間違いを引き起こす。
インターネットで大規模な実験、観測ができるようになった社会学はこれから面白くなる。
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内容的にはほぼ予想の範疇というか、一般的な主張。グラッドウェルやハンチントンみたいな決定論者になることなく、偶然の要素に注目することを求める。
ただ、論の展開とか、関連研究の総括の仕方とかが素晴らしくて、たぶんこの分野はこの一冊で網羅できるんじゃないかとも思う。
それだけに最後のサンデル、ケプラー礼賛が腑に落ちない。なんで、哲学は常識の世界の言葉遊びじゃないし、自然科学は偶然の結果に過ぎないって言えなかったんだろうか。
最後の最後だけ別の人が書いたような。変な違和感でもやもや。
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未来はあまりにも偶然性(パラメータが多いということ)に左右されすぎて正確には予測できない。今起こっていることを測定して、実験し変化に対応せよ。
余談だが、橘玲も著書の中で引用している話が多数登場する。
・一回しかないことに対する確率の予測は意味をなさない。結果から考えると起こったか起こらなかったかしかないからだ。(降水確率60%の意味)
・飲酒運転した人の全てが殺人未遂になるわけではない。人は少なからず結果の責任を追っており、飲酒運転をしても事故を起こさない人もいる。これは偶然性に左右される。(飲酒運転して事故を起こせば当然罪に問われる。)
・因果関係が明確な世界と因果関係がない複雑系の世界。そもそもルールが異なる。
・市場を使った意志決定。(大統領選挙にお金をかける)
・過去のできごとに対して、あとから意味を付け加える。(あと知恵のバイアス、遅い決定論。)本当にそれが原因か?(最もらしいだけでは?)
・歴史とは、過去の起こったことに物語を与えることである。
①一年ほど前のある日の午後、庭でボブは薔薇を植えていた
②一年ほど前のある日の午後、庭でボブは賞をとることになる薔薇を植えていた。
・物語と理論は異なる。物語を作ることから理論を組み立てることの切り替えは非常にたやすく直感的にできるので、我々はほとんどの場合、切り替えていることの自覚さえしない。だが、この切り替えはふたつが根本的から違うので、目的も異なれば証拠の基準も異なることを見落としている。だから物語としての出来事に基づいて選ばれた説明が、未来の傾向や情勢を予測することに関する役には立たなくても驚くに値しない。未来と過去は別物なのだ。
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腹落ちできたおすすめ本。こういう本は読んでよかったとつくづく思うし、この本で書いてある事をきちんと理解・反論・意見できない人とは話が続かないよなとも思う。
原題「Everything is Obvious* *Once you know the Answer:How common sense fails us」
世の中は偶然で動いている・起きた事がほとんどなのに、偶然の要素を軽視し過ぎて、常識の過信、解りやすいストーリーと後付けの論理と因果関係・相関関係、必要条件・十分条件の混同で多くの事間違って理解し、過去から学べていないという事をしっかり書いた上でどういう考え・マインドを持っていけばよいのかが書かれている本。
心理学、カオス理論、バタフライエフェクト、行動経済学、ネットワーク研究、確率論、何かに興味がある人は是非。
人や企業の成功を論評する(占いなんかもだけど)時に、過去を振り返って当たった時だけ後付けで解釈すると間違えるよ~って事が沢山書いてある。
例:
「常識というのはあてにならない。(非常に限定された場合・狭い範囲にのみ適応可能であり、まさしく不測の事態が起きた際は役に立たない。ヒューリスティック、認知バイアス)」
「未来の事前予測はほぼ出来ない。(予測できたようにみえるのは後に当たった予測だけをみるから。遅い決定論、あと知恵バイアス。)」
「同じアクションをとっても失敗をしたケース多々ある。(成功例をいくらあ集めて共通する同じアクションをとっても失敗していることはままある。生存バイアス)」
「非常に影響力のある特別な個人というのは幻想である。(人は個人の影響力を過度に重みづけをし過ぎている。)」
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この手の本は物理学者や数学者が数多く手がけ、アメリカ特有のあまのじゃく的手法によって世間の常識を論破していくというものが多い。この著者は社会学者である。その部分で「まぐれ」「ブラックスワン」「たまたま」などの著者たちが、プレーンな状況での論理を展開するのに比べ、一歩人間行動を加味した難解なものとなってしまった感がある。
著者本人も最終章で、物理学者の知人が「なぜ社会学では普遍的な物理学法則が通用しないのか」と不満を述べたことに、羨望を覚えると告白している。
やはり、人文・社会科学と自然科学との間に横たわる「ランダム」をどう捉えるかが浮き彫りとなる。ただ、特定の人や製品などに強いバイアスがかかる事を強調する点ではアップル・ソニー・パナソニック(松下)の例を取り上げて、日本人にも理解しやすい論理を展開している。
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<モナ・リザ>が世界で最も有名な絵であるのは世界で最高の絵<モナ・リザ>的だから…という堂々めぐりを循環論法と呼ぶのだそうです。起こったことの説明からは、起こることの予測はできない、物理学が成し得たことは社会科学でも可能なのでは?という幻想を打ち砕く一冊です。ついつい日常生活では過去から積み上げてきた「常識」で明日を予測できることもあるかもしれないが「常識」に拘ることで大きな誤りが起きるかもしれないのがネットワークが巨大になって、システムが複雑になって、グローバルな今日的世界。そこに対応するのが「反常識」です。それには「計画者」でなく「探究者」であること。「予測とコントロール」から「測定と対応」へ変化すること。今までの「常識」と変えなければならないと説いています。イマイチしっかり把握できたかどうかわからないところもありますがキーワードとストーリーが今の自分の気分にハマってきました。もう一回、読まなくちゃ!
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昨今注目を浴びている複雑性ネットワーク理論の科学者ダンカン・ワッツによる本である。読み進めていくと特に後の章での理論展開でわかるが、社会学というものの理論的構築の不的確さを何とかしたいという著者の思いがあふれている。思えば、社会学こそ不確かなものはない。それは個々の構成員である人間がそもそも不合理であるからだ。しかし、昨今は認知科学の躍進によって、そうした不合理な行動もある程度人の心理パターンとして分類できるようになってきた。そうした個々の行動を集積し、ネットワーク化したときに組織体としての行動、社会としての動きがある程度科学として捉えられる時代になってきたと思う。
個人的にはそうした科学を更にいま一歩高い次元に発展させるには、物理学がそうであったように科学哲学と呼ばれるような価値観やアプローチ方法を規定する部分が発展しないといけないように思う。マイケル・サンデルなどそうした哲学的思考と社会学とを行ったり来たりする学者もいるので、そうしたアプローチ方法を社会学者はまず学ぶべきなのだろう。そして数理的な部分でも単純な確率・統計論だけではなく、歴史学や民俗学のような一見関わりのないようで、過去の事象を繰り返したりする人の行動を詳細に分析すべきなのかもしれない。この本に、その答えは書かれていないが、そうした下地を作るには最適な本のように感じる。
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もっとカオス理論とかを扱った科学的な本だと思ってたら完全にビジネス書でした、本当にありがとうございました。
モナ・リザやシェイクスピア作品が史上最高の傑作だと評されているのは誰もが知るところであるが、なぜそうなのかと問われるとなかなか答えは出てこない。表現法がどうとうか色々説明されるが、どれもこれも後付けであるように思える。
つまり、モナ・リザが優れている点は他の何よりもモナ・リザ的であるからであり、シェイクスピアが天才であるのは他の誰よりもシェイクスピア的であるからなのだ。
このような循環論法が大ヒットの説明によく見られるというわけだ。
では、なぜそのようなことが起こるのかというと、ひとえにこれらの大ヒットは偶然の産物であるからである!!
もちろんモナ・リザは傑作ではあるが、歴史上もっとも有名な作品となったのは偶然だという。
そんな話から始まって、ではその偶然をつかむことができるのか?つまり未来を予測することができるのか?といった風に話が広がっていきます。
行きつく先は現在の社会科学の状況、つまりまだ社会科学は物理学でいえば望遠鏡を発明したころの段階にしかすぎず、これから発展していくだろうといったことでした。
ネットワーク理論の話(スモールワールドとか)は面白かったし、偶然を予測することは不可能であるが、そのことを踏まえた戦略が必要であるという論理はなかなか理に適っていると思う。
まぁ、この本を読んでより一層経済学を学ぶ意義を問うた経済学部生は私ですw
統計学などの計量系は実利的で価値があると思いますがね。
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なんで購入したか失念。早川書房の科学本は定評がある。
この本は、応用物理学から社会学に転向した著者が、社会科学の限界を論じている。
(1)社会科学者は、物理学のような明解・体系的な学問を目指しているが、まだ、ニュートンどころか、ケプラーの段階までも来ていない。
(2)計画者は、自分自身の知識や意欲に頼るでのはなく、現場の関係者の知識や意欲を中心に添えた計画を考案すべき。(p232)
要はル・コルビジェのように、アタマで考えて、都市を計画してはいけないと著者は主張している。
(3)インターネット調査によって、いままでできなかった、数万という対象による社会実験、調査が可能になってきた。これによって、今までの行動経済学や心理学でやっていた、数十人規模の実験から飛躍的に論理的な結論が得られる可能性がある。
著者は、最初のところでは、自らの常識にこだわるなとも主張している。常識とは同じ社会的経験や文化をもった者同士で通用するが、違った歴史をもった人との間では通用しない。
領土問題もそういう課題かもしれない。
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少数の偉人が歴史を作ったという英雄史観、トップの英断をもてはやすビジネス講談、人間万事金で転ぶというインセンティブ理論、そうした胡散臭いものの見方に正面から切り込んでいて痛快。
結果だけから人物を評価することの愚かさを学ぶべし。
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全体的に、考えさせられる本。
前半は、ツイッターなどをつかっての社会実験の結果に基づいており、示唆に富んでいて面白かった。でも、後半は筆者の意見が書き連ねているだけでだれてくる。
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ネットワーク理論の先駆者である著者による社会科学を自然科学との対比するエッセー集。社会科学は物理学に代表される自然科学に対して、観察、演繹による理論化、実験による確認というステップの確立が数百年遅れているとする。ゆえに現状の社会科学は起こった出来事の説明をしているだけ。
内容的には、既出の複雑系理論を中心とした社会科学の近年の進歩の概要のとそれに関する彼の考察である。その考察は納得はいくが冗長であり、この本から得る真新しい点は少なく失望。
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まだ内容を消化しきれてないが…
未来の予想はできないから、戦略のパラドックスがおきる
優秀な戦略が成功するか失敗するかは、すべて最初の展望がたまたま正しいかどうかにかかっている
インターネットの普及が社会の測定と実験を可能にし、その結果(おそらく単純な事象の)未来予想はできるかも
冷静に考えて見ると、地球上の生物はそもそも予測不可能な環境変化に対応してきた結果なのだから、存在自体が予測不可能で必然性はどこにもないのだと思える
それが予測可能になるためには、環境そのものの現状を完全に把握し、その変化が予測できるようになった時だと思う
すなわち、当面は不可能だと言うこと
予測可能になることは、生物が効率よく活動するために有利になることであり良いことだが、予測可能な事象と、不可能な事象をはっきりと切り分けて、予測不可能な事象に関しては別のアプローチをしなければいけないということを認識することが重要なんだと思う
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時間をかけて読む価値のある、最高の本。
似たような名前で「選択の科学」という本があるから、その二番煎じかとおもいきや、かなりまともで奥が深い、考えさせられる良い本だった。
ここでは伝えきれないが、この本を読んだ人たちは、
人の”思考”や”予測”、”意見”を見直し、さらには自分の思考まで、自信がなくなるだろう。
「すぐに」「だれでも」何かできるようになると書かれた、薄っぺらいハウトゥ本とは、対極にある本です。