紙の本
着ぐるみ劇団の謎
2011/12/19 19:07
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投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
着ぐるみ劇団「鞍馬からかさ一座」のアルバイト団員水野が
着ると手足を勝手に動かしてくれる不思議な着ぐるみに出会い
テーマパークのステージを盛り上げます。
着ぐるみ劇団という一度は誰もが見たことがある舞台ですが
その存在はあまり知られていません。
アクション劇団での失敗から新しい劇団への移行、
老人が目立つ鞍馬からかさ一座の歴史をたどり
自然にこの業界の奥深さを知ることができました。
とても新鮮でした。
また、その舞台のおもしろさ、エンターテインメントの醍醐味を
味わせてくれます。「孫悟空」の舞台は見てみたくなりました。
そこに集う人々の個性的なキャラクターがまたユニーク。
老人となってもなお衰えない体力には脱帽。
キャラと着ぐるみがダブり、
それが「選ばれし者」という発想への展開もおもしろい。
こんな生き方もあり、と納得してしまいます。。
しかしもったいないのは、テーマパークのキャラクターコンペの
結果が曖昧になっていること。
アクションやお金をかけた興業、広告とのタイアップにも
不思議な力を持つ着ぐるみが勝つまで描いてほしかった。
紙の本
最初から最後まで勢いのある話。
2015/09/29 11:56
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
着ぐるみのぬいぐるみが実は役者を動かしてて、ぬいぐるみの声が聞こえるかどうかが役者としてのポイントになる、というのがミソの話。着ぐるみの声が聞こえるというのがファンタジーとしての設定なのだろうが、それはよい役者の隠喩としても考えられると思った。
それはともかくとして、着ぐるみの劇団がこんなにレベル高いのかというようなすごい舞台が繰り広げられる。コーラスがあったりアクションばりの動きがあったりする場面もしっかり描かれているし、人間関係もおもしろい。
最後にややドタバタにはなるが、全体としては流れがあってよかった。
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第23回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品。とても気持ちのいい青春成長物語。本作がなにゆえファンタジー大賞なのか。それは読んでのお楽しみ。
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第23回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作。
主人公、水野葉一は、アルバイトのヒーローショーでその他大勢の戦闘員から凖主役のカッテンジャーに抜擢されるが、その初舞台で失敗、辞めさせられる。
だが、ヒーローショーの先輩の伝で「鞍馬からかさ一座」の仕事を紹介されそこに入る。だが、その劇団はただの子ども向け着ぐるみショーではなかった。
いやあ、着ぐるみ道の奥は深い(笑)。また、舞台は京都。葉一の大学のお膝元、吉田界隈……。吉田スタジオパーク。
オイラ思い出すのが、万城目学さんの鴨川ホルモー。あのオニたちが暴れ回った吉田神社界隈なら、こんな妙な劇団があってもおかしくない。現実離れした物語ですが、読み終わると、主人公の成長した姿にほのぼのします。ファンタジー、ジュブナイル。
オイラの歳で読んでるのが恥ずかしいが、とっても面白いです。
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日本ファンタジーノベル大賞 受賞作 新人賞を取った作品です。
結構サクサクと軽く読めるお話です。
着ぐるみが意思を持って役者達に語りかける。
選ばれし聞こえる者がいる。
舞台はあり得るけれど、実際にはあり得ないファンタジー。
設定は面白いと思います。
ただ、なぜ着ぐるみが意思を持ったのか?
からくさ一座のバックボーンなど、一座になぜこのような人達がいるのかなど…
また各キャラが良い設定を持っているだけに、使い切れていない部分があり少し勿体なく感じました。
あとせっかくなので、もっと着ぐるみたちと演者との会話を描いて欲しかったですね。
今後連作にして丁寧に、着ぐるみたちの謎について描いてもらってもアリかな~っと思います。
もし続編が出ることでゼぺ爺や吉牟田君は実は人間じゃなったとしても、ジャンルがファンタジーだから許せるかもしれない(笑)
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おもしろい本に出逢うと
心がほんわかする
終わってしまうのが
惜しくて
途中 わざと
中断したりしてしまうのが
また 楽しい
久々に
ファンタジーを
満喫させてもらった
会心作です
次が楽しみ
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第23回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受章作品。
同賞で大賞を受賞した「さざなみの国」も読んだけど、個人的にはこちらのほうが面白かった。
スーツアクターのアルバイトをしていた学生が小心な体質から大失態をしでかしてクビになり、そのバイト先の先輩の紹介で入った新たなバイト先は着ぐるみの劇団で・・・?
というような話。
京都を舞台にした青春小説。主人公が新たなバイト先に入ったあたりから面白くなり、どんどん読ませる感じで一気に読み終わった。
作者は実際劇団経験があるそうで、そのため本番時の臨場感などはとてもよく出ていたけど、あまり一般的でないその業界の言葉を常識のように使ってしまうのはちょっとどうかと思う。
クライマックスに向けての盛り上げ方はとてもよく、最後のお祭りの雰囲気がとても楽しかった。実際この劇団があるならぜひ見たいと思わせられる。
語りが一人称だったので最初すごく読みづらかったけど、読み進めるにつれさほど気にならなくなった。でもやはり一人称だと当人がいない場面を語れないし、三人称だったらもっとよかったと思う。
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ヘタレ大学生スーツアクター・水野葉一が拾われたのは、変人揃いの鞍馬からかさ一座。この劇団の着ぐるみキャラには、なんと…選ばれし者を見抜く“力”があった!?ライバル劇団との大勝負を懸けた大晦日のパレードで、主役に抜擢された葉一の「葉隠吉田丸」が弾け舞う。京都を舞台に繰り広げられる最高に幸せな青春小説。第23回「日本ファンタジーノベル大賞」優秀賞受賞作(「BOOK」データベースより)
この賞もレベル低くなったなぁ・・・。
着ぐるみ劇団って、確かに今までになかった設定だけど、終始その着ぐるみショーの事ばっかり書いてて、興味持てないまま読むと読み進めるのがホントつらい。
京都を舞台にした点で森見さん意識してる?
作風全然違うからそうでもないか。
人形劇団の役者さんの経験があるらしいし、きっと本当にこういう舞台が好きなんだろうな。
そういう思いはわかるのですが、やっぱり最後まで読んでも興味は持てなかったです。
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京都の着ぐるみ一座の摩訶不思議な青春活劇。
設定は面白いが、作風が万城目もどきなのが気になる。
高度な等身大着ぐるみは劇団カッパ座(たっくんのオモチャ箱が懐かしい)、
戦隊ショーはまさしく東映ものやJACを彷彿させられてうれしかったです。
ただファンタジー部はスターウォーズのフォース、
エンディングはTDLのパレードやがネタ元と思われ、
もっと昇華させて、オリジナルな力強さがほしかったです。
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京都の鞍馬でスーツアクター(着ぐるみかぶる人)のアルバイトをする大学生のお話。
きぐるみにファンタジー要素がちょっぴりふりかかっているけど、
基本は劇団員の青春物語でした。
わたしは四畳半規模のファンタジーが好みなので満足ですが、
ひとつの世界をまるまる作る! みたいな
本格的なファンタジーを期待している方は肩すかしを食らうでしょう。
1人称の語りが読みやすく、
次どうなる? 次どうなる? と展開が気になって一気に読みました。
ただ、最初の方の軽妙な語り口では何度か噴き出したりしたのですが、
後半にいくにつれ、熱血が勝ってずいぶんまっとうな主人公になっちゃった。
(個人的には)残念です! 徹頭徹尾オモロイ子でいてほしかったかも。
「京都」で「大学生」で「ファンタジーノベル大賞(優秀賞)」と聞くと、
どうしても森見登見彦を思い浮かべてしまうので。
比較されると、不利ですね。
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京都の大学生、だけどアクション俳優のバイトで忙しい水野葉一。大抜擢された役つきなのに、腹痛のため失敗、当然クビ。
そんな時、拾われたのが一風変わった着ぐるみ劇団「鞍馬からかさ一座」慣れない着ぐるみでアクションな上に、いきなり主役をさせられてしまう。けれど、不思議な声が聞こえてきて、葉一を助けてくれる。その声の招待とは・・・。
舞台役者のたまごの青春物語。サクサク読めて楽しい。
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まとまっているなとは思ったけども全体的に地味な印象。
主人公も特に魅力が無く、作中の劇もそんなに面白くなさそうに映りました。
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p179『芝居ってのはな、役者が着飾ってやるもんじゃねえんだ。着てるもん脱いで丸裸になってやるもんなんだよ』
数年前に新聞で大賞が発表されてからずっと読みたかった、第23回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品。
京都の大学生は、不可思議な青春をすごすものなのでしょうか。
これもまた、京都の大学生が、奇妙な着ぐるみ劇団で舞台をする物語です。
学生時代、演劇と関わっていた身なので、序盤のジョニーさんの台詞は嫌いじゃないです。
なによりもゴッツァンの、王様に言われた言葉と、ゴッツアンの言葉に感動した。
「役ってのは、自分の方に引き寄せるもんなんだ」
次第に小説というより台本読んでるイメージになっていました。
葉一の青臭さが随所染み出てる感じ。青春って恋愛のイメージがあったけど、これもすごく青春してるなぁ。(恋愛フラグも無きにしも非ず?)
ただ、ファンタジーらしい奇妙が起こるのが中盤なので、少し遅めです。雰囲気を作る前に飽きそうでした…。
後半のパレードの華やかさとかお祭り騒ぎという盛り上がりは良かったです。
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万城目に似た雰囲気。
何でもないことの表現が面白い。
前半は面白くってぐんぐん引き込まれたけど、後半は少し失速した感じかな。
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男性には多いとかなんとか、ストレスからうんこ出ちゃうー、てか実は出ないけど、なんか出そうでたまらん、ていうやつ。知り合いにもけっこう困ってる人がいて、自分は大丈夫だけど、でもノロの時の強烈なやつがしょっちゅう来るんだと思うと、恐ろしくて夜も眠れない。というわけで、主人公がこのうんこの恐怖に震えているのが、まぁ本編と直接関係ないけど、微妙なリアリズムを生んでいて、なんともはや。
でもこの話はうんこにはあんまり関係ないわけで、ともかく臨場感がすごくて、本を読みながら、しかも言っちゃなんだけど地味とも言える演劇の世界をぐいぐい持ってくるのがなんとも気に入りましたわけで。普段は演劇とかパレードとか見ても、ちょっと遠くから見てる感じなわけですが、一緒に楽しもうというのはね、これ大事なんですね、という淀川長治的な感想を持ったわけです。というか、ともかくちょっと引いてしまったりせずに、この勢いに一緒に乗るのが粋というやつですかね。