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昭和天皇&マッカーサーの2ショット写真から始まって、高須クリニックと日曜朝の特撮ヒーローを同じ遡上に乗せる剛腕っぷりは小説家ならではの空想力のなせる業。ほとんどインタビューの書き起こしなのに、わざわざこれはノンフィクションですよとのコトワリが確信犯的で、最後にはフィクションめいたカタルシスへと着地させ、読み物として面白い。日本人論としての評価は???
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成熟拒否する日本をあらゆる事象から考察し、3.11以降の在り方について論じた書。中のインタビュー等で興味深い箇所はあったが、正直、まとめれば5分で伝えられるような内容に、1,500円も費やしたのかと思うと切なくなった、大学の講義みたいな本だった。この手の本は当分読まなくてもいーかなーと思ってしまった。すいません。
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著者のフィクション作品などまるで触れたことなくいきなり本作を読んだ形。成熟拒否をテーマとし、多ジャンルの先端の人へのインタビュー&論評。普段触れることが少ない領域ばかりで面白かった。簡潔でわかり易さを重視する昨今の本と比較し冗長に感じる向きもあろうが、個人的には久々に贅沢に文章を読むことができた方を評価したい。
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これまで阿部和重さんの著作は全て購入しており、評論という今までにない切り口や、「幼少の帝国」というタイトルからしてデリダ(だっけ?)の「表徴の帝国」のオマージュといったところに、期待十分というで購入。
が、読後の感想としては、なんとまぁ切れ味の悪いというか普通の評論でしたー。
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タイトルだけで期待した自分がいけないのだろうが、まあ何ともしょうもない本だった。 タイトルと本文の関連性も良く分からない。 肝心の成熟拒否については、〜らしいとか、〜と思われる、と言ったような言いまわしになっていて、論の進め方が分からなくなってしまった。 残念。
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一見、「幼少」的に思える文化から日本論を展開しているが、「成熟を拒否する」というテーマとは合致していない部分が多い気がする。特にバンダイの第7章辺りでは、バンダイの内情が主な内容で、一体何の本を読んでいるのかわからなくなる。
成熟を拒否する、とはそのあまり一般的な社会生活すら成り立たないレベルと認識しているので、単に事象への解釈が著者と異なるだけだろうが、全体を通して納得できる内容とは言いがたい。
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サブタイトルの「成熟を拒否する日本人」から考えて「おたく文化を中心にしたサブカル論、またはルポかな?」と読んでみればいい方にも悪い方にも裏切られた感じ。“いい方”はアンチエイジングなど着眼点のユニークさ。“悪い方”はユニークさが災いして全体として浅く広くなってしまった事。皮膚についての話はもっと読みたかった。
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2012.10.26 図書館
戦後の昭和天皇とマッカーサーのツーショット写真は確かに衝撃だったろうね。幼稚、成熟拒否、今の日本の通底にあるかもしれません。
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視点が面白いなと思いました。
一件あんまり関係なさそうな事柄が「幼少」というキーワードから
引き出されて「なるほどな」と思う現象の解説となっていたり。
物事の見方の視点のあり方の一つを教えていただいたような。
単なるエッセイとは違うし、ドキュメンタリーや評論ともちょっと違うような。
この方の小説、実は読んだことはなく著作も初めて読みました。
今まで出会ったことのないタイプの人だなと感じましたが、小説読んでみようかなとまでは思わなかった。
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アンチエイジングとは、戦後日本が編み出した究極の処世術だった!? 成熟を拒否して、永遠の若さへ――。美容整形、省エネ小型化技術、デコトラ、仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズ……。作家は、文化や産業の最先端を探訪する。3・11という巨大な裂け目を経ながら、新たに発見されたこの国の可能性とは? 現代日本文化に指摘される「未成熟性」の正体を探る、著者初のノンフィクション!
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アンチエイジングや省エネ、小型化などの日本の産業の得意分野など、成熟拒否の一例かもしれないものを取り上げ、インタビューをしていくという作り。
ダイナミックさが足りないし、東日本大震災が絡んできて余計に軸がわかりにくい。でもそれ抜きに批評書けるかといったらまぁ無理だろうと。
ちなみに日本人の成熟拒否というワードはもう世界が日本を語るうえで常套句中の常套句と化しているらしいです。
私が読んで収穫だと感じた分野は美容整形。
昔は美容整形という言葉すらなくてヤミ状態だったとか、今の医者より昔の医者の方が技術が高かったとか。
高須先生さすがですわと感じた。
作法と美容のたとえとか、すとんと腑に落ちる。
私も中身の美しさが見た目云々って価値観はない人間だから。
あと阿部和重の小説ファンとしてはオタクもヤンキーも渾然一体となった独特なあの初期の世界観はこういう部分から来ているのか、とデコトラの章を読んで納得。楽しめた。
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十分に理解できない。マッカーサーと昭和天皇の写真をきっかけに、「成熟を拒否する日本人」をテーマに語り始める。扱うトピックは美容外科にアンチエイジングの今、小型化する機械、デコトラ文化、日曜朝の戦隊もの、そして東日本大震災。んー?サブカル文化論?よくわからない。幼少の帝国のタイトルはキャッチーだと思うのだけど、中で論じられていることが、社会の一側面と捉えるにはあまりに突飛に過ぎないか。
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各章のインタビューやまとめは、興味深い内容だが、全体を通してのテーマが伝わってこなかった。
著者的には、幼児性、成熟拒否で繋がっていると思うが、読んでいて納得感が薄く、取材対象が全体的にマイナー?な事案(震災取材は除く)が多いので、仮説を実証する案件だけ集めてないか?と穿ってしまう。
美容整形、戦隊モノ制作、デコトラ愛好家など、各章単品の観察・インタビュー記は読ませるので、かしこまった前書きと後書きの代わりに事例を倍ぐらい入れて、そのセレクトと配置で主張を匂わしたほうが、面白い本になったのではないかと思う。
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日本人は未成熟だ、というのが骨子なのだが、アンチエイジングにせよ、製品のミニチュア化にせよ、あちこちの情報を集めて切り貼りしてあるだけで、思考を深めていない。著者の物知りぶりをお披露目してるだけのように感じる。
日曜朝の子ども番組のキャラクターグッズがどうの、という部分がやたらと熱っぽく語られて著者のオタクぶりが伺えたあたりで,飽きて投げ出してしまった。仮面ラーダーの写真なんて、ここに必要だったんだろうか…。
幼稚というのは、自虐的に幼稚であることは認めても、なぜ社会がそのような方向に向かうのか理整然と説明できない、論理思考力が足りないのだと思う。小さなものや愛らしいものを好むから、カワイイが美学だから、というとってつけた説明ではなく、なぜそうなるかの分析が甘い、その事態そのものが日本人が幼稚なのだろう。これじゃいけないという問題意識はあって、共有されていても、解決策をひねり出そうとはしない。
50すぎたオッサンがおもちゃを万引きしてしまうような世の中。50近いオッサンが子どもを誘拐して自分の嫁にしたいと言っちゃうような世の中。オバサンたちがキティブランドなんか身に着けてる時代。そりゃ、成熟しないよね。子ども時代の想い出を捨てられない人は、どこか言動が無責任なんだもの。
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昭和天皇とマッカーサーの写真から始まり、精密機器産業の小型化技術、美容整形、デコトラ、戦隊モノから東日本大震災と、いろんな角度から日本の幼少について考察。
連載中に東日本大震災があったということで、方向性が変わった感じがする。そこに触れない元の趣旨のものを読みたい。