紙の本
世界のことがよく分かる
2022/04/28 08:51
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投稿者:まかろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズを読むと、世界のことがよく分かります。
子供向けの本なので、子供にも大人にも読みやすいです。
紙の本
ウクライナ侵攻の背景がわかる
2022/05/22 14:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は東京都立青山高等学校での授業をもとにまとめられた。東欧・旧ソ連諸国の歴史と現在の政治状況について、著者自身が現地取材したエピソードを交えて、簡潔明瞭に取りまとめられている。ロシアのウクライナ侵攻前の授業であり、侵攻後の状況については2022年3月27日現在の情報に基づき加筆されている。印象に残った内容の一部を紹介する。◆ウクライナに侵攻したロシア軍兵士の中には、「ウクライナの人たちが花束を持って歓迎してくれると思っていた」と語った者もいた。◆ソ連の時代は報道の自由はなかった。ロシアになってからは、報道に自由はあるけど、報道の自由を行使したあと、身の安全が保障されない。◆ロシアがクリミア半島を奪い取った侵略行為では、クリミアの年金支給額を引き上げたり、インフラ整備を始めた。その結果、著者の現地取材で住民の多くが「クリミア半島がロシアのものになってよかった」と言っていたらしい。皮肉なものだ。◆サンクトブルクで生まれたプーチン。誕生前に独ソ戦でドイツ軍の侵略を受けサンクトブルクは900日近く包囲された。プーチンは子供のころから、自国が攻められた悲惨な状況について親たちから徹底的に叩き込まれている。第二次世界大戦で世界最大の死者をだしたソ連の国家的記憶とプーチンの個人的思い出が相まって、ロシアの隣に緩衝地帯を置きたいという意識がプーチンには非常に強い。
ウクライナ情勢は日々刻々と変化しているが、その背景を知るうえで、本書は有益な一冊であると思う。
紙の本
ここが知りたかった
2023/09/30 16:03
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
東欧・旧ソ連、という事で巻頭の地図では30カ国に分割しています。昭和末期に高校生だった頃にソ連が解体する事は想像も出来なかったし、ドイツの統合やユーゴスラビアの分離も想像を超えていました。難しい!
電子書籍
プーチン大統領
2022/09/13 22:42
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上さんのプーチン大統領に対する考え方が、よく理解出来る内容です。ロシアがクリミア半島を奪ったことで、その後、クリミアの年金支給額を引き上げ、インフラ整備を始めました。そのおかげで、クリミア半島がロシアのものになってよかったという……!知らなかった……
紙の本
読みやすい
2022/05/17 15:52
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生への講演を基にまとめてあるので、話し言葉で読みやすい。高校生からの質問に答えるような形で、解説してあるのも、理解を助ける。
その分、もうちょっと追加で質問したい、踏み込み不足、と感じる部分も・・・
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非常に勉強になった。ロシアがウクライナへ侵攻し戦争が始まったことで、ロシアと東欧の歴史を知りたいと思い、購入しました。歴史を知れば、現状をなお知ることができます。読みやすいので、違う国のも読んでみようと思います。
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旧ユーゴスラビアやアフガニスタン紛争など、名前は知っているものの深い知識を持っていたわけではなく、東欧や中央アジアについての知識を深めたかったので丁度よかった。
このシリーズはほぼ欠かさず読んでいる。歴史に学ぶことができる良いシリーズだと思う。
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東ヨーロッパの国々は地理的にも遠くてあまり馴染みがありませんでしたが、想像以上に知らないことが多くて勉強不足を実感しました。各国の歴史を丁寧に追っていくと、今まで繰り返されてきた悲惨な歴史の連鎖を断ち切ることは、一筋縄ではいかない難しいことであると感じました。
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わからないことは、まず池上さんの本を読んでみる。
いつもここで大枠を捉えて分かった気になってしまうのだけど、今回は更に深いところまでいろんな本を読んで思考を深めたい。
池上さんって、長野出身なのか。
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【感想】
「池上彰の世界の見方」シリーズ13作目。本シリーズは、世界情勢に重大な変化があれば、その当事者国に強く焦点を当てて解説してきた。IS誕生のときは中東を、アメリカ大統領選挙のときはアメリカを、ブレクジットのときはイギリスとEUを取り上げている。今回はロシアのウクライナ侵攻を受け、旧ソ連と東欧諸国の国々を解説している。
ロシアの軍事行動の土台となるのが「緩衝国家」の概念である。EUやNATOといった西側諸国とロシアとの間に一国を挟むことで、敵の侵略に対して時間的余裕を確保する狙いがある。ソ連時代にはロシア共和国以外の各共和国を衛星国家として周りに配置し、西側諸国に対する壁として機能させていた。その衛星国内部に対しても自治州を設置して民族の分断をあおり、ロシア本国への反抗を封じている。この影響が、中央アジアの「〇〇スタン」国家群や、コーカサス地方に乱立する自治州として今でも残り続けている。
究極のところ、ロシアに接している国は否が応でもロシアの影響から逃れられない。
しかしながら、日本人は「日本もロシアのお隣の国」という意識が希薄である。
ロシアにターゲットを向けられているのは主に東欧や中央アジアの国だが、シベリア側に目を向ければ、中国や日本、そしてアメリカでさえもすぐそばに位置している。巻末で池上さんが「この本をきっかけに日本のあり方に目を向けてみて欲しい」と残しているが、まさにその通りで、地政学的には日本も他人事ではいられないのだ。ロシアが強大な軍事力を活かして周辺国にどのような外交を展開してきたのか、そしてウクライナなどの(比較的)小国家はどのように対応してきたのかを学ぶことは、露中に圧迫されるように太平洋に位置している日本にとっても、決して無駄ではないはずだ。
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本書を読んで、やっぱり池上さんの本は非常に分かりやすいと思った。もともとが学生への出張講義をベースに組み立てているだけあって、分かりづらいことをかみ砕いて説明しながら、かつ専門的になりすぎないようにバランス良くまとまっている。各国がどういう歴史を辿って今に至るのかと、今後どのように外交を展開しようとしているのかを、初学者向けに細かく解説している。学生だけでなく、大人にもおすすめな一冊だ。
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【まとめ】
1 ソ連の建国
ソビエト連邦を構成する15の共和国を現在の国名で言うと、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス、エストニア、ラトビア、リトアニア。
ソ連は連邦国家のため、本来は州ごとに法律を持つ地方分権国家なのだが、資本主義国家からの干渉による侵略を恐れたソ連は、社会主義体制を維持することを重要視する。結果、ロシアのスターリンを中心とし、東ヨーロッパの国々を隷属関係に置く独裁国家が誕生する。
連邦国家を維持するために、アゼルバイジャンやジョージ���の国内に「自治州」を設置し、民族同士を分断させることでロシアに反抗できないようにした。また、中央アジア地域のトルコ系イスラム教徒たちを分断し、複数の国(〇〇スタン)を作った。
2 ソ連崩壊
スターリンの死後、フルシチョフが第一書記となりスターリン批判を展開する。その後ブレジネフ政権を経て、1985年にゴルバチョフが書記長に就任。停滞する経済を立て直すため、ペレストロイカとグラスノスチによる民主化政策を実施すると、各共和国に内政干渉をせず自由な活動を認めるようになる。1989年にはブッシュ大統領と会談し、核兵器の削減に合意して冷戦終結を宣言した。同年11月にはベルリンの壁が崩壊。東ヨーロッパ各国で共産党政権が倒され、独立機運が高まっていった。
ゴルバチョフ(間接選挙によるソ連の大統領)の内政に不満を抱いた政府高官がクーデターを企てるが、エリツィン(直接選挙によるロシア共和国の大統領)により阻止される。これによりゴルバチョフとエリツィンの力関係が逆転。エリツィンがソ連共産党の活動禁止を命じ、ソ連の財産を全てロシア共和国に移す。同時に、ウクライナ、ベラルーシのトップと秘密会議を開き、ソ連の解体と独立国家共同体の創設を発表する。1991年12月25日、ゴルバチョフがソ連大統領を辞任し、ソ連が消滅した。
崩壊後、15の共和国がソ連から独立したが、資本主義へ切り替わろうとしても産業がない。結果、圧倒的な大国ロシアを頼るか、ロシア以外の国々と関係を築いて自立を目指すか、どちらを選ぶか迫られることとなった。現在でも多くの国は、ロシアの影響から完全に逃れられていない。
3 ベラルーシとウクライナ
ベラルーシの第一回大統領選挙で当選したルカシェンコは、就任から2年後に大統領の権限を大幅に強化する憲法改正案を提案し、国民投票で承認させた。2001年に再選を果たすと、今度は大統領の3選禁止規定を削除する憲法改正案を承認させて、独裁者の地位を固める。その後、2020年の選挙まで大統領6選、27年に及ぶ長期政権を続行中であり、「欧州最後の独裁者」と呼ばれている。
2020年の大統領選挙が不正だったとして反政府運動が盛り上がると、ルカシェンコはプーチン大統領にすり寄る。プーチン側はベラルーシを支援するかたちで、ロシアの支配下に置こうと考えていた。
ウクライナは世界を代表する穀倉地帯である。
ウクライナがソ連の一部だった時代、スターリンが進めた集団農業の影響によりウクライナ全体で深刻な飢饉が起きる。これをきっかけとしてウクライナ人の間で反ロシア感情が生まれることとなった。
ソ連から独立したウクライナは西側諸国と手を結ぶことを模索する。しかし、ウクライナの東部にいるロシア系の住民がこれに反発し、西のEU派と東のロシア派に分かれて内戦状態が生まれる。
ウクライナの南部で黒海に面したクリミア半島はもともとロシアに属していたが、フルシチョフがウクライナを懐柔するため、ロシア領だったクリミアをウクライナにプレゼントした。歴史的にクリミア半島は長い間ロシアに属しており、またクリミア半島にある不凍港セヴァストポリは軍事戦略の要衝であったことから、ロシア政府にとって非常に面白くない��のだった。
そこでプーチンが突然、クリミア半島はロシアのものであると宣言する。これを受けてクリミア自治州では、ウクライナから独立をしてロシアに帰属するかどうかを問う住民投票が実施される。投票の結果「編入に賛成」という票が多数を占めたと発表され、クリミアはロシアに併合された。
2022年2月2日、プーチン大統領は親ロシア派が樹立した自称国家「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認する大統領令に署名し、ロシア軍の派遣も指示する。そして2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始した。現在、ウクライナはNATOから武器の支援を受けて一人で戦っている状態だ。
ロシアが、親ロシア派が多いウクライナの東半分を編入しないのは、ウクライナの東半分(親ロシア派)がロシアに編入されたら、西半分(親EU派)がEUに入ったり、NATOに入ったりするかもしれないから。そうなると、ロシアは、EUやNATO軍が駐留するような国と国境を接することになる。ロシアはあくまで緩衝地帯を置きたいだけであり、ウクライナを全部ロシアのものにしようとは考えていない。ウクライナあるいはベラルーシを、ロシアにとっての緩衝地帯にしようとしている。
4 ポーランドとハンガリー
ドイツとソ連により分割統治されたポーランドは、第二次世界大戦後ソ連の衛星国のひとつになる。
ソ連崩壊により民主化したポーランドは、1999年にNATO、2004年にEUに加盟する。もともと社会主義国であったポーランドは国民の教育水準が高く、労働賃金は極めて安かったため、EU加入後には多くのポーランド人が域内に出稼ぎに行った。なかでもイギリスへ向かう人が多く、100万人のポーランド移民がイギリスに住むようになった。この結果、イギリス人の仕事が減少し、EUから離脱する原因のひとつを作ったと言われている。
ポーランドでは2015年から現在まで、右派政党「法と正義(Pis)」の政権が続いている。同政権は、裁判官の人事やメディアへの政府の介入、性的少数者の権利の侵害など、民主主義のありようをEUから再三批判され、改善を求められてきた。2021年10月には、ポーランドの憲法裁判所がEU基本条約のうち一部の条項は同国憲法と相いれない、つまり「ポーランドの国内法がEU法に優先する場合がある」と宣言した。これをきっかけにEUとの溝が深まっている。
そうしたポーランドを支持しているのがハンガリーだ。
ハンガリーは2010年にオルバーン・ヴィクトル政権が発足してから、憲法を改正して報道機関への統制を強めるなど、言論の自由、表現の自由が失われつつある。また、セルビア国境にフェンスを設置し、北アフリカや中東からの難民入国を阻止している。
2国はEUの基本方針と対立しているものの、EUから多額の資金援助を受けているため、イギリスと違って離脱することはないだろう。
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2022/05/12
ロシアについての前作からさらに内容が充実し、ロシアだけじゃなく、ロシアと関係の深いヨーロッパの国々についても、ロシア(ソ連)とのつながりから、どうして現在のようになっているのか、今、東欧の地域では何が起こっているのか、それに起因するロシアとウクライナとの関係などについても、深く分かりやすく解説してくれている本です。
今まで何となく、あるいは全く知らなかったロシアと東欧の国々の分裂や併合などの歴史、宗教的な絡み、地政学的な考え方によるそれぞれの国のとるべき方針のぶつかり合いなど、現在の事象として表出している問題点にうまく理解が繋がるように解説してくれています。
一度読んだだけだと半分くらいしか理解できていない気がするくらいヨーロッパの歴史は複雑なので、何度も読み込みながら理解していきたいなと思いました。
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さすが池上さんと思えた本でした。
とりあえずわからないことや学んでみたいことがあったら池上さんの本を探して、読んで、知識の基礎をつけています。
今回は今話題のウクライナの戦争について知りたいと思い、購入。
ヨーロッパ・ロシア・ウクライナの歴史を何も知らない私でもすごく理解ができました。
また、遠い国の事柄や問題ではなく
日本も歴史的にヨーロッパとは関係してることもあるんだな、とも知ることができました。
ヨーロッパの国々の親日国家の理由
第一次・第二次世界大戦などについても
改めて考えさせられることがありました。
地政学・ヨーロッパについて知りたい方には本当におすすめです。
歴史を知ることができたので
ヨーロッパの国々に行ってみたい気持ちもできました。
旅行をするにしても、歴史を知っているか知らないかで色々変わってくると思います。
ヨーロッパに行く際は歴史を感じながら探索してみたいと思います。
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2021年9月に東京都立青山高等学校での授業が基。出版が2022年4月26日ということで、今回のウクライナ侵攻のことは加筆されている。タイムリーな出版。あまり知識のない東欧、旧ソ連の国について概略を知ることができた。副題の「ロシアに服属するか、敵となるか」が国の位置からくる逃れようのない立場を現している。
メモ
・ロシアの現在の民族紛争の元凶はスターリン? スターリンの民族分断の政策が今日の紛争の種になっている。
・各民族が独立しないよう、居住地域を割って国境線を引き自治共和国とした。
・コーカサス地方:オセット人の住むオセチア地方を、北オセチア(ロシア)、南オセチア(ジョージア)に2分割した。アルメニア人(アルメニア正教)が住むナゴルノ・カラバフ地方を、アゼルバイジャン人(イスラム教)の国内の自治州とした。
・旧ソ連:15の社会主義共和国、ほかに自治共和国20、自治州8、自治管区10 (1990年)小規模な民族のために設けられた行政区分。100以上の民族。
・スターリンの民族強制移住政策
・1930-50年代:カザフスタンやシベリアに強制移住
・第2次大戦中、反ロ感情の強いチェチェン人が攻め入ったドイツに協力するのを恐れカザフスタンの砂漠へ。スターリンの死後コーカサスへ戻る。
・同様にクリミア半島のタタール人もドイツ協力の嫌疑でウズペキスタンに移住させる。その後にはロシア人が住み着く。スターリンの死後追放措置は解かれるが、戻ったのはソ連崩壊後。2014のクリミア併合後は、併合に反対したタタール人が迫害を受けているという報告もある。
<カザフスタン> カザフ系67.98%、ロシア系19.32%、ウズペク系3.21%、ウクライナ系1.47%、ウイグル系1.47%、タタール系1.47%、ドイツ系0.97%、その他4.5%(2019カザフスタン統計)
ドイツ系はロシア帝国時代にヴォルガ河沿岸やクリミア、コーカサスなどにまとまって住んでいたが、独ソ戦が始まると、カザフスタンやシベリアに追放された。
○が、ソ連時代は、みんなが平等、ということを徹底したので表立った民族差別は問題にはなっていなかった。
<スタンシリーズの5つの国>
カザフスタン、ウズペキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスタン
・タジキスタン以外はトルコ系で、宗教はみなイスラム教。
・ロシア帝国は19世紀半ば、クリミア戦争に敗れ、中央アジアへ進出。ウズペク人のブラハ、ヒバ、コーカンドというハン国(君主国)を征服した。ソ連建国時、これらのトルコ系イスラム教徒を分断して複数の国を作った。
・ソ連時代は地域ごとに産業の割り振りをしたので、崩壊後独立すると1国に1つの産業しかない、などの事態になった。カザフ、トルクは石油や天然ガスがある。他3国は資源が無いので貧しい。
東欧の国が社会主義化したのは?
・第二次世界大戦中、ドイツに占領され、それを解放したのがソ連だった。
・唯一ユーゴスラビアはチトーがパルチザン部隊を率いて独自でドイツ軍を追い払った。→ソ連にも西側にもくみしない自主自立の存在。→国家の介入な��に労働者が自分たちで会社を管理する「自主管理社会主義」という独自の社会主義路線。
・「一つの国、二つの文字、三つの宗教、四つの言語、五つの民族、六つの共和国、七つの国境線」チトーは民族の対等を強調して治めた。
・ソ連や東欧よりはそこそこ経済的にうまくいったが、やはり働いても働かなくても賃金は同じなので、やがて停滞した。
・1980年にチトーが亡くなると、内紛、分立。
<ゴルバチョフ>
東ヨーロッパのことに、もうソ連はいちいち口を出さない。責任も持てない。内政干渉しないから、どうぞご自由に、という方針を打ち出した。
<ポーランド>
1989年9月、「連帯」が勝利。東欧圏に第二次大戦後初の非共産党政権が誕生。
<ハンガリー>
1989年10月、民主化は政権政党だった社会主義労働者党が自ら変革した。政権交代はなく一滴の血も流れなかった。社会主義国で初めて一党独裁が否定され複数政党制になり政党活動の自由が保障された。
1989年11月 ベルリンの壁崩壊
・ポーランドと日本のエピソード
ロシア革命時(当時ポーランドは独ソに分割)シベリアにはポーランド人の政治犯の家族や難民がいた。悲惨な状況だった孤児をみかねたウラジオストク在住のポーランド人たちが救済作戦。シベリアに出兵していた日本は孤児の救済を受け入れ(欧米各国もシベリア出兵していたが欧米が支援する反革命軍が負けそうになると本国に引き揚げ、日本だけが残った)、1920-22の間に765名のポーランド孤児を救出。日本で治療や休養の後ポーランドへ返した。(ポーランドは1918に復活)
・阪神淡路大震災や東日本大震災時、子供たちをポーランドに招いて交流。
2022.4.26初版第1刷 図書館
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■ Before(本の選定理由)
このシリーズを読むのは4冊目。奇しくも、ロシアのウクライナ侵攻で地殻変動が起きている東欧諸国のことをもっと知りたい。
■ 気づき
毎度ながら分かりやすい!講義を実施した都立青山高校の生徒もよく予習していて質問の精度がもの凄い。ロシア側の思考・背景は同シリーズのロシア編を以前読んだが、そんなロシアや、旧侵略国のドイツと不運にも挟まれている国々の様子を詳しく知ることができた。スターリンの悪行は実に深刻。トラブルの火種を思いつくと、民族毎カザフスタンに移住させ分断を生み出すようにした。
■ Todo
今回のロシアによるウクライナ侵攻は悲劇であるが、酷い国と貶すだけでなく、なぜそのような事態に至ったかの背景を理解しようとすること、物事を多角的に捉えて自分の行動を変えることが肝要。
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さすが池上彰。仕事が早い。
加筆という形ではあるがウクライナ侵攻まで連綿と続く東欧の近代史がわかりやすい言葉で語られており、非常に読みやすい。話の流れの中で出てきた世界のポピュリズムに向かうメカニズムは興味深かった。