紙の本
一流のスポーツ選手は、一流の「人間力」を持っている
2012/03/24 11:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
長期にわたりトップランカーであり続けた杉山愛と、その母でありコーチである著者。長く続けて一流であり続けることって、ある意味正真正銘の「プロフェッショナル」であると思う。一時の成功よりもずっと難しいことだと思うのだ。そんな意味では、杉山愛というテニスプレーヤーはまさしく「プロ」である。
それを支えた著者の本であり、プロスポーツのことや杉山愛選手のことなどが書かれていると思ったが、さにあらず。 どちらかといえば「親」として子どもをどう育てるか、という視点に重心が置かれていて、子どもがプロスポーツ選手かどうか、または一流かどうか、というのは二の次の話題。
杉山選手の他、錦織選手、石川遼、宮里藍というトッププロ選手の「両親」にインタビューしているのも興味深い。プロ選手自身の話ではなく、親に焦点があたっているのだ。
プロスポーツアスリートとしての「テクニック」以前に、著者がこだわっているのは、その選手の「人間性」の高まりである。人間として成長すること、「人間力」をあげることにより、アスリートとしての技術もあがる、もっといえばスポーツは人間力をあげるためのツールである、という捉え方をしている。
この考え方は、「コロンブスの卵」的な発想であるが、こう考えるとしっくりくることが多いのだ。本書でも触れられていたが、杉山愛も石川遼、宮里藍も、そして松坂大輔や田中マー君も、インタビューを聞いていると「若いのにしっかりしている」という印象を受ける。当然サポートはあるだろうが、しっかりと自分の言葉で対応している感じがするのだ。そして自らが負けたり調子が悪い時のインタビューも、しっかり答えるし、優勝したり好調の時のそれも謙虚であるのだ。多くの目から注目されることによって出来上がった人格、と思っていたが、本書を読むとそれは幼少のころからの家庭環境やスポーツ環境によるものも大きいのだと感じさせられる。
親の大切な方針によってスポーツと「出会えた」ことで、培われる「人間力」が大きいと。それは親からの押し付けではなく、子どもが自ら選択したスポーツであり、そしてその「好きなこと」を「続けられる」環境であったことが、人間としての成長を促しているようだ。周辺の支えてくれる人たちへの配慮、技術的には必ずしも自分以上ではないかもしれない(が人間としては先輩である)コーチへの尊敬の念、そのスポーツに集中して取り組むことで、どこかで「突き抜ける」瞬間がやってくるのかもしれない。
コミュニケーションの力、判断力、決断力。スポーツを通じて育まれる力。もちろんスポーツを通じてでないと得られない能力ではないが、こういう考えの基で一流選手を、それも世界トップクラスに継続して存在し続ける選手を作り上げたことは大きな価値があると思う。スポーツに限らず、子育てという観点から見ても、参考にしたい点は少なくない。
【ことば】その子供=選手が、昨日より今日どれだけ上手くなったか、どれだけ人への思いやりができたかなどの、個人的な評価をすべきです。
選手間の比較、例えば「Aはできるのに君はなぜできないのか」という見方は絶対にしてはならない、その人の中でどれだけ成長しているか、という点に評価は集中させる、という。コーチ論であり、親子論でもあるね。自分がされるといい気持ちがしない「他者比較」を子どもに対してしてませんか?自分にも問うてみる。
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習い事には、口を出さない。どうしても、感情が出てしまい客観的に見ることができていない…そんな自分を、見直すことができました。「待つ」ことができることは、親のとても大切な資質。親たちは、自分の手を休めて子供の話に耳を傾け、自分の休暇や日々の時間を子供のために割くことを惜しんではいけない。最初は親が与えたものでも、子供は自然に自分で選んでく。自己選択能力と自己決定能力。…今日から、仕切りなおし。
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2009年に現役を引退された、杉山愛選手のお母さんの著書になります。
元は論文とだけあって、話の流れが非常にわかりやすかったです。
- 大事なのは、勝つことではなく楽しむこと
トップアスリートの親でありコーチでもあった方の言葉としては意外にも感じますが、
本文を読み解いてみると、とても納得のいく言葉です。
- 親が親の意思やエゴで子供に何かを強いても、いいことは一つもありません。
始めるきっかけは強制だとしても、"続ける"には本人の意思が何より大事、
わかっていそうで結構はまってしまいそうで、実際にもそういったケースが多いそうです。
- 「誰かのために」があってこそ頑張れる
- 話し方さえ工夫すれば、子供はたいていの話は理解してくれます。
何も子供を育てることに限らず、必要な素質だと思いました。
自分で選び取ったからこそ頑張れるし、周囲とも調和できていくのでしょう。
興味深かったのは、杉山さんだけではなく、石川遼選手、宮里藍選手、錦織圭選手のご家庭も、
同じような考え方で共通項が多く見いだせた、という点でしょうか。
ん、"子供の可能性"は様々に模索していきたいと、あらためて実感しました。
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スポーツの事だけでなく、子育て、しつけ、勉強等全てに通ずる内容だと思います。
子供は、親の所有物ではなく、一人の個人なのだと。
だから、兄弟姉妹でも同じ子育てではなく、その子その子の育て方がある。
我が子をしっかり見つめていけば、自ずと導き先が見えてくる。
まさに、「木の上に立って見る」姿勢が大事。
また、子育ては、「子どもを育てる」のではなく「子どもと育つ」こと…素敵な考えだと思います。
ついつい、上から目線で、口がでてしまいますが、それはグッとガマン(笑)
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親のエゴからの強制ではなく、子供の自主性に任せる。上手くいかない時、日常生活を見直してみる。等参考になったが、sampleが少なすぎる気もしました。
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愛情とは聞かれてもいないのに手取り足取り教えることではなく子どもの「気づき」が起こるまで待つ
スポーツに限らず子育てでもっとも重要なことは親が待つ姿勢でしょう
信頼して待つ。子どもが発見した「気づき」を理解できるかどうかが子どもが親を信頼してくれるかどうかの境目なのかもしれない
せっかく錦織圭・石川遼・宮里藍選手の両親にインタビューして論文をまとめたのなら本の半分くらいはその詳細をしりたかったかな
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大概の親は一生懸命子育てをしているから、自分のやり方を否定されたり、これが正しいのよと固辞されるとむっと来るものだが、
この本は、一流選手の親としては非常に冷静に、謙虚に客観的に子育てを分析していると思う。
すごく面白く興味深く読めました。
柔軟な考えをもつお母さんには読むと参考になるんじゃなかな?
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子供を育てる上で、子供への接し方について宝物のような内容が詰まっていた。
スポーツ選手に育てるかどうかは関係なく、非常に有意義な内容であった。
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教育方針の共通点
1 外遊びを多くしていた
2 家族や友達と多人数で遊んでいた
3 遊ぶ場所を選ばなかった
4 専門競技の開始年齢が早かった
5 専門競技に専念した年齢は10際前後だった
6 専門競技以外にも多種の競技をやっていた
7 専門競技以外の競技でも器用にやっていると親が感じていた
8 専門競技を選択してもその練習時間は3時間以内だった
9 専門競技を開始した目的は「家族の団らん」だった
10 親が「子どもに才能がある」と感じた時期は早晩やってきたが、最初から才能があるとはあまり感じていなかった。
11 専門競技になってからの親の口出しに関しては、宮里選手と石川選手の場合はやや遅かったが、錦織選手と杉山選手の場合はあまり多くなく、自由であった。いずれの選手も子どもの自主性が尊重されていた。
12 親が子どものスポーツへの取組を強力にサポートしていた。親の側も無我夢中であった
13 スポーツ以外の習い事については、最初は親の判断で始めたが「習い事をやらせて良かった」と親が感じていた
14 親たちも勉強を続けていた
15 子どもへの接し方が自身に満ちていて、ぶれなかった
16 私たちはあなたを信じている。あなたならできると思う。と表現し信頼し続けている
17 子どものために時間を割くことを惜しんでいない
18 子どもに選択肢を与えている
「スポ根」から「才能」へ。
コーチが選手に対して苛立って説教をしていることを知っていても、親がコーチに対して何も言えない実態がある。子どもたち=選手を苦しめ、彼らの人格形成に害を与えているか、コーチたちや親たちはそれを知るべきであり、スポーツをコーチングすることの真の意味を考えるべきである。
コーチが「物事に対する答えは一つではない」と自覚していたら、自分の考えを選手に伝え、考える時間を与えてから、選手自らが答えを出せるように話を持っていくだろう。
同じ練習をずっと続けることが大事。
クーベルタンの哲学
継続することで生まれる自信
どんなスポーツでも、継続することによって技術は向上する。特に「やれば上手になる。これは練習を続けてきた賜物なんだ」と気づくことができると自信も生まれる。この時、継続と自信は一対になる。続けることの大変さを知り、大変さから楽しさを得ることができるのも、スポーツをする人の特権。.
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テレビで杉山愛さんのお母様を見て、(大学院でスポーツの研究をした)憧れ、是非本を読んでみたいと思った。スポーツの結果だけでなく、スポーツを通じて人とのコミュニケーション能力が大事。ホントにそう思う。その他にも有名選手の家族の話などから、大切なものはなにか?ということがよくわかる本だった。
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子供への、1人の人間としてのリスペクト。「こうすべきた」などの発言は避け、子供からの発信を待つこと。
難しい事だが、一流選手を育てた実績ある筆者の言葉なので重みと信憑性がある。
もう一つ、完全に同意できる訳ではないけれどもメモしておきたいのは、子供は社会からの預かりもの、という言葉。そうか、そういう考え方もあるのだな。
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著者は杉山愛のお母さん。娘のコーチ経験のほか、錦織圭、石川遼、宮里藍の親たちから聞いた育て方も紹介している。本人の意思を尊重すること、楽しむこと、生活のリズムを整えること、多種多様な競技に親しむこと。
人間力戦略研究会が発表した人間力の定義は、基礎学力と専門的な知識・ノウハウ、社会・対人関係力、自己制御力。継続することによって自信も生まれる。今日の課題は何か、これから自分が行っていきたいことは何かを考える。
杉山愛の「スポーツは自分を磨きのためのツール」という言葉が印象的だった。
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バーンアウトの原因
過度なプレッシャー
オーバートレーニング
目的を見失う
体力とは、身体体力、知的体力、精神体力
コミュニケーションが大切
それには信頼関係、相互のリスペクトが必要
スポーツ医学専門家
ジョエル・ブレンナー
「若年ときのスポーツ参加の最大の目的は、長期的な健康や余暇活動の促進、またその後の人生での健全な競争意識の育成である」
AYSO(American Youth Soccer Association )
大事なのは勝つことでなく楽しむこと
ファンは応援するのみ。コーチはコーチに任せる
負けを受け止め、次に繋げていく
負けも含めてスポーツの醍醐味を楽しむ
お弁当を持って公園などに出かける
1日外で過ごす
スポーツ選手に向いているのは負けず嫌い
スポーツ漬けよりも様々な文化的活動も
練習の条件が悪くても、自分の課題を見つけて練習できる選手が強い選手になり得る
自分ひとりのために戦うのではないのがプロ
スポーツはコミュニケーションツール
相手に勝つよりも、自分のパフォーマンスを上げる
自分で考えさせる
テニスノートが有効
多種多様な競技に親しむ
(楽しんでいればOK)
才能を感じなくて大丈夫
プロアスリートを目指さない
目的が家族の団欒
幼少期(幼稚園まで)は外でよく遊ぶ
専門競技との出会いが早い(3-5歳)
専門競技に集中するのは10-12歳
専念するまでは2H/Dを週4
試合への出場が早い(7-8歳)
自分のパフォーマンスを上げていく
そのために自分の人間性を高めていく
→試合とはそんな自分がどれだけ通用するかを試す場
(戦う相手は対戦相手より自分自身)
テニス日記
読書
スポーツを楽しむ
スポーツで絆づくり
(家族のコミュニケーションツール)
様々なスポーツや経験
負けず嫌い
コミュニケーション能力(対話)
リーダーシップ
時間を割いてサポートする
コミュニケーション
子供に選択肢を与える
私たちはあなたを信じている
あなたならできると思う
(信頼)
親も勉強を続ける
競技を通じて自分の価値観や哲学・倫理観を育てることが大切
競技をする楽しさ
競技で成長する、自分を磨く楽しさ
好調なときこそ謙虚に
1.外遊びを多くしていた
2.家族や友達と多人数で遊んでいた
3.遊ぶ場所を選ばなかった
4.専門競技の開始年齢が早かった
5.専門競技に専念した年齢は10歳前後だった
6.専門競技以外にも多種の競技をやっていた
7.専門競技以外の競技でも器用にやっていると親が感じていた
8.専門競技を選択してもその練習時間は1日3時間以内だった
9.専門競技を開始した目的は「家族の団欒」だった
10.親が「子供に才能がある」と感じた時期は早���やってきたが、最初から才能があるとはあまり感じていなかった
11.専門競技になってからの親の口出しに関しては、宮里選手と石川選手の場合はやや多かったが、錦織選手と杉山愛の場合はあまり多くなく、自由であった。いずれの選手も、子供の自主性が尊重されていた。
12.親が子供のスポーツへの取り組みを強力にサポートしていた。親の側も無我夢中であった。
13.スポーツ以外の習い事については、最初は親の判断で始めたが「習い事をやらせて良かった」と親が感じていた
スポーツというものは、取り組む人の人間性の向上や、より楽しい人生を創っていくためのツール
「勝つこと」だけをむやみに追い求めるのではなく、スポーツが与えてくれる様々な機会を活用して、人間としてより成長できる。
順境も、逆境もその全ての機会を利用して、考える力、周囲の人とのコミュニケーションをとる力を養う
逆境はチャンス
クーベルタン
「自己を知る、自己を律する、事故に打ち克つ。これこそたアスリートの義務であり、最も大切なことである」
選手の才能を全部、もしくはそれ以上に出す事が出来たコーチが一流である
選手はコーチを尊敬し、コーチも選手を尊敬する
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杉山愛選手の母が著者。
半分は愛選手の成長について記載。
子供にスポーツをやらせるタイミングでもう一度熟読したい。