紙の本
西村賢太対話集
2021/04/08 23:43
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時期的には芥川賞受賞直後に行われた西村賢太の対話を集めたもの。スポーツ紙の一面を飾った、高橋三千綱との有名な対談や、意外と話が合っていた町田康との対談、敬愛する高田文夫との対談など興味深いラインナップ。面白かったのは、文壇や古書などで話が合っていた坪内祐三との対談。
紙の本
最後の無頼派
2022/02/08 22:45
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
貧困・差別観と戦った小説家の、ストレートな言葉が溢れています。幅広い交遊関係が伺えただけに、その夭逝が残念です。
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いくつかの雑誌等に掲載された、西村賢太の対談集。
44歳になる西村賢太。緊張のためガムを噛んで登場する西村賢太。酒を飲み始める西村賢太。カネに気持ちが揺らぐ西村賢太。憎悪を吐きだす西村賢太。
有名作家たちから、さまざまにイジられる西村賢太というキャラクター。
石原慎太郎も、島田雅彦も、高田文夫も、みんな、西村賢太がかわいくて仕方がないというのが分かり、こっちまで嬉しさが伝染してくる。
ではどうして、読者や、同業の作家たちまでもが、彼をこんなに猫かわいがりしたくなってしまうのか。
それは、彼の作品を読むと、「誰よりも小説を愛している西村賢太」を知ってしまうからだ。
私小説家である彼をイジることと、作品について話すことはほぼ同義。タイトルを対談集とせず「対話集」としているのはそのためかもしれない。
ああ、賢太かわいいよ賢太。
【新潮社】 芥川賞作家「朝吹真理子×西村賢太」特別対談
http://goo.gl/72Lqe
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西村賢太の対談集。で、中でも相思相愛な相手は、石原慎太郎、町田康、高田文夫といづれも曲者。で三人の対談での発言が帯文になっているんだが、それを引用すると、
「時々飲もう。俺が人に絡みだしたら止めてくれよな」石原慎太郎
「芥川賞を受賞なさる前からずっと好きで読んでいたんです」町田康
「芸人も作家もさ、一回は調子乗ったほうがいいんだよね。そうじゃないとなった意味がないからね。人気商売だから。」高田文夫
芥川賞受賞後から、ファンになった俺が偉そうに言うのもなんだが、あの西村賢太が著名人相手にまともに受け答えしてるだけで嬉しくなるし、「あんたもそこまで来たか」と、余計な親心の様な心持ちになってしまう。で、芥川賞を同時受賞した朝吹真理子との対談では、朝吹が西村のファンで、かなり細かく西村の作品について覚えてる事や芥川賞選考委員の島田雅彦が西村の作品を推したとか、意外ながらに嬉しい話を知れたり、バーで勝谷誠彦に絡まれて、胸ぐらつかんで振り回したという、さすが西村賢太な話まで、ファンにはたまらん、西村賢太の色々な面を知れる対談集。
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芥川賞受賞直後からの、西村氏と作家達との対談を集めたもの。
特に印象に残ったのは、町田康氏との対談の中での一説。
エンターテイメントでは、どんな読者にも同じ像が浮かぶよう、文章に凝ってはいけないという下り。
しからばなんと、純文学とは自由であることか!
この一説を読んだだけでも、しごく喜びにたりうるが、
どの対談を読んでも、本読みにとって、快感となる言葉がある。
充実の読み応えの対談集。
やっぱり西村氏はいい!
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西村さん,すごい記憶力を持っている由.羨ましい.昔のことを忘れないことは著述家にとって,すごい財産になると思った.石原慎太郎との対話が面白かった.
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対話によって予想通りの?西村氏の人となりに触れることのできる作。
共感部分、いくつか。まずは大好きな町田康氏との対話で、町田氏の作品について、
「あそこまでとっちらかしておきながら、収斂してどどっと流し込んでいくところがすごいと思うんです。」
自分の作品が電子書籍になることに関して、
「(端末を指差して)こんな無味無臭の!」
その他芥川賞同級生?の朝吹真理子氏との対話もなかなかツボ。
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中卒で、かつて日雇労働者。風俗通いを自身の小説でも、報道陣の前でも堂々と語る。そんなオンリーワンな小説家西村賢太氏が芥川賞受賞後1年間に行った対談をまとめたもの。
その独特の風貌と経歴でイロモノや一発屋扱いされそうな著者だが、意外に(当然?)、しっかりとした小説家としての実績はあり、稼ぎもあるし、主義・主張もある。世間的にはこの人の無頼感が強調されて、本人もそれにおもしろおかしく乗っかっているけど、この対談集を読むと、想像していたイメージがくつがえされる。
読みどころは、先輩芥川賞作家の町田康との対談。町田氏は芥川賞受賞前から西村小説の大ファンとのこと。真のファンならではの視点で語るHow to read 西村小説。コレを読めば、西村賢太をもっと読みたくなること間違いなし。対談の2人にすれば、「慊い」とか「虚室」なんて言葉で遊んでいるだけかもしれないけど。
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恐縮しまくり、へりくだりまくり。小心者西村全開である。全然ワイルドでない。但し稀代の文学者西村はスパークしまくりである。とりわけ町田氏との対談、石原氏との対談が出色。あまり人を褒めない石原氏が西村氏については高く評価し大きな期待を寄せている。加えてさらなる飛躍に向けて石原氏直々にチャレンジも促されている。やっぱ、この人すごい。
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ラジオビバリーヒルズに出ていたのを聞いたことがあるだけで、著作を読んだことないんですが、「小銭をかぞえる」読んでみよ。
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作家西村賢太の、先輩作家やジャーナリストとの対話集。
ほぼ例外なく「賞を獲って生活が良くなったんじゃない?」
みたいな他愛のない話から始まるというのがほほえましい。
正直、それほど目新しい何かが見つかる本ではないが、
リラックスした会話の中に「物書き」といわれる人たちの
等身大の部分がみえてくるような作りになっている。
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創作の舞台裏。女性観。慊い生き方について―。芥川賞作家・西村賢太氏がその道の先達9人と語る対談集であります。小説に関してはとても真摯に考えている方であったというのが読後の印象でありました。
実は、この本で西村賢太氏の作品に初めて僕は触れました。いわゆる「対談本」であり純粋な「小説」ではないのですが、芥川賞をとった時に「風俗発言」が物議をかもし、無頼な人なのかなぁと思っていましたがところがどっこい、小説に関してはとても真摯に考えている方であったというのが読後の印象でありました。
僕はまったくその辺のことはわかりませんが、過去に雑誌や新聞紙上で対談したものをひとつにまとめて収録しているらしく、構成順は町田康氏、島田雅彦氏と朝吹真理子氏、高橋三千綱氏、坪内祐三氏、石原慎太郎氏、朝吹真理子氏との二人で、さらにはノンフィクション作家で個人的には最近好きになった上原善広氏、坪内祐三氏、高田文夫氏の順番でありました。
また、対談上では氏がローマ字を全く書けないところや、町田康氏との「血便」話。石原慎太郎氏との意気投合したときの雰囲気や、「美女と野獣」と報道されたもう一人の芥川賞受賞作家である朝吹真理子氏とのちぐはぐさが面白かったです。筆者は「私小説」をメインに書く作家だそうですのでここで話されている数々の「香ばしい」エピソードがどのように文学として「昇華」されているのか?久しぶりに純文学系の作家で「これは!」という方が出てきたのかも知れないと思っております。
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登場人物は著者と同時に芥川賞を獲った朝吹真理子や、選考委員だった石原慎太郎や島田雅彦、同じく芥川賞作家の高橋三千綱と町田康、西村氏の尊敬する高田文夫など。皆、西村氏の小説をよく読んでいて、話が面白い。お嬢様然とした朝吹氏(お父さんは詩人だそうだ)まで著者の本をちゃんと読んでいるのは驚きだ。作家とはどうあるべきか、夫々に一言あって面白い。石原氏は政治家としては酷いものだが、氏の芥川賞についての論調は共感できる。受賞前より一貫して西村氏を推していたというのも意外だ。必読は高田文夫氏との回。高田氏は山の手育ちだが、西村氏との東京の下町話やオールナイトニッポンの話が面白い。
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『苦役列車』の映画〜Youtubeでの様々な動画を経て著作にたどり着いたところでの対談集。人と成りを知っておこうと思って。
島田雅彦とはソリが合わなさそう。朝吹真理子とは美女と野獣というコントラストのある組合せになるんだなぁ。
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『苦役列車』で第144回芥川賞受賞直後の時期に行われた対談・鼎談を集める。
【ゲスト】町田康/島田雅彦/朝吹真理子/高橋三千綱/坪内祐三/石原慎太郎/上原善広/高田文夫