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グイン・サーガ・ワールド グイン・サーガ続篇プロジェクト 4 (ハヤカワ文庫 JA)
大河ロマン『グイン・サーガ』の続篇を書き継いでいくプロジェクト第4弾。外伝連載「星降る草原」では草原を襲う悲運とスカールの新たな旅立ちが、「リアード武侠傳奇・伝」では最大...
グイン・サーガ・ワールド グイン・サーガ続篇プロジェクト 4 (ハヤカワ文庫 JA)
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商品説明
大河ロマン『グイン・サーガ』の続篇を書き継いでいくプロジェクト第4弾。外伝連載「星降る草原」では草原を襲う悲運とスカールの新たな旅立ちが、「リアード武侠傳奇・伝」では最大の禁忌をめぐる争いが迎える数奇な結末が、「宿命の宝冠」では骨肉相食む陰謀がたどる悲惨な運命が描かれ、3作同時完結/遺稿「スペードの女王」は、伊集院大介シリーズ最新作/中島梓の内面に迫るエッセイ・日記/これにて第一期完結。【「BOOK」データベースの商品解説】
草原を襲う悲運とスカールの新たな旅立ちを描いた「星降る草原」をはじめ、大河ロマン「グイン・サーガ」の外伝3編を掲載。栗本薫の遺稿「スペードの女王」、初公開となる日記、夫・今岡清のエッセイも収録。
収録作品一覧
スペードの女王 第一章(つづき) | 栗本薫 著 | 5−41 |
---|---|---|
星降る草原 最終回 | 久美沙織 著 | 43−134 |
リアード武俠傳奇・伝 最終回 | 牧野修 著 | 135−221 |
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終わりということになると、それはそれで寂しいところがあることに気付いたプロジェクトだった
2012/03/03 18:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだかんだ思いながらも4巻目までつきあうことができました。これでグイン・サーガ続篇プロジェクトも1区切りだそうです。
栗本の遺稿は、第3巻に続いて伊集院大介シリーズでした。3巻の書評にも書きましたが、グインと銘打たれた本で伊集院大介を読むと言うのは妙な気分です。しかもこれがまたほとんど始まりの部分だけとは言え、面白そうだから余計残念に思えてしまいます。
栗本以外の手になる外伝3作は、それぞれ完結を迎えます。一気に読んだわけではないのでやや間延びした感じもありますが、それぞれ次のような印象でした。
『星降る草原』は、この最終回を描きたいがためのこれまでだったのかと思わせるような、最後の最後で展開が急になり、一気に話が結末を迎えます。しかもそれがちゃんと本家のキャラクター・スカールの外伝としてまとまっていったのは「お見事!」としか言えません。これで第1回頃のやや回りくどかった感じがなければ、十分グインの外伝として本家と並べても良いですね。
むしろ『リアード武侠傳奇・伝』は、何度も何度も「グイン」「リアード」と出てきていながら、やはりクムの話だったのだろうと思えてしまいました。グインの外伝ならばいろいろなアプローチの仕方があるだろうから、あまり複雑な設定にせずノスフェラスを舞台にしたクムの話とした方がすっきりしたのではないかとも思えてしまいました。
一番本家に近い雰囲気を出していた『宿命の宝冠』は、最初からの期待に背くことなく、最後まで本家の雰囲気を感じさせてくれましたが、「これで終わり?」という感じです。プロジェクトの4回分で終わらせられない話だったのかもしれません。期待していた分、少々意外な終わり方でした。私はすっかりアルロラがレンティア女王になるのだと思っていたのですが。
『日記より』は、栗本が『ぼくらの時代』で乱歩賞を受賞する頃のもので、日記そのものは当時の栗本の気持ちの揺れがみえて面白かったのですが、それをさらに興味深くさせたのは解説の今岡氏の文章でした。栗本薫の膨大な作品群での『ぼくらの時代』の位置づけを今岡氏の文章で教えられたように思います。
その今岡氏のエッセイは、栗本/中島の晩年の様子でした。中島梓の『ガン病棟のピーターラビット』を補完するような文章で、改めて栗本/中島の晩年の姿を知ることができたように思います。
初めにも書いたようにこれで続篇プロジェクトは一区切りになるようですが、このような形でグイン・サーガが続いていくのなら、それはそれでありかなとも思えるようになりました。栗本自身の文章ではないものの、多くの人たちがグイン・サーガに関わり続けているということそのものがグインらしくて良いのではないでしょうか。