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紙の本
愛子さまと悠仁さま 本家のプリンセスと分家のプリンス (新潮新書)
著者 大島 真生 (著)
名付け親、儀式の内容、一家の予算…何から何まで異なる愛子さまと悠仁さま。その「立場の差」が意味するものとは何なのか? 現役の宮内庁担当記者が、5歳違いのおふたりの成長から...
愛子さまと悠仁さま 本家のプリンセスと分家のプリンス (新潮新書)
愛子さまと悠仁さま―本家のプリンセスと分家のプリンス―(新潮新書)
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商品説明
名付け親、儀式の内容、一家の予算…何から何まで異なる愛子さまと悠仁さま。その「立場の差」が意味するものとは何なのか? 現役の宮内庁担当記者が、5歳違いのおふたりの成長から読み解く平成の皇室、その未来。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
大島 真生
- 略歴
- 〈大島真生〉1968年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。産経新聞社に入社、警視庁警備部などの担当を経て、宮内記者会所属。季刊誌『皇室』執筆も担当する。
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滅亡と繁栄、意外な日本の別れ道
2007/10/13 02:25
17人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ10年で最も慶ばしきことといえば、私事も含めて悠仁親王殿下ご誕生の速報であった。日本という国家国民にとって、天皇家というのはいわば国民のルーツの頂点を結ぶ正三角形の上部結び目に位置される。国民全員が、天皇家とは日本人として血の部分で精神的にも民族的にも繋がっている。そこを介して日本人はひとつの国「家」としての結合を強くしているのである。その天皇家に男系男子の王子様がご誕生なされたということは、私は本当に嬉しくて涙が溢れんばかりであった。
ちなみに、天皇陛下と右翼を結びつけるバカがいるが、そんな理論的つながりはどこにもない。タイやイギリス、王室を仰ぎ見る気持ちは共通のものであるし、歴史ある民族にとってこれは自然な気持ちであろう。
さて、そんな我が皇室であるが、本書で見るべきはまず宮中で今も行われている儀式の実情である。神道にのってって様々な儀式が今も行われている。
もちろんそこではそこに関わる女子の厳しい取り決めもそのままである。本書ではそれに関わる女性を尊皇の志の厚い国学院大学卒業の女子などから声をかけていくらしいなどと言っているが、おそらく噂だろう。血筋というものを忘れた選別など宮内庁はしないのではないか。
改めて思うのは、女性天皇ご誕生の難しさである。この儀式全てをリセットする事などできはしない。それでは儀式が儀式でなくなる。著者もこれについては同意見のようだ。確かにそう感じずにはいられない現実というものは知っておいたほうが良いだろう。
また著者も指摘するが、女性天皇ご誕生とフェミニズムを結びつけるのは愚かさもここに極まれりとしかいいようがない。フェミニズムは制度の上にこそ憲法14条を介して実現すべきものではあるが、憲法より遥か前から連綿と続く歴史の前にフェミニズムが立ちはだかるなど有り得ぬ話しではないか。憲法を勉強している連中に共通するのだが、あまりにも学説で憲法が頂点だなどと論証もなしに書かれているものだから、妄信してしまうのである。
男系男子が皇家を継ぐというのは、2000年前から我々の祖先が守ってきた伝統中の伝統の核心である。もちろん、過去何度もこのシステムは危機に晒された。しかし、その度に公家などが知恵を出し乗り切ってきた。その集大成が、天才井上毅の手になる皇室典範である。どうしてそれを我々が民主主義の名の下にそれを消し去ることができようものか。
英国やタイは男子優先の留保付きながら女子即位を認める。しかし、日本とそれらの国では王室としての格が違いすぎる。彼らにとってはもともと男系男子維持なんていう伝統なんかないのだ。たった400年の歴史程度ではその程度にしか熟成しないのは止むを得ない。
もちろんだが、仮に女王が我が国の伝統なら、それを死守すべきであり、男子は絶対に即位できないものとすべきだ。伝統に手を触れるには今の日本人はあまりに幼稚で稚拙である。ただ守るだけでよい。
さて、最終章で危惧されているのは、愛子様と悠仁様の即位争いという悪夢である。結論から言えば、起こる確率はゼロだが、しかし周りが騒ぐ可能性が懸念される。そもそも、男系男子の伝統は、皇室典範より遥か悠久より前から天皇家の家訓なのである。現に、三笠宮様と今上陛下の距離を推し量れば、女系反対の三笠宮様の御意見は陛下の大御心と見て大過無いのである。少なくとも、天皇家から女系賛成の意見は聞こえない以上、不自然な推測ではあるまい。
王子様が生まれた以上、次の天皇陛下は秋篠宮様、悠仁様で動かない。それを動かそう、政争の具にしようとする大馬鹿者が出ないとも限らない。現に、日経新聞の昭和大帝メモ事件も淵源には天皇制廃止論者共和制移行論者の意向があからさまに見えている。
日本経済は順調である。あらゆる産業は発達し、世界のトンネル、例えばアメリカ南米を繋ぐ橋を作るにも日本が不可欠、インフラ整備だけでも好景気は続く。しかし、浮かれて伝統を忘れれば、鉄槌となってやがて我が身にはね返る。
試練のときである。自分の頭で考え、「平等」という無内容な(もし完全平等にすれば累進課税は消滅、女性車両も霧消する)ものにただただ稲穂の如く平伏す現状から立ち上がれる者が何人でるか、それがおそらく日本の別れ目であろう。人口減少しても天皇家さえあれば日本は大丈夫なのだから。
人口減少すれば国民1人1人は今よりきっと幸せになるが、そのとき外国人が日本に溢れる時代になっていても、天皇陛下さえお顔を出してくださればこの国はまとまるのである。