サラの柔らかな香車

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将棋界を舞台に、「天才とは何か？」のいうことに切り込んだ小説です。

3人の天才少女棋士の生き様と、彼女たちをとりまく天才になれなかった男たち。
作者自身、プロ棋士一歩手前までいった方なので、思うところが色々とあるのでしよう。
壮絶な闘いに、胸が熱くなりました。

将棋の知識はなくても全然大丈夫です。

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金髪蒼眼の天才将棋少女の話。

あまりこういうライトノベルっぽい話は好きではないのだが、節々に作者の人間性がにじみ出ていて面白かった。

ただ、読んでいて人称、というか、三者視点での描写のムラが気になった。

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元奨励会の方の作品ということで、将棋のなんとなくな部分が言語化されていて面白かった。
将棋好きは、棋譜の元ネタやセリフのでところが分かってりやりとできそうですね。
続編でもそうでなくてもいいので、是非作者には将棋小説をこれからも書いて欲しい。そして、中盤のねじり合い、終盤の善悪を超えた一手など将棋を本格的にやった人にしかわからない世界を言語化して欲しい。

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将棋の世界に現れた天才少女サラの話。
「才能とは何か？」と深く問いかける作品。

わたしは将棋が解らないけど、解る人ならもっと面白く読めたかなと思った。

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　以前にプロ棋士を目指しておられた方が書いた将棋小説。
　若い著者の将棋に対する深淵な思想が、時に読者を置き去りにして突っ走る。将棋界に天才少女が現れるという話だが、言わば「出オチ」。物語がそこから展開するわけではない。天才少女に関わる登場人物たちの状況説明と、「才能とは何か」「天才とは何か」という著者の問いかけに終始する。意味のない視点の変化も鬱陶しい。良くも悪くも若い小説。すばる新人文学賞受賞作。

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将棋の天才少女サラ。将棋界の事が少し分かる。才能とはなんなんだろ？ラストは良かったな！
2012.2.29

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「ラディカル」なんてわかりにくい表現が何回も出てきたり、やたら「天才」を連呼したり、ちょっと夢見がちでご都合主義な展開だったり、読み終えるまでどうなんだろうと思っていた。でも不思議なもので、ラスト数ページ、そして読了後数分で徐々に自分の中の評価が良くなるという結果に。なんだか珍しい読後感だ。

まず、全体を通しての瑞々しく清廉な世界観が気に入った。著者の処女作ということもあり、ところどころ甘さのようなものは見え隠れするけど、これも味だと思う。

それと、印象的な場面が多かったのが高評価ポイント。例えば主人公のサラが初めて綺麗な駒音を鳴らすシーン。打ち鳴らされた高音を聞いたときの彼女の気持ちに凄く感情移入してしまった。他にも、一度打ちのめされた女の子が再起を図る際の「こんな将棋が指したい。指したいよっ。（P.228）」という台詞なんかは、最後までこの物語を読んだ人間だけがグッとくる、秀逸な一文。

作品の構成は単純で、ある二人の棋士の対局が一本の筋として置かれ、そこに付随する人間や物語の過去が間に語られていくというもの。これをされると最初は面食らうので退屈だけど、人間性や行動理由が明らかになるにつれて同じ場面が全然違って見えてくる。ハマれば強い、なかなか面白い作りだった。

また、特筆すべきは主人公の人物像。意味のある文章をほとんど喋らない彼女は、将棋の駒に風景や物事を見る。作中では「共感覚」と表現される特殊な感覚で、将棋を指すときは、そこに見えたものをぶつぶつ呟いている。そんな、何かを伝えることに不器用な彼女を見ていると、何でもない場面で涙腺を刺激されてしまうことが何度もあった。

正直言って、将棋の知識が全くないと、この物語は１００%楽しめないかもしれない。それでも、「将棋」という少し近寄りがたいテーマに「柔らかく」アプローチした作品なのは確か。こんな綺麗な物語を「知らないから」で流すなんて、もったいない。

【キーワード】
ブラジルから来た少女、『完全に出鱈目』で『完全に不規則』、バタフライ・エフェクト、棋界の女神、詰将棋パラダイス、女流棋士、ギリギリの斬り合い、天才を試すのにうってつけの局面、絶対将棋感覚、女神達の肖像、仮初の家族、記憶の人、クオリア、共感覚、氷の女王、過剰に見える者

【主要人物】
護池・レメディオス・サラ、萩原塔子、瀬尾健司、北森七海

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視点が目まぐるしく動くのがとっちらかった印象。登場する男にリアリティが薄いので、区別するのが難しいのだ。観念的な思い入れの記述が多く、もっと骨太の物語にならんもんかなと不満たらたらで読み進めて来たが、最後は良かったね。七海ちゃん、応援したい。

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すっきりと心地よい清涼感とともに読み終えた。

ブロンドの髪と青い目をした少女サラ。およそ将棋のイメージからは程遠い容姿である彼女は、多くを語らない。彼女の心理や挙動は周囲の人々を通して描かれる。
同時に彼らがサラというフィルタを通して見るものは、努力では超えられない才能という壁、あるいは言葉にできない美しい景色、あるいは狂おしいほど将棋に魅せられた自分自身。その意味では、サラを取り巻く人々ひとりひとりが主人公であるのかもしれない。

また、盤上で繰り広げられる己を賭けた勝負は、息遣いまで聞こえてきそうなリアリティと利害や見栄をかなぐり捨てた者だけがたどり着ける境地なのであろう、ドラマチックな演出に引き込まれた。
夢中になって生きている人は、きっと美しい、そう感じさせるラストシーン。何にでも終わりは必ずある。しかし、終わりは始まりでもある。決して押し付けがましくなく、自然と前向きな気持ちになれる。

装丁も作品イメージ通り非常に透明感あふれる美しいものだが、汚れてしまわぬよう、もの凄く丁重に扱うことになったのが、嬉しくも悩ましい。カバーを掛けてしまえば、と言ってしまえばそれまでだが。

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マイ将棋小説フェア第2弾。
結果「盤上のアルファ」のほうが確かに軽快で爽快。おもしろかった。

しかしながらこちらの作品も、元奨励会会員の「男性」が書いた作品としては、どことなく女性的で、盤上～が男臭い作品なら、こちらとっても女性的なイメージ。この感じは嫌いではなかった。

個人的には、とりわけサラをはじめ、登場する女性の人物像を、もうすこし掘り下げて描いてほしかった。なので★★★

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異国の少女が将棋を指す話。
総じてはおもしろかったけど描写が中途半端なのと展開がわかりにくいのが気になった。

将棋小説ってジャンルは楽しい。

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■棋士の世界は何も知らなかったけど、思っていた以上にDeepな世界があることを知る。

■それよりも何よりも、登場人物の個性があって、主人公のサラはもちろんこと周囲の皆がそれぞれの自己主張してくるのがとても好ましく、しっとりとでもしっかりと引きつけられて読了。

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3月のライオン(こちらはコミック)でも注目を集める将棋世界。

ひとりの碧眼少女が現れる。

将棋は、全く知らないけれど物語の運びはうまくて、やっぱりそうなるか、という展開に良い意味でするする読める。

作者自身の思いも、少なからず反映されてるだろうなぁと思った。

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碧眼の少女とタイトルに惹かれて読了。
将棋の世界に異能の少女が登場する。
著者自身とイメージが重なる男がサラを導く。
将棋の世界を垣間見ることができる。
『盤上のアルファ』や『３月のライオン』など将棋をテーマにした作品がこの頃目につく。
将棋、おもしろいのだろうけれど……。