紙の本
思っていても言わないこと、
2021/07/11 09:18
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
抑えているつもりなのにとび出してしまう感情。それらを自分の中で折り合いをつける為の方法を人間という生物として学ぶべきタイミングに、お手本が見つからなかった。また、最悪の事件が発生してしまった後にも、間違えてしまったことを誰からも指摘されないで生きてしまうとその背負った罪をどのようにして償えば良いのか。償うべきなのか。大人なら誰しも、一つは思い出すはずの子ども時分にやってはいけないことをやってしまった時のこと。胸の内にそっと秘めながら生きていく。
紙の本
予想の範囲内の結末
2020/06/20 08:41
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
たぶんこういう感じのストーリーだろうなぁと見当がつき、おおむね予想したとおりの結末だった。己の中の陰鬱な部分を自分の中で作り出した(存在する)もう一人の自分に背負わせて、そちらにすべてを押し付けて何食わぬ顔で生きている人というのは、程度の差はあれ、結構多くの人がやっていることのように思うので、筆者は異常なことのように書いていたけど、さほど特異なこととは思えなかった。
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僕が知り合った彼女は、迷宮入りした一家殺害事件の遺児だったが・・・
ミステリー風ではありながら、いわゆる純文学ってやつですか。
真相が判っても、なんか悶々とするばかりなんだよね。
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今までで一番明るい印象。
文則さん読んでて特有の胸がつまる感じはなかった。
迷宮入りのはずだった事件が、徐々に輪郭を帯びていくのが気持ち良かったからかな。
なんやかんや結局2人で珈琲を飲むという日常にもホッとしてしまった。単純。
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中村文則最新作。
今まで同様、彼独特の世界に今作はミステリー要素も含まれ、
いつも以上に只事ではないというか、あっという間に吸い込まれてしまいました。
うー。面白かった。
「突き詰めて考えるのをやめれば、人生に謙虚になれば、
身近な希望ならすぐ見つかるのだから。」
こういう言葉をさらっと描いてしまうところが素晴らしい。
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純文学ミステリーって言ったらいいのか。
迷宮事件を追う・・
結末のドンデン返しを期待する作品じゃないが。
途中少しだれたが「掏摸」に次ぐ位の作品かな。
あと3作品で11作品完読
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どっと重くて暗い。具合が悪い日に読む本ではないのだが、引き込まれてしまった。弟が小さい時に、僕の頭の中でいい子の僕と悪い子の僕が喧嘩をするんだ~というから、で、どっちが勝つの?と訊くと、悪い子!と思いっきり言っていたことを思い出した。私は単純なので、そういう気持ちはわからないのだが。
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相変わらずの気持ち悪さ。
でも心地よく感じ、共感してしまう自分がいる。
彼の作品の中では、あまり好きではないけど、
らしさが存分に表出されていると思う。
命を削って執筆しているという印象はいまだ拭えない。
僕は彼のあとがきが好きで、毎回必ず最初に読んで、
途中でも、読み終わってからも読み返します。
彼の魂の力強さのようなものを感じることができるからです。
共に生きましょう。
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個人的に待望の、中村氏新作。夜中に一気に読了。お得意の、悪のその先ストーリー。に今回はまさに迷宮、謎解き要素も。震災なども盛り込まれており、さあラストは、どう転がるか。
「人間にとって、本当に悪は可能だろうか?」
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「僕」が何気なく知りあった女性は、ある一家殺人事件の遺児だった。
中村文則さんの新作は、なかなかに重苦しい作品でした。
人間の暗部を抉るような、見聞きしたくないようなことも書かれていて、小説の世界に入り込むのがためらわれた。
それでも事件に引っ張られてページをめくる。
事件の謎が解けていくのと同時に進む僕と彼女の関係。最後に穏やかな境地に至った僕はこれからどのように生きていくのだろう。
事件の犯人を想像している場面での会話の引用…
「…根本的に歪んだやつだと思います。小さい頃から、きっと歪んでいた、根本的に、相当に。そして大人になってから大変なことをする。…」
そして主人公も自分自身を歪んでいると思っている。
閉鎖された家庭での狂気じみた感じや抑圧がずっしりとぶら下がっている。自分にとってはこういうのは相当怖くて辛いジャンルです。
ここまで人間が持っている歪みを追求する作者に頭が下がります。
短いあとがきにぐっと心を掴まれて、以前から躊躇している「土の中の子供」を読んでみようかという気になりました。
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弁護士事務所・新見とR、
日置事件遺児・紗奈江。
天才。
評価の高かった「掏摸」を面白いと思えず、自分には足りないものがあるのだろう・・・とちょっと寂しい気持ちに陥ったり、
週刊ブックレビューでのインタビューで高感度の高い謙虚な青年である事を知り、益々自分の欠落感を感じていたのに!
小気味いい楽しい話ではないけれど、本当に面白く読めた。
勿論健全な感じがいちばんなのだけれど、新見に同じようにされたいと思ってしまう自分もいて、切なく苦しい気持ちにビビる。
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1人の女性に関わっていく新見の様子は、のめり込むでもなく、落ちるでもなくて「受け入れる」という感覚でした。そこに至るまでの彼の様子にも暗さや重たさはなくて、ただ「冷静さ」を感じます。
登場してくる人物たちもみんな胡散臭く、ミステリー色もあって面白かった。読み終わったときは、今までの中村作品に無かった「安堵」を感じました。作中の雰囲気は今までとずいぶん変わったと思いました。
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やっぱ「文芸作品」は性に合わない。主人公がやたら悶々として、結局そのまま終わりって感じ。せっかくのミステリ要素も付け合わせ程度で終わっちゃってるし。
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久々に吸い込まれてしまった。
ひや〜、なんだこの感じ。”R”は驚愕ではなく、どちらかというとせつないな。
"R"と共に生きてきた自分、というのが。
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読み終えた夜の夢にうなされました。
深層心理に訴えるものがあります。
ラストの一歩手前までは☆5こでしたが、エンディングはなくてもよかったかも。でもそれでなんとかこっちに戻ってこれたかな。
作者のお体が心配になったりします。
これからも注目です。