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- カテゴリ:一般
- 発売日:2012/03/30
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/149p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-302333-3
紙の本
言語小説集
著者 井上 ひさし (著)
えっ、まさか!?カギ括弧記号が恋に落ちる!?「括弧の恋」。文法的に意味をなさない台詞に、役者が狂わされていく「極刑」。方言に人生を捧げた方言学者が、傍若無人の元特高に方言...
言語小説集
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商品説明
えっ、まさか!?カギ括弧記号が恋に落ちる!?「括弧の恋」。文法的に意味をなさない台詞に、役者が狂わされていく「極刑」。方言に人生を捧げた方言学者が、傍若無人の元特高に方言で復讐を果たす「五十年ぶり」。“大便ながらくお待たせしました”と、ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲哀を描いた「言語生涯」他3編。日本語で笑いを創り続けた著者の真骨頂。爆笑の名作、遂に単行本化。【「BOOK」データベースの商品解説】
カギ括弧記号が恋に落ちる「括弧の恋」、文法的に意味をなさないセリフに役者が狂わされていく「極刑」、方言学者が元特高に方言で復讐を果たす「五十年ぶり」など、全7編を収録。『中央公論文芸特集』掲載作を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
括弧の恋 | 7−26 | |
---|---|---|
極刑 | 27−46 | |
耳鳴り | 47−66 |
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紙の本
言葉の魔術師・井上ひさし
2012/04/19 14:02
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
井上ひさしさんが亡くなったのが2010年4月9日だから、もう2年経つ。
それでいて、こうして新しい本が刊行されるのだから、井上さんの人気が根強いことに今さらながら感服する。
もし、井上さんが生きておられたら、東日本大震災のことや原発事故について、どんな発言をしただろうか。広島の原爆の悲劇を戯曲化した『父と暮らせば』で生き残ったものの苦悩と悲しみを描いた井上さんだからこそ、被災地や被災された人々に寄り添った発言をしただろうと思う。
もしも、というのは歴史のなかで何度も繰り返される仮定だが、やはりあの震災のあとの井上さんの発言を聞きたかった。
本書には、日本語にも造詣が深かった井上ひさしさんの、言葉を題材にした短編7篇が収められている。
冒頭の「括弧の恋」は井上さんらしいユーモアにあふれた作品である。
ワープロ全盛期に書かれたものだが、文書作成がパソコン主体になった現在でも通用する。
キーボードの中の「「」と「」」が恋物語に、さまざまな記号たち(例えば「¶」や「!」や「?」)がそれぞれの個性? を発揮するドタバタ活劇である。
発想だけなら思いつきそうな人もいるだろうが、記号独自の個性を描きつつとなると至難の芸当だろう。
「言い損い」、「言語生涯」は言葉のいい間違いをコミカルに描いた作品。
誰にでもあるいい間違いをからかっているようなつくりになっているが、井上さんはそのことを蔑んでいるのではなく、いい間違いが起こる言葉の面白さを描いてみせたのだろう。その一方で、間違った日本語の使い方に警告を発しているともいえる。
「五十年ぶり」は方言研究者を主人公にして、方言の魅力を存分に描いた一篇。
こういう作品を読むと、やはり今回の大震災で被災された東北の人たちへの井上さんの熱いメッセージを読みたくなる。それが叶わぬこととわかっているが。
紙の本
「括弧の恋」に仰天
2018/05/28 05:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワープロが一般的だった当時の世相が思い浮かんできました。新しいタイプの文学を求めていた、著者の姿が微笑ましかったです。