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紙の本
この世の全部を敵に回して (小学館文庫)
著者 白石 一文 (著)
「私には一人の息子と一人の娘、妻がいる。私は子供たちのことも妻のことも愛してはいない」「ほんとうに人間は癌のような存在だ。生みの親であるこの地球の生命存続のシステムから一...
この世の全部を敵に回して (小学館文庫)
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商品説明
「私には一人の息子と一人の娘、妻がいる。私は子供たちのことも妻のことも愛してはいない」「ほんとうに人間は癌のような存在だ。生みの親であるこの地球の生命存続のシステムから一人離脱して、そのシステムをいいように破壊し、無秩序に繁殖しているのだ」五十三歳の妻子ある男の手記は、一見このような人間への全否定の言説で埋め尽くされていく。しかし、彼は、呪詛めいた思いのために、この手記を綴ったのではなかった。白石文学の礎をなすと同時に、最高到達点となる問題作、待望の文庫化。【「BOOK」データベースの商品解説】
戦争、テロ、狂信、犯罪、飢餓、貧困、人種差別…。わたしたち人間は、歴史の中でこれらのうちのたった一つでも克服できただろうか。答えは否だ−。21世紀の「人間失格」。〔2008年刊の加筆改稿〕【「TRC MARC」の商品解説】
直木賞受賞作家渾身の問題作!
戦争、テロ、狂信、犯罪、飢餓、貧困、人種差別、拷問、幼児虐待、人身売買、売買春、兵器製造、兵器売買、動物虐待、環境破壊--。私たち人間は歴史の中でこれらのうちのたった一つでも克服できただろうか。答えは否だ。
かくも、残酷で無慈悲な世界に生まれ、苦痛と恐怖に満ちた人生を歩まされる「死すべき存在」としての人間。だからこそ、人間には、「愛」が必要だ。ここで注意深く伝えたい「本当の愛」は、憐憫であり、哀れみである。その愛は、死に対して為す術もなく無力であるからこそ、差し述べることのできる遍く広いものである。身の回りの特別な相手だけの幸福を祈ることから離れることができてはじめて、ひとは、貧困、暴力、戦争、差別、迫害、狂信といった諸悪を無力化することに向けて船出をすることができるのである。
【編集担当からのおすすめ情報】
本作発表後、山本周五郎賞受賞、直木三十五賞を立て続けに受賞した白石一文氏にとって、すべての作品に通奏低音として流れるような「声明文」的意味合いをもった、「転換点」となる一作です。【商品解説】
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白石文学の礎をなすと同時に最高到達点となる問題作です!
2016/08/28 10:39
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、白石文学の最高到達点とも言える作品です。53歳になる妻子のある、ある一人の男は手記を綴っていました。そこには、「私には、一人の息子と一人の娘、妻がいる。私は子どもたちのことも妻の子とも愛してはいない」、「ほんとうに人間は癌のような存在だ。生みの親であるこの地球の生命存続のシステムをいいように破壊し、無秩序に繁殖しているのだ」といった言葉が書きつづられていました。彼は一体どういう思いでこのような手記をしるしていたのでしょうか。この続きは、ぜひ、本書をお読みください。