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紙の本
東京ひとり散歩 (中公新書)
著者 池内 紀 (著)
関西の城下町に生まれ育った著者が武蔵野の一角に住み着いて早数十年—東京はふらりと歩くのに格好の町だ。角を一つ曲がれば江戸や明治と対面し、地方都市が失つてしまった年中行事が...
東京ひとり散歩 (中公新書)
東京ひとり散歩
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商品説明
関西の城下町に生まれ育った著者が武蔵野の一角に住み着いて早数十年—東京はふらりと歩くのに格好の町だ。角を一つ曲がれば江戸や明治と対面し、地方都市が失つてしまった年中行事が今なお生きている。足の向くまま歩けば、祭りの熱気に行き会い、懐かしい商店街に誘われ、荷風が排徊した路地裏に迷い込む。しめくくりは、居酒屋であれやこれやともの思う贅沢な時間—ひとり散歩の愉しみ、ここにあり。【「BOOK」データベースの商品解説】
東京はふらりと歩くのに格好の町だ。角をひとつ曲がれば江戸や明治と対面し、足の向くまま歩けば、祭りの熱気に行き会う…。ひとり散歩の愉しみを綴る。『中央公論』連載に『東京人』掲載2編を追加し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
池内 紀
- 略歴
- 〈池内紀〉1940年兵庫県生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。著書に「日本風景論」「世の中にひとこと」「ひとつとなりの山」など。
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紙の本
自分なりの東京発見を促す書
2011/08/28 21:27
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通り著者が東京を一人で散歩した際の記録である。中央公論と東京人に連載した際の20編以上を集大成して新書としたものである。当初あまり期待していなかったのだが、都内の自分の知っている場所が登場するので引き込まれてしまった。
都内のどこに行くかは著者の選択だが、大きく4つに区切っている。「見知らぬ東京」、「お江戸今昔」、「密かな楽しみ」、「よそ者たちの都」の4つである。どういう区切り方にしてもそれなりの場所を提供してくれるのが、東京と言う世界に冠たる大都市である。
「見知らぬ東京」では、日本橋兜町の東証や墨東奇譚の向島などに赴く。かと思うと周辺に森ビルの貸しビルが林立する愛宕山に行く。「お江戸今昔」では、吉原や忠臣蔵の現場である本所松坂町、さらに珍しいところでは人形や花火の問屋が並ぶ浅草橋を訪れている。
「密かな楽しみ」での訪問地は、八重洲の地下街、東京こんぴら詣ということで虎ノ門の琴平宮や朝倉家が所有する代官山のヒルサイドテラスである。この辺りの選択はなかなか飽きさせない。八重洲の地下街は日本有数の地下商店街であって、物販だけでなく、喫茶店や和洋レストランなど歩いているだけで飽きないところだ。一方で、代官山は趣がガラッと変わる。ヒルサイドテラスは槇文彦が長期にわたって設計した低層共同住宅ビルで、もともと所有していた土地を売却するのではなく、賃貸ビルのオーナーとして現在も所有し続けている。そのせいか、街並みに一貫性があり人々を引き付ける何かがある街だ。オーナーが街づくりを自ら行っているようなものである。
「よそ者たちの都」は鬼子母神、シオサイト、巨大な真空と題して皇居東御苑を訪れている。それぞれの括りの意味に説明があるわけではない。したがって、読者が勝手に想像することができるのだが、こういう仕掛けも面白い。普通は東京を下町、山の手、ターミナル、臨海地域などの地理的な区域で分けたがるのだが、括りのタイトルとそこに含まれる場所との関係を読者に考えさせるのである。
東京の散歩は歴史、景観、文学作品、寺社、再開発で誕生した新名所など、訪れる場所はその括り方によっては何通りもある。そうした散歩の楽しみの一例を示してくれているのが本書ではないか。この本の読後に同じ場所をなぞってみるのもよいが、自分なりの東京発見を促してくれるところに本書の価値があると思う。
紙の本
もうすこしテーマをえらんだほうがよかったのでは?
2009/12/30 16:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「エッセイスト」と紹介されているが,これはエッセイというよりは随筆だ.散歩して見たもの聞いたものを思ったまま書いている.著者の専攻はドイツ文学ということだが,ここにはドイツ文学の話は登場しない.それでも本や日本文学の話になると著者の知識がいきてくる.その一方で政治や経済の話になるといささか首をかしげたくなる.もうすこしテーマをえらんだほうがよかったのではないかとおもえる.