紙の本
三霊の章
2018/05/27 22:13
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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
副読本の年表を見るに、晁蓋が梁山泊に替天行道の旗を掲げたのが1103年。岳飛伝のスタートはおそらく1136年なので、あれから30年以上経つんですね。
楊令を亡くし、大洪水で壊滅的な被害を受けた梁山泊。 楊令に負けた負けたと落ち込む兀朮と岳飛(主人公)。 水滸伝、楊令伝に引き続き岳飛伝も面白い。
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宴のあと― 中心のない歴史を生きる
2013/04/05 09:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「水滸伝」シリーズ、さらに「楊令伝」シリーズが終わったのちも
この「岳飛伝」のシリーズがあるというのは嬉しい驚きだった。
しかし、少なくともこの1巻目を読む限り、これまでのシリーズとは、またちょっと雰囲気が違うように思う。
偉大なる英雄であった楊令亡き後、
頭領を決められずにいる、あるいは便宜的に決めたあとでも、大きな空虚を抱えたままの梁山泊はもとより、
楊令に対して決定的な敗北感を覚えた岳飛もそのまま偉大な敵を喪い、
さらには金の将軍たちですら、ある種の喪失感を隠せないようにみえる。
北方謙三の描く梁山泊はほとんど国家であり、
その要として圧倒的な存在であった楊令がいなくなれば、
歴史もまた大きな変化を遂げつつあるということだろう。
この第1巻の魅力は、まさにそうした、いわば失われた歴史の中での新たな模索にあると思う。
絶対的な存在がなくなった中で、誰もが、新たに自分の進むべき道を探っているようにみえる。
今までもそうだったといえばそうだが、とくにこの段階のこの巻ではそれが際立つような気がする。
喪失感と、己の選択。
とくにそれが印象的に現れているのは、260ページ辺りの、顧大嫂と王貴のやりとりのところかと思った。
荒っぽいようで情の厚い顧大嫂は、個人的にお気に入りの一人だ。
そして、ひとりひとりの問題を、大きな歴史の流れの中で、
個と全体のバランスを見事に保ったまま描けるのが、北方謙三のすごいところだろう。
そうした巧さはむしろ以前より増しているのではないか。
各々が時代の奔流の中で自分の生き方と向き合う。
結局歴史というものはそういうことの集積だろうか、とあらためて思った。
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『水滸伝』『楊令伝』に続く『岳飛伝』第一巻、相変わらず登場人物が粋で読んでて気持ちいいですね。新しい出会いもあって思わずニヤニヤしながら読むところと別れがあって涙なくしては読めないところ、楽しく読めました。この後も楽しみは楽しみなんだけど、岳飛と秦檜の歴史的な先を見ると明るい感じではないから、これを北方先生がどう料理してくれるのかが楽しみ。
しかし、史進に向かってジジイって言うとか無謀にもほどがあるだろwww
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楊令伝があのような形で終わったので、水滸伝サーガは終わっただろうと思っていたところ、岳飛伝が刊行されると聞いて、嬉しい驚きに包まれています。
そして、北方さんのサイン会が開かれるというので、行ってきました。
そのときお聞きしたところ、この岳飛伝は全17巻の予定だそうで、「それだと優に20巻は越えますね」と話したら(これまでは予定刊行数を越えるのが常のため)、「あんまり長くなったら、身体がもたない」と笑っておられました。サインだけでなく、皆さんと会話をして握手、そして写真撮影にもにこやかに応じられていました。(しかし、集まった読者の方たちをみると、私など及びもつかない水滸伝ファンの熱さを感じました。)
さて本作ですが、登場人物に多少の入れ替わりはあるものの、相変わらず登場人物が魅力的。若造だった者が成長して、話を引っ張っていきます。
しかし、古参のメンバーである史進に忍び寄ってくる老いの陰が淋しい。
ただ、彼を継ぎそうな面白そうなキャラクターが登場したのには期待大。
片腕をなくした岳飛が、これからどうやって生きていくのか。
梁山泊の志は、どのようになっていくのか。
国のありかた、人のありかたを、この新シリーズでも熱く語ってほしい。
これからまだ16巻(+α)楽しめます。
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『岳飛伝』というタイトルに惹かれて買ってしまったが...
「説岳全伝」をベースにしたものを期待してしまったので、少々期待はずれにはなりました。
内容は、1巻なので、まだ面白い!と思えるところはちらほら程度でしたが、最終章あたりから個人的には面白いと思えました。
ただ、吉川水滸伝を読んだときもそうでしたが、これだけ登場人物が多いと、人物の相関関係を把握するのに一苦労...
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金(ウジュ)、南宋(岳飛軍)、梁山泊(秦容、呼延凌)と各英雄2世の戦いを描く、史進、王清等老いてはいるが健在でこれからの展開が楽しみだ。
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「水滸伝」「楊令伝」の続きの物語。
まだ岳飛がメインという印象は無く、
楊令亡き後の現状が書かれている感じです。
今後どのように展開していくのか期待です。
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「水滸伝」「楊令伝」の続編。
楊令伝の最後で物語的にも破綻し、登場人物たちをぼろぼろにしたところからの回収から始まる。
片腕を亡くした岳飛、片足を亡くした金のウジュ、そして楊令亡き後の梁山泊。
梁山泊は若いカリスマワンマン社長の急死後の会社のような状態で、現在は安定しているが将来は見えない。
岳飛もこれからというところで、むしろ歴史的には悪役の秦檜の動向に目が離せません。
さすがに、漢を書かせたら天下一品の北方さんだけにうまく回収しつつ次の物語へ展開していると思います。
あんなに楊令伝のラストに対して批判したのに、悔しいです。
ただ、金にいるコトジという少年の存在が一人歩きしそうで、読者としては一抹の不安を覚えます。
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まさか楊令伝の後に続く物語があるとは思わなかったので素直に嬉しい。ただ続編があるとしたら秦容伝を希望していたのでそこは少し残念。ただあの男臭い物語を暫くの間楽しめるのは喜ばしい限りだ。新たに加わった男の戦いにも期待。
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またこの世界の話が読めるのはうれしい。だが「水滸伝」が凄まじく面白かったこともあって、「楊令伝」は個人的には消化不良だったので、期待と不安が半々。この巻ではまだ何も動き出していないので、しばらく評価は保留。
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2012年08月 08/66
ハードカバーで読むことにした「岳飛伝」。新たな動きの始まりは「楊令伝」とは違う期待感に包まれます。喪失感以上にこれからが楽しみでなりません。
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水滸伝・楊令伝に続く新シリーズ開幕!
なのに・・・。
楊令伝の時もそうでしたが、「黎明期」とでも言うべく物語は遅々として進みません。
期待が大きかっただけに、読んでちょっと不完全燃焼な感じでした。
ですが!、
これから梁山泊はどうなるのか、「岳飛伝」というタイトルに想像が膨らむように梁山泊・岳飛がどうつながるのか、「水滸後伝」の下地は見えるのか・・・、等々、次回にものすごく期待してます。
※この小説は、他のもの以上に感情移入が激しくなってしまいます。
水滸伝当初若手だった史進は、できれば最後まで生き残ってほしい
と思います。
(呉用先生は置くとして、古参がどんどん亡くなっているので、
はつらつとした人に生き残ってほしい・・・。)
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おもろすぎ
対人関係を把握するのが大変だ
時代背景としては
金国と南宋に梁山泊が引っ付いている感じ
此の本は
南宋の岳飛が主人公である
南宋は 力不足で滅びの道に走っている
そんな中岳飛が頭角を現し
二大軍閥の一角をなしている
今後の展開が楽しみ
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公約していた岳飛を遂に描くかと思いきや水滸伝・楊令伝の続き~岳飛の右腕を奪って馬上で絶命した頭領の楊令を失った梁山泊は引き上げ,突然敵対し始めた金の中に取り込まれ,水没した組織は次の頭領を決められずに,日本との交易を担う李俊,金への復讐の炎を静かに燃やす軍を預かる呼延陵や秦英,西の交易路を差配する王貴,黄河の流れを取り戻そうとする呉用,とばらばらに行動を継続する。南宋の秦檜は国力の充実に努め,岳飛は南宋正規軍の中の岳家軍として,張俊は大軍を擁して金の南下を阻み,金は国内の締め付けに窮している。金が南下を開始すると長江の北西で岳飛が,北東で張俊が阻止のための布陣を敷く。背後を狙うのは梁山泊の動きに,金軍は直中を割って撤退した。梁山泊の頭領は呉用と決まったが,補給は滞りないものの,命令は届かない。王貴は黄河流域から長江へ踏破調査を行い,日本の砂金や昆布を長江遡上でもたらし,西域の物資を流す方法を考える~まったくの新しい話だと思って期待したら,楊令伝の中に登場させたキャラクターそのもので登場し,話そのものは梁山泊と金と南宋のこと。ちょっとがっかり,ほんのちょびっと安心
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読了【岳飛伝】水滸伝全19巻楊令伝全15巻に続く物語。まだ岳飛が、というより頭領楊令亡き後の様子が描かれている。前作から時間が経ってしまい人物がわからなくなってしまった部分もあるがその後が気になっていたのも事実。。ここまで来たら最後までお付き合いするのでキッチリ終わらせてほしい。