紙の本
さまざまなヌードのちがい…だが写真はわかりにくい
2011/11/16 00:01
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
おなじヌードでも,古代と近代とではその意味がまったくちがうこと,そして近代のなかでもそれぞれの画家が挑戦したもののちがいがあきらかにされていく. しかし,カラー写真も何枚かあるが,ほかは白黒のとてもちいさな写真であり,わかりにくい. 単行本で不都合がないひとにはそちらをすすめたい.
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『恐ろしい絵』が好きで、同じような感じかと思って買ったのですが、ジャンルが違いました。
芸術に疎いからか読んでて、あまり面白くはなかったです。
でもヌード絵は美しいと知れました。
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タモリ倶楽部で観た特集が本になってる!!
という感激のもと、買ってしまいました。
カヴァネルのヴィーナスが実は絶頂を迎えているだなんて、そんなこと初めて知ったよ…という訳で実に興味深い一冊。
ラファエル前派のどうしようもない男たちの話や、サロンに認められたかったのに生きている間はついに受け入れられなかったかわいそうなマネの話にふんふんと頷くことしばし。
だがなにより筆者の文庫本あとがきが印象的な一冊でした。
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西洋のヌード絵をメインとした解説本
このヨーロッパの宗教画とヌードをただ書きたいだけという欲望の関係性についての話は有名だが、そういう割には絵として残っていて今日の自分が目にするものは超有名な物しかない。もう少し大量にあっても良さそうには思えるけど、そこには時の洗礼があるんだろうか。
芸術と欲望の境界線はないようにも思える。
p111のヒーロー像に関してのバイロンの影響は気になる。それ以前にこのタイプのキャラがいなかった、もしくは少なかったのかとか。
その他にも理由を付けなければ描けないと言う発想がなんだか妙に説得力がある、言い訳をしながら結局はそれをメインにしちゃっているあたりが。
結構美術史についての言及がある、自分としてはなかなかに勉強になる内容だが、ここにある言説のように随筆的な感想から観るのと、この本のように性愛的な視点を主に観るのと、純粋に歴史背景的にみるのとでずいぶん感覚は違うとは思うが、主要なポイントとしての見方がしれた部分は大きい。
9章と11章のように影響を与えた出来事の解説は単純に読んでいておもしろい。
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凡庸な美術解説書をはるかに超えた,男の本心を揺さぶる軽妙な記述が最高です.そのヌード絵画の出現した時代背景を含めた論述は,楽しい歴史書を読んでいる感じです.
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(推薦者コメント)
歴史的に有名な西洋絵画は、必ず高尚な芸術として語られる。しかし、数多く存在するヌードの絵画、ヌードの彫像は、本当に「高尚な芸術」であって決して「性的なものではない」、のだろうか?名画が伝えてきたエロスを考察する。
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裸婦画の歴史として読んだけれど、裸婦画を軸とした美術史の正統派入門書という感じ。面白かった。ロセッティの項はラファエル前派展に行った後だったのでタイムリーだった。
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エクスタシーをおぼえる人間の魅惑的な肢体、足指、ボディライン、くびれ、トルコ風呂、接吻、美少年ヌード他。
指摘されて気づく。無意識のうちに、思考停止になってしまっていたことに。
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太古から脳内Photoshopがあり、結局変わってないんだわ〜と納得した一冊
美術と音楽と哲学と、文化は歴史の産物で、また文化は暇の産物
学校で教わるゲージュツがいかに表層的か
世の中知らないことがたくさんあるのですねぇ
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裸婦はなぜ描かれたのか、という問いに答えた本。
答えは「男は女の裸が見たいから」ということになるのだが、美術の素人の俺が相槌を打つと「やっぱりそうなんか」となる。裸婦の絵は芸術性云々よりその官能に引き寄せられる。俺は絵より裸婦像の尻を1時間ぐらいじーっと見てたことがある。あれはマジで触りたかった。
ちなみに、裸婦の足の指を見ると官能の度合いが分かるらしい。ポーズだけ見るとリラックスしてそうなのに、足の指は妙に力が入っていたりすると、エクスタシー度が高いらしい。背景を知ってみると、本質にすんなりたどり着けていいな。
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『恋愛偏愛美術館』から遡って読んだ。美術系のウンチク本をあまり読んだことがないので比較の対象を持ち合わせていないが、この人の論評は好きだ。信頼できる評者であるという印象をますます強くした。しかしこの本は電車の中で読むのには適さない。あまりにも多くの裸婦像が収録されており、その裸婦の多くは本書タイトルどおりの様相を呈しているからだ(笑)
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美術作品をどう見るかではなく、何を描こうとしたかを解説。また描かれた時代背景が説明されていたのが良かった。西洋美術は裸体が多い印象だが、神話や教典が殆どで、現代画なるものは非難されるリスクがあったのは初耳。2020.7.24
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再読。その昔、東村山駅前、美術関連に重きを置いたあゆみブックスという書肆があり、そこで入手した本。
印象派の主張や手法が一人勝ちした美術史で、今や埋もれた感のある新古典主義の画家や作品が紹介される。
児童のころ親しんだ妖怪図鑑や怪物事典で、有り得ない生き物をリアルに描いてくれる絵師の誠実さに心を打たれた。それと同じく、神話の設定を口実に、絶頂に達した美女を表情から爪先に至るまで真摯に表現する芸術家たちに、今さらエールを送りたい。
第11章「宿命の女(ファム・ファタル)の恍惚」、ラファエル前派の旗手ロセッティが負った業、残した影響。被害に遭ったモデル女性を今さら悼んでしまう。
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もしかしてこの本は、今の美術展ブームの火付け役となった?
私が30年前フランス文学部生のとき、現在のように絵画展は盛況ではなかったように思う。あるフランス文学の大家の文学作品と絵画との関係を研究テーマとしていた私は、論文を書くにあたって、著者の西岡氏が述べるように、小林秀雄の格調高い美術批評は必ず読んでおくものであると思っていた。当然アプローチは哲学的なものとなる。他には高階秀爾の美術批評。私はそれらにどれだけ寄りかかったことか。敷居の低い名画紹介は当時読んだ記憶がない。しかし西岡氏は1991年の末には『絵画の読み方』という、読んですぐ理解できる美術書を執筆されていたとのこと。巡り会いたかったなぁ。西岡氏の柔らかくてクスッと笑ってしまう紹介で、名画はにわかに息づいてくる。ヴィーナスなんて、肌ツヤ良く血色を取り戻すかのよう。美しいものは、こうして愛でなきゃ。
願わくば、映画はもちろん写真も見たことのない、想像もできなかったころの人の目になって、そして可能なら男性となって、裸婦像をみてみたいものである。