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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2011.10
  • 出版社: 集英社
  • サイズ:20cm/293p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-08-771424-1
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紙の本

野蛮な読書

著者 平松 洋子 (著)

沢村貞子、山田風太郎、獅子文六、宇能鴻一郎、佐野洋子、川端康成…海を泳ぐようにして読む全103冊、無類のエッセイ。【「BOOK」データベースの商品解説】【講談社エッセイ賞...

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野蛮な読書

税込 1,760 16pt

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商品説明

沢村貞子、山田風太郎、獅子文六、宇能鴻一郎、佐野洋子、川端康成…海を泳ぐようにして読む全103冊、無類のエッセイ。【「BOOK」データベースの商品解説】

【講談社エッセイ賞(第28回)】沢村貞子、山田風太郎、獅子文六、宇能鴻一郎、佐野洋子、川端康成…。食と生活のエッセイストとして活躍する著者が、海を泳ぐようにして読む103冊。読書の魔力をがぶり味わい尽くす。『すばる』掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

平松 洋子

略歴
〈平松洋子〉1958年岡山県生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。エッセイスト。「買えない味」でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。ほかの著書に「おとなの味」など。

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書店員レビュー

MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店

料理研究家としても著...

MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん

料理研究家としても著名なエッセイスト、平松洋子の最新刊。
散歩の途中のモスバーガーで読む開高健や、
ふと目覚めた朝の4時に読む川上未映子の「へヴン」。
断食道場で空腹時に「仰臥漫録」を読み、正岡子規の食欲に触れる・・などなど、
タイトルそのまま縦横無尽な読書論が展開される。
ほぼ毎回、食べ物の話が出てくる所が真骨頂と思いきや、
通読すると読書もまた、著者にとって3度の食事の様になくてはならないものである事に気付く。
1冊の本を読んだ時に自分が考えていた事、その時の季節や匂い。
そんな本の周辺を含めての読書が、ふといとしく思えてくるそんな1冊。

文芸 菊地

みんなのレビュー50件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

不思議な国への道案内

2011/12/08 08:09

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本の表紙絵に使われているイタリアの画家ヴァレリオ・ベッルーティの作品について、著者の平松洋子さんはこの本のなかの「春昼」というエッセイの冒頭でこう書いてます。「少女なのに静物のようだ。ほとんど無彩色。簡素な太い黒線。単純化された身体の輪郭。(中略)しかし、粗いカンヴァスに描かれた少女たちと向きあっていたら、かすかな羽音がわたしの耳に届いてきた。それは好奇心、歓喜、不安、奔放、または野蛮。」
 読書エッセイであるこの本の表紙絵にヴァレリオ・ベッルーティの絵を使い、「野蛮」という言葉をつけた平松さんの読書に対する思いのようなものを感じさせます。
 では、どのようなものが平松さんにとって「野蛮な読書」であるのか。同じく「春昼」という作品のなかからの引用です。「思いもかけなかった繋がりと広がり、そのわけのわからなさこそ、自分なりの野蛮な読書のうれしさなのだった」

 実際ここに収められている読書エッセイひとつひとつのなかには、複数の本がさりげなく、時には唐突に紹介されています。
 例えば、「まずいスープはうまい」というエッセイには、太宰治の『津軽』にはじまり、戌井昭人の『まずいスープ』、写真集『おべんとうの時間』、田辺聖子の『春情蛸の足』、庄野潤三の『ピアノの音』などがまるで絵巻物のように次から次へと紹介されていく。
 平松さんの文章の力といっていいのだろうか、先へ先へと進める力は尋常ではない。ぐんぐんひっぱっていく。平松さんのエッセイの快感はそのスピードにあるといっていい。
 だから、突然話の展開が変わろうと、それはジェットコースターの落下の瞬間だと思えばいい。次のコーナーではまたあのスピードが戻ってくる。
 それが「野蛮な読書」の快感といってもいい。日々の生活とはまるで脈絡もなく、突然読みたくなる本がある。その心地よさといったらない。

 「本は本を連れてくる。なぜこの本がつぎのこの本につながるのかと驚くのだが、奇妙な手引きもまた読書の贈り物なのだ」と書く平松さんは稀代の読書家であり、私たちを本の世界にみちびく「不思議な国のアリス」に登場する白ウサギのような人なのだ。

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紙の本

いてもたってもいられません わたしは野蛮な読者になりました

2011/12/15 15:35

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

これまでに平松洋子さんの本にはことごとくほれ込んでいる。
文章のテンポがすこぶる心地よくて、たまらないのです。
なんと言うか、彼女のエッセイで紹介されるスープひとつ、ケーキひとつ、出かけた先で見た景色の一つひとつが彼女の文章を読むだけで、すーっと身体に沁み込んで、もう身体も心も喜んで、えらいことになるんです。なにしろ、彼女のレシピを読んでいると、すぐさまその料理が作りたくなったり、どこか旅行の話になると地図を開きたくなり、うずうずそわそわ、いてもたってもいられなくなるのですねぇ。この「野蛮な読書」に関しても、私はページをめくりながら、せわしくカーデガンを脱いだり着たり…。そうなんです。体温は確実に上がったり、下がったりしているはずです。それほど、夢中にさせてくれる一冊なのです。

読書家としても知られている彼女が、今回は100冊もの本を一挙に紹介、です。まずはタイトルの『野蛮な読書』に、ズドン。平松さん、私は一瞬のうちに、野蛮な読者になりましたとも。え~っと、これは読みながら、ウッホホとオタケビをあげそうになるほど、情熱的な読者ということです。(●^o^●)

とにかくこの本には読書の楽しさ、素晴らしさがたくさんたくさん詰まっているのです。平松さんが本を開く場所は旅先だったり、自分のベットだったり、異国の地だったり、時間軸もひょいひょいと移り変わり、突然いろんなところに連れていかれる感じがして、彼女の読書ワールドは実にふところが深いのです。私はこの本のページをめくり、どぎまぎしたり、真実に打ちのめされたり、深く感動したり、しんみりしたり、お腹をかかえて笑ったり、ふり幅の激しい読書体験を大いに堪能しました。

南伸坊さんの『本人に人々』、これは南さんがいろんな人になりかわり文章を寄せているのですが、顔もそっくりさんに変身して登場していて、その写真が半端でなく面白いのです。私も古本屋さんでこの一冊を見つけ、パラパラ見ながら大爆笑で、これはもう買って帰らないと、このままここで読んでたらえらいことになると、そそくさとレジへ持参したのですが…。この本が平松さんに選ばれていることを知り、ほんとうに嬉しかったのです。

平松さんが断食道場で過ごした一週間の話も興味シンシンで読み進めました。断食しながら読む本に選ばれたのが、正岡子規の一冊。あと同じ断食仲間から別れ際にプレゼントされたのが石井桃子さんの『幼ものがたり』。いろんな場所での本の繋がり、不思議な縁を感じますね。

小学生時代に江戸川乱歩の全集を片っ端から読み進めていたこと、佐野洋子さんの本を熱く語る姿、どれもが自分の姿と少し重なるようで、夢中になって読み進めました。

読みながら、吹きだすこともたびたびでしたが、一カ所だけ引いてみましょう。

武田泰淳さんの『明治村評判帖1』
「明治村。これも私は馬鹿にしていた。
だが、実さいに見もしないでバカにすることこそ、すなわちバカにされること、バカのままでいることなのである」

平松さんは「そんな何度もバカ、バカって書かなくても。よっぽど反省したんですね」
このページを笑わずに済ませられましょうか。

私は平松さんの本をこれからもずっと一生読み続けようと、今回もまた決意を新たにしたのでした。(^-^)
そうそう、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『おべんとうの時間』『残花亭日暦』が紹介されているのも、嬉しかったなぁ。

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紙の本

主菜副菜すべて美味な極上の「本」の数々

2011/12/09 12:02

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:伊豆川余網 - この投稿者のレビュー一覧を見る

一度読んで、直ちにもう一度読みたくなる本は、そうざらにはない。
あの、食味の名手が、よもやこれほどの本読みの手練れとは知らなかった。
しかもことさら、食材や料理についての本を論じているというわけではなく
(その手の本も出てくるが)、あくまでも著者好みの作家・著作を、
おもしろく、手順よく紹介し、いっしょに、楽しく味わわせてくれる。

メインの話題の作家の話に、突然意外な名前が連なって、ほおと思ったり、
ここぞという作家については、周到な準備の上で、じっくりと読ませたり。
さながら、名ヴァイオリニストが自在に奏でるカデンツァのようでもあり、
名ピアニストが敬愛する作曲家の名旋律を歌うアドリブのようでもある。

たとえば、森茉莉と幸田文の話題にかぶせて、叶恭子と山下清の文章を
続けた、前半の一編(第一章「贅沢してもいいですか」)。
一見、ウケをねらった奇手、あるいは自己陶酔して読み手をおきざりにした
無国籍料理のように思えるがそうでない。「ことば」という食材と「表現」
という調理法に通暁した恐るべき読み手による、抜群の配置なのである。
つまり、一品ごとの調理はもとより、卓上あるいは膳部での位置、出し方
が秀逸なのだ(どうも、この著者だと食がらみの比喩が使いたくなる)。

もちろん渾身の“一皿”もある。連載した媒体(「すばる」)を意識した
かとおぼしき、獅子文六と宇野鴻一郎のあつかいは、その最たる者。
「お獅子のまるかじり――獅子文六、ほんとうの味」、
「わたし、おののいたんです――宇野鴻一郎私論」(ともに第二章)。
このタイトル、もしくはサブタイトルに、著者のこの“一皿”に注いだ
愛情も自負も読み取れる(編集者との共作かも知れないが、だとすれば、
名人の逸品の仕上げを、よくぞ手伝って下さったと感謝したい)。

獅子文六という、人気作家として成功しながら生涯気難しかった、
この孤独な猛獣を、著者はみごと射貫く。
――「食べものに救済された男、獅子文六。終生食べもののことをさかんに
書きながら、じつは食べものに救われていた。食べものにすがっていた」

以下、そんな「獅子」は「どんな味がするのかな」と「齧って」みた
十数頁は、まさに本書の白眉、いや目玉というべきか。
食の名手が、咆吼する獅子に組みつき、とどめをさして、喰らいつく。
急所を狙う妙技というべき文章は、ときに真率、ときに遊びゴゴロ。
しかも、我々素人には決して真似のできない、プロならではの
「食」がらみの比喩も横溢しており、文字通り、舌を巻くしかない。
――「獅子の味は海千山千。それでもがじがじと噛みしだいていてみると、
歯ぐきに沁みわたってくるのは明治、大正、昭和」

もう一人、宇野については芥川賞受賞作『鯨神』に遡って、
その“官能”の変容ないし成熟を、みごとに“料理”する。
芥川賞受賞時の委員選評の引用という文芸誌連載っぽいワザもあり、
映画化作品(勝新太郎主演)を若手編集者と鑑賞するクスグリもあり、
宇野に会った担当編集者(女性)から「きれいなかたでした」の名言を
引き出すヤリテババ的なテクダもあり。
だが、なんといっても敬服するのは、次の一節の発見と、ご披露。
――「たしかにぼくには自分以外のあらゆる存在を、わが身に取入れたい、
熾烈な願望のようなものがある。とりこんだあとの、血と脂いまみれた
舌なめずりは言いがたい喜びである」(宇野鴻一郎『味な旅 舌の味』)

作家に畏敬を覚えた瞬間の著者に、我々がまた畏敬を覚える、
その瞬間の快楽。これぞ、かかる「本についての本」の醍醐味といわず
してなんというべきだろう。あるいは、名料理人が己れの迂闊を反省し、
くだんの食材が秘めていた妙味に陶然となりつつ、そのほんの一切れを
“おすそわけ”してくれた一瞬の至福。
著者は、宇野を論じて、かくいう。
――「たぐってもたぐっても、まだつぎがある。こんな作家を、
きょうまでわたしは放擲していた。不覚にもほどがある」

おっしゃるとおり。
確かに、著者が宇野についてこみ上げた本音だろうが、我々もまた、
著者自身に、そう思う(この一文を本の帯に使ったのも納得)。他にも
まだまだ、垂涎の絶品も、驚嘆の逸品も満載。リピート必至の快著。

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紙の本

野蛮に、がしがし。

2012/03/16 09:39

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る

"料理の人"というイメージが強いので、意外と(と言ったら失礼だろうか?)古典的で語彙も豊富、しっかりと骨太な文章で、少し驚く。
布団の中で、旅先で、断食合宿で、場所を変え時を変え、ところ構わずなされる読書。「野蛮な読書」のタイトル通り、がしがしと本を読む。

本や読書を巡るエッセイ。
"料理の人"らしく、「普通の家族がいちばん怖い」(岩村暢子)や幸田文、沢村貞子なども出てくるし、「人生熟れた男と女の心情を描かせたら天下一品、ふるいつきたくなる味わいの深さといえば」とふられたら、そりゃあ、そのあとに出て作家名は”田辺聖子”と決まっているよね…と、なじみのある書名と、おやこれは確認に行かねばと思う書名。

意外と言えば、開高健「兵士の報酬」や池部良など、戦場での話も取り上げていること。また「拳闘士の休息」(トム・ジョーンズ)なども出てきて、意外と骨っぽいセレクト。コージーでは終わらない。
そのあたり、「野蛮」と言えば「野蛮」である。

でも何が一番「野蛮」かと言ったら、どこでも読んじゃう、ってとこかな。
もっともっと野蛮でもいいよ。

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紙の本

おいしそうな書評

2012/02/02 20:31

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 平松洋子さんの作品は初めて読むのですが、主に本と食とちょこっと旅にまつわるとーっても内容の濃いエッセイでした。

第一章 贅沢してもいいですか
 能登とハンバーガーと風呂上がり
 贅沢してもいいですか
 わたしの断食一週間
 まずいスープはうまい
第二章 わたし、おののいたんです
 わたし、おののいたんです──宇能鴻一郎私論
 最後の銀幕スタア──池辺良賛江
 お獅子のまるかじり──獅子文六、ほんとうの味
 四日間の空白──沢村貞子の日記文学
第三章 すがれる
 春昼
 夏のしっぽ
 クリスティーネの眼差し
 雪国ではね
 すがれる

 著者・作品共に予備知識まったくなし! 著者の平松さんに関しては食に関するエッセイが多いとのプロフを読んで納得。食にまつわる描写がとてもお上手で美味しそう! 一瞬ホントに食に関するエッセイかと思ってしまった。そう思うほど楽しく美味しそうでスラスラと読めるのだけど、実はその中で登場する書籍がなんと100冊以上だと知ってあ然としました。小説ばかりではなく多彩なジャンルの書籍の紹介になるほどなるほど。軽妙な語り口で楽しく読ませて、ラストにはほんのりじんわりさせる──この落差というかギャップの妙が素晴らしいなと。

 自分的に楽しめたのが第一章・第二章・第三章の「すがれる」かな。
 第一章はすべて興味深くて引きこまれた。
 「能登とハンバーガーと風呂上がり」雪深い能登の風景となくてはならないお気に入りの書籍。そして美味しそうな地元の食事の描写に思わず羨望。
 「わたしの断食一週間」では、一体どこのセミナーなのか企画なのか皆目わからないのだけど、集団で絶食(もちろん無理なく)するというイベントに参加した著者。
 一週間の食事はほとんどスープと重湯とお味噌汁。その合間にひたすら歩いて体操してヨガをする。娯楽は持参した本のみ、というものすごい禁欲生活。著者が持参した本は「拳闘士の休息」と「墨汁一滴」「仰臥漫録」正岡子規。特に正岡子規の作品に自分を重ね、病床の子規を思い感慨に耽る件では思わず胸熱。

 第二章はひたすら面白い。官能小説家の宇能鴻一郎氏の作品と人柄に対する新たな発見で驚愕する著者。自分もつられてなんだか非常にその著作を読みたくなってしまったし。ナント、宇能鴻一郎氏、芥川賞作家だったのですね。その氏に対する著者の深く鋭い考察がとても面白かった。
 で、次の俳優・池辺良氏のエピソードにも爆笑というか、やはり絶賛されている「昭和残侠伝 死んで貰います」を観たくなったし! 池辺良さんの俳優としての魅力はもちろん、後の文筆家としての魅力もあますところなく語っていて興味津々。

 第三章は「すがれる」かな。山田風太郎氏の晩年のエッセイ「あと千回の晩餐」について語る内容がちょっと胸に迫った。
 などなどそれぞれのエピソードをさらっと愉快に語っているのに、紹介されている書籍の数は100冊超え。凄い読書量だなと改めて尊敬。小説もいいけど、たまにはこういう本格エッセイというか書評も良いなと思ってしまったのでした。

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2012/03/15 10:33

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2011/11/28 17:12

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