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ボンベイの雰囲気が伝わってくる。ちょっと細々しすぎるけど、出てくる誰もが味のある人物で、出会いが主人公をどんどん深みに誘い込む感じ。中、下巻と先は長いけど楽しみな作品。帰りに中巻買ってこよう。
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この何年間か?読んだ本の中で一番心に残る事となる作品です。
私が今まで、頭の中では考えてはいた感情を言葉や言い回しなど、
表現出来ない文章を見事に表現してくれてる。
ストーリー展開とかは、全然ひねった感じはないけど(そういうのが大好きでもあったのですが)この展開の仕方は他の作家さんにはない、
シンプルな感じ。
本を読み進める中で、ここまでフレーズをメモした事とかないですっ、私。ココに引用文をその都度書いていこうと思ったけど、多すぎる。
なので、ノートに書いてます。
どの引用文も、私が今まで表現したかったそのもの。
そして、性的な表現も出てくるのですが、あまりにも露骨な表現は
今まで飛ばしたりしてたのですが、「奇麗な美しい」言い回しで、
この語り口最高!とも思ったのでした。
どこまでが、体験談?というのもとても気になります。
この作品の舞台がボンベイだった事が即読んでみたい気持ちを
増長させました。私の父がお仕事で、ボンベイ(父の時代もボンベイで現在はムンバイ)、マレーシア、シンガポール、マニラなど行っててよく
そこから手紙を貰ってて。
だから、ボンベイという街をよく知りたかったから?かもしれません。ここでは、ボンベイの裏の部分ですが。
この作家さんも、フェイスブックなどで写真とか拝見すると、
とっても笑顔が素敵で魅力的な人ですね。
なのに、文中ではご謙遜?的なところが多いです。
かなり謙虚な人なんだなぁと思いました。
自分自身の今の感情や痛み、苦しみと交差してる事がとにかく
多かったです。上刊だけでも。
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上、中、下全3巻のボリュームだが、あっと驚くストーリー展開で、読み始めると止まらなくなる。主人公はオーストラリア人。武装強盗で20年の懲役を言い渡されるが脱獄、身を隠すためにボンベイ(ムンバイ)に逃亡する。スラムで潜伏中、ふとしたきっかけで無資格ながら住民を診療するようになり、やがてコレラから人々を救うなど、スラム住民たちになくてはならに存在になる。
裏社会のボスとの交流、無実の罪での投獄、パスポート偽造に手を染めたり、薬物中毒になったり、ソ連占領下のアフガニスタン潜入・生還するなど、これでもかというくらいドラマチックな人生。出会う人たちがまたとてつもなく魅力的。著者の実体験が一部反映されているというのにも驚いた。観光ではなかなか見えてこない、インドやボンベイ(ムンバイ)の裏の姿を知るのにも最適の一冊。
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現時点で中巻の真ん中へん、だけども、これまでのマイベスト小説と同じくらい、本の世界に持ってかれて、戻ってくるのが大変。
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文庫本カバーの粗筋をみても、どのような小説かは予想がつかない。
著者の経歴を読めば、自分自身の経験をもとにしているようであり、ピカレスク(悪漢)小説の類か?と思いきや、読み始めると主人公の魂の再生の物語だった。そして、それがとても面白い。
この波乱万丈の物語を魅力あふれるものにしているのは、汚濁にまみれながら魂の都市でもあるムンバイ(ボンベイ)という街とインドという国。
とにかく、ボンベイの街の混沌とした社会や生き方の描写が圧倒的。
欧米の価値観とは全く異なる世界で、主人公がもう一度自分の人生を再構築していく過程は面白く、どんどん読み進んでしまう。
謎めいた美女カーラとのロマンスもあり、次巻以降も楽しみ。
(次巻は、また予想外の展開となり、冒険小説の趣があるのだが)
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永く読書を続けていれば、
時として途轍もない作品と出会う、
今回の「シャンタラム」の様な。
文庫本上・中・下巻 3 冊で 1,900 ページ弱の大作。
人の息遣いや熱を本当に感じられる緻密で圧倒的な描写。
内省的、哲学的ディスカッションに吸引され、
思索の迷宮に誘い込まれる。
縦横無尽なストーリー展開に、
只々魅せられ読書の至福を味わう。
巻末の養老孟司の解説は先に読んじゃダメ。
彼ですら例の「あらすじの羅列」をしている事に幻滅した。
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とても評価の高い小説なので期待して読み始めました。
上巻では、白人である主人公が、何の後ろ盾もない中で苦闘はしますが、結果としてホイホイと影響力のある人間に引き上げられていきます。そのご都合主義的なとこに、違和感を感じて楽しむ事が出来ませんでした。
でも、まだ2巻あるので以降の展開に期待して読み進めます。
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それなりのボリュームがあるが、まるでインドに住む人たちの息遣いが聞こえてくるかのような文章に知らず知らずどんどん引き込まれていく。中下巻にも期待大!
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上中下巻の大作ようやく読了。アウトロー達の愛と友情溢れるエピソードが満載で楽しめた。マフィア抗争ありアフガン戦争あり、スラムでの生活ありと主人公が語りたかった冒険譚が多すぎてまとまりを欠く点が残念。哲学論争も不要だと思う。
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圧倒的名作。
登場する全ての人物の心情と行為が哲学的であり、詩的な因果の法則w
中:
プラバカル「三人の男が、アフリカ人が、あなたのこと、殴って殺して、殴ってやりたいと思っています!あちこちで質問しています。物凄くでかいやつらです!バッファローみたいに!あなたはラッキーな逃亡をしないといけません!」
リン「あらゆる高潔案おこないは暗い秘密からうまれるものだ、とカーデルから言われたことがある。それは全ての人に当てはまることではないかもしれないが、私に関して言えば真実だ。」
リン「人は初めて誰かを心から愛するようになると、相手が自分を愛してくれなくなることを何より恐れるようになる。が、当然のことながら、恐れなければならないのは、相手が死んでしまった後でさえ自分がその相手を愛することをやめられないことだ。プラバカル、私は今でもきみを心から愛している。きみを今でも愛している。友よ、その愛が、きみにもう与えることのできないその愛が、ときに私の胸を押しつぶすことがある。息さえ出来なくさせることがある。今でも悲しみに心がどこまでも沈むことがある。君がいなければ、星も見えず、笑い声も聞えず、眠りも訪れないことがある。」
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読みながら時折数行戻って読み直したり、書かれている意味を考えたりとかしているのでなかなか面白いというのに
上巻を読むだけで5日程掛かってしまった。
続きも読みます。
感想は下巻で。
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面白い!!こんな小説初めて読みました。
インドの熱気、猥雑さが伝わってくるようで。水もない、満足な食料もない。
小さな傷からすぐに破傷風になってしまうという、衛生面でも劣悪な環境。
それでもスラムの人達は一つの大家族のようだ。
貧しくとも心は豊かで、無意識のうちにお互い助け合いながら生きている。
どこもかしこもピカピカに磨き上げられた日本で、
安穏と生きている私には想像を絶するような環境なんだけれど、、、
それでもスラムの住人に自然と馴染んでゆくリンが羨ましくて仕方なかったです。
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ただの小説ではなくて、哲学書を読んでいるような感覚にさせられる本。主人公が一瞬の中に、さまざまなことを悟っていく。真実について、苦しみについて。
インドの懐の深さを感じる。作品中にも出てくるが、そりゃ、あんだけ人口がいるんだもん、懐が大きくなくちゃ、みんなやっていけないよね。
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元バックパッカーの友人に薦められて読み始めました。
上・中・下で1500ページ以上。
文庫版でも一冊1000円位するので三冊で3000円します。
とにかくすごいボリュームです。
オーストラリアの刑務所から脱獄し、
インドのボンベイに流れ着いた主人公リンの冒険譚。
ボンベイの街と人々に一気に魅せられたリンが体験する
驚異的なインドの息づかい。
インドでのリンの生活はまさに人生を凝縮したような日々だ。
暮らすことの喜びと苦しみ。
愛する人との出会いと別れ。
戦争と犯罪。
そして自由と責任の葛藤。
それらのテーマが圧倒的なボリュームと、
詳細なディティールと臨場感で綴られていきます。
この本の魅力はたくさんあり過ぎて書ききれないほど。
その中で自分はインド人の持つ底抜けの明るさと、正直さ。
人生を楽しむ姿勢に感銘を受けた。
本だけで無く実際に行ってみたい!
という気持ちが沸き起こってきます。
こんな物語が書けるのも筆者の半自伝だからだそうだ。
筆者の経歴がすごい。
オーストラリアでヘロイン中毒になり、
金欲しさに武装強盗を働き、脱走。
ボンベイに渡り、スラム住民のために無資格無料診療所を開設。
その後ボンベイマフィアと行動を共にし、
アフガンゲリラにも従軍。
タレント事務所設立、ロックバンド結成、旅行代理店経営、
薬物密輸で再逮捕。刑期を務め上げた後に本作を発表。
どこまでが本作で描かれているかは言わないけど、
リンそのまんまやんてね。
読むだけで世界が開かれること請け合いの本書。
かなりオススメです。
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作者の略歴から、主人公≒作者であろう。
すなわち、武装強盗で懲役刑に服していた主人公が白昼に脱獄し、オーストラリアからインドのボンベイへと逃亡。そこのスラムに潜伏し、「リン・シャンタラム」として新たな人生を歩むことになる。
中巻・下巻を読んでないから物語全体としては言えないが、脱獄のシーンは簡潔に描くなど、アクションシーンはだいぶ端折っているとは思う。
物語のテンポは決して良いとは言えない。というのも、登場人物同士の会話に幾分かの哲学的・観念的な内容が盛り込まれているからであると思う。こういう内容が嫌いな人にとっては読みにくい本であると思う。
たくさんの登場人物や様々な組織が出てきて上巻はおしまい。次の巻につながる伏線がちりばめられた巻であった。