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- カテゴリ:一般
- 発売日:2011/10/21
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/296p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-327515-2
紙の本
ポーカー・フェース
著者 沢木 耕太郎 (著)
高峰秀子の潔さ、尾崎豊への後悔、そしてサリンジャーが死んだ—虚と実が綾なす人生の不思議。独り在ることの惑いと誇り。生きる者と死にゆく者へ贈る励ましと別れの言葉。圧倒的な清...
ポーカー・フェース
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商品説明
高峰秀子の潔さ、尾崎豊への後悔、そしてサリンジャーが死んだ—虚と実が綾なす人生の不思議。独り在ることの惑いと誇り。生きる者と死にゆく者へ贈る励ましと別れの言葉。圧倒的な清潔感と独自の美意識に溢れた、13編を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
虚と実が綾なす人生の不思議。独り在ることの惑いと誇り。生きる者と死にゆく者へ贈る、励ましと別れの言葉。独自の美意識に溢れた13編を収録。「バーボン・ストリート」「チェーン・スモーキング」に続く珠玉のエッセイ集。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
沢木 耕太郎
- 略歴
- 〈沢木耕太郎〉1947年東京生まれ。70年「防人のブルース」でデビュー。「テロルの決算」で大宅壮一ノンフィクション賞、「一瞬の夏」で新田次郎文学賞を受賞。
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書店員レビュー
「バーボン・ストリー...
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
「バーボン・ストリート」「チェーン・スモーキング」に続くエッセイ集、第三弾。
沢木耕太郎のエッセイを読むのは初めてだったが、
するするとまるで水を飲むように読み終えてしまった。
伊集院光のエッセイのうまさをほめ、機上での酒の嗜好が村上春樹と同じ事に驚き、
高峰秀子の佇まいに背筋を伸ばす。
随所に出てくる旅先でのエピソードや映画の話。アルコール談義などが織りなすエッセイは、
しなやかな視野の広さと清潔感にあふれていて、一篇読むと、通読してしまう事、必至。
あとがきも必読。なぜタイトルを「ポーカー・フェース」にしたのか。まず、その理由にほのぼの。
最後に挿画の小島武さんのエピソードには思わずホロリ。
文芸担当 菊地
紙の本
まだ若いか。もう老いたか。
2011/11/18 08:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル賞作家大江健三郎についてとても興味深く思っているのは、学生の頃から作家として活動を始めて社会人としての生活、ここでいう社会人というのは組織に属してそこから何がしかの生活の糧を得るということだが、をしていないことは作品にどのように影響しているかということだ。
大江の場合、息子光が障害をもって生まれたことでまったく違った展開を見せたと思うが、大江以外の作家たちでそういう経歴を歩んでいる人たちはどうなのだろう。
沢木耕太郎も「会社勤め」をしたことがない作家の一人だ。
沢木は「定期を持たない人生を選んだとも言えるし、定期を持てない人生を余儀なくされたとも言える」と、本書収録の「ブーメランのように」というエッセイの中で書いているが、沢木が入社式にでてそれっきりで会社を辞めたのは有名な話だ。
そんな沢木がそれ以降どんな活動をしてきたか、その執筆活動を支えたのは、好奇心そのものだったのではないかと思っている。
人への好奇心、場所への好奇心、生きるそのものへの好奇心。
沢木耕太郎の魅力は彼が持つ好奇心の魅力だ。
本書は『バーボン・ストリート』『チェーン・スモーキング』につづく、三冊目の本格エッセイ集だ。13篇の、おしゃれなエッセイが収録されている。
いい意味でも悪い意味でも、ここにはいつもの沢木耕太郎がいる。かっこよくて、男くさくて、しゃいで、背筋の伸びた。
沢木が変わらないのは好奇心が衰えないからだ。いつまでも何かを求め、ここではない場所に行こうとする。 「若々しいですね」という言い方は古臭い常套句だが、沢木に限っていえば、まさにいつまでも「若々しい」のだ。
沢木耕太郎にはまってから、たくさんの水が橋の下を流れた。
沢木はいつまでも「若々しい」が、私もまたそうであるだろうか。思わず、長年読者として沢木を読み続けてきた自分の顔を橋の下を流れる水面に映してみたくなる。
まだ若いか。もう老いたか。
はたして。