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- カテゴリ:一般
- 発売日:2021/11/04
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/367p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-526068-5
読割 50
紙の本
筑紫哲也『NEWS23』とその時代
著者 金平茂紀 (著)
「権力監視」「少数者への共感」「何でもありの気風」を実践し、無限の自由を追求したジャーナリスト、筑紫哲也。その名を冠したTBSの報道番組「筑紫哲也NEWS23」と激動の現...
筑紫哲也『NEWS23』とその時代
筑紫哲也『NEWS23』とその時代
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商品説明
「権力監視」「少数者への共感」「何でもありの気風」を実践し、無限の自由を追求したジャーナリスト、筑紫哲也。その名を冠したTBSの報道番組「筑紫哲也NEWS23」と激動の現代史を描く。『本』連載を基に単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
かつて、日本にはこんなに自由で、一本背骨の通ったニュース番組があったーー。
TBS『筑紫哲也 NEWS23』キャスターとして、日本の報道番組の新たな地平を切り開いた男が亡くなってから、今年で13年の時が過ぎた。「とかく一つの方向に流れやすいこの国で、少数派であることを恐れないこと」。最後の放送で噛みしめるように語った稀代のジャーナリストは、何を見て、何を考えていたのか。忌野清志郎、鴻上尚史、小澤征爾ら各界の文化人との交流、生涯の同志となった立花隆との共闘、そして「力の強いもの、大きな権力」を監視することへの強い意志。番組編集長として、在りし日の筑紫の姿を間近で見ていた著者が、関係者への膨大なインタビューをもとに振り返る。「頭をあげろ!」。世の中が混沌とする今だからこそ、筑紫の生き様はいっそう胸に響く。
筑紫さんといえば鋭い切り込みをしながら、顔は微笑んでいる、その表情が忘れがたい。
今こそ筑紫哲也の話を聞きたい、金平さんのそういう思いは僕もおおいに共鳴している――坂本龍一(音楽家)
●各章タイトル●
第1章「二度目のプロポーズだから受けざるを得なかったんだよ」
第2章 要は、何でもありということ
第3章 君臨すれども統治せず(ただし例外あり)
第4章 たたかう君の歌を たたかわない奴らが笑うだろう
第5章 遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん
第6章 筑紫さんがこぶしを振り上げて歌った
第7章 沖縄を愛し、沖縄を最後の旅先に選んだ
第8章 「旗を立てる意志」について僕が知っている二、三のことがら
第9章 「政治部失格」だが「人間失格」では、断じてない
第10章 「党派性で、人を区別して、つきあいたくないんだ」
第11章 触媒としてのジャーナリスト
第12章 タウンホールミーティングの時代
第13章 「私の人生、百八十度、変わりましたよ」
第14章 中国トップと市民の直接対話
第15章 阪神淡路大震災報道、その失意と責務
第16章 世界が変わった日
第17章 番組内でのがん告知と、家族との残された時間
第18章 『筑紫哲也 NEWS23』の最も長い日
第19章 『筑紫23』に馳せ参じたJNNの「つわものども」
第20章 『筑紫哲也NEWS23』で縦横に動き回った立花隆さんについて
第21章 演劇空間としてニュース番組
第22章 「『NEWS23』のDNA」〈伝承〉をめぐって
第23章 「頭をあげろ!」
【商品解説】
著者紹介
金平茂紀
- 略歴
- 〈金平茂紀〉1953年北海道生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。ジャーナリスト、「報道特集」キャスター。ボーン上田記念国際記者賞受賞。著書に「抗うニュースキャスター」など。
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紙の本
あの時代があって今に続く
2021/12/29 16:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筑紫哲也(ちくしてつや)といっても、知らない世代も多くなったかもしれない。
筑紫さんが73歳で亡くなったのが2008年11月だから、もう随分歳月が流れた。
だが、ある世代以上の人にとっては、「ニュースキャスター」といえばこの人のことを思い出すのではないだろうか。
朝日新聞記者を経て、「朝日ジャーナル」の編集長、そして新聞社を辞め、TBSの『筑紫哲也 NEWS23』という報道番組のメインキャスターを始めたのが1989年。
以来、肺がんが見つかったあと治療に専念するために番組を降板する2008年3月まで、夜11時からという遅い番組ながら、多くの視聴者を得た人気番組を支えてきた。
本書はそんな筑紫さんとともに番組を作り出してきた著者が、筑紫さんがいた時代を振り返るとともに筑紫さんが残されたDNAを検証するドキュメントだ。
これは決して回顧ではない。
むしろ、メディア論であり、ニュースと向き合う姿勢を問い直し作業といっていい。
考えてみれば、筑紫さんが番組を担当していた時代は、現在のようにスマホなどネット環境が整備されていなかった。
その点では、新聞なりテレビの報道に多くの耳目が集まった時代だったといえる。
だからこそ、筑紫さんのようなある意味メッセージ性を持ったキャスターが必要だったといえる。
時代は大きく変化している。
しかし、筑紫さんが言った「強いものと弱いものがいたら、間違いなく弱いものの味方をする」という言葉は、どんな時代であっても有効だと思う。
『NEWS23』にかかわった人だけが問い直しのではなく、皆等しく問いなおす必要があるのではないだろうか。
紙の本
高みの見物をする金持ち
2022/02/08 22:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、はっきりというと、筑紫哲也という人が嫌いだった。この人のイメージは高層マンションの最上階の部屋から、デモをする人を「庶民がんばれ」とシニカルに応援するというものだった。ここにも、あったように、阪神大震災の「温泉」発言で余計に嫌いになった。その思いは彼が故人となってもかわらない
紙の本
筑紫哲也氏を間近に見てきた著者による、筑紫氏の拘り、矜持を描いたノンフィクション
2023/12/06 17:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
1989年から18年間に渡って放送された「筑紫哲也NEWS23」のスタッフとして関わった著者による当時の筑紫哲也氏の言動や、関係者と番組との関わりを総括したノンフィクション。
当時、夜のニュースと言えば久米宏氏の「ニュースステーション」か筑紫哲也氏の「NEWS23」と言った感じでした。本書はその番組立ち上げから、筑紫哲也氏のガン罹患を自ら番組内で発表し、番組を降板するまでにあった様々な事件、事故の報道の裏側で筑紫氏やスタッフがいかに立ち回ったかが克明に描かれています。
本書で取り上げあれているクリントン大統領訪日の際にTBSで一般市民100人との対話形式でのインタビューや、阪神大震災の時の報道、9.11のニューヨークテロなど、「ああ、あの場面ね」と思い出すことのできるシーンがいくつかありました。
本書で特に重要な事象として取り上げられているのが、大手証券会社による損失補填先にTBSが含まれていた事件、オウム真理教による坂本弁護士殺害に先立ち、TBSが坂本弁護士のインタビュー映像を教団幹部に見せていた事件があります。この番組を放映している自らの会社の起こした不祥事に対して、決して及び腰になるのではなく、この時にこそより徹底的に報道しようとした筑紫氏と、それに対して圧力をかけようとした会社上層部とのぶつかり合いが「編集権」vs「経営権」と言う構図で描かれ、著者によれば当時は明らかに筑紫氏の「編集権」が「経営権」を凌駕していたとの事でした。その辺りの番組制作にかける筑紫氏とスタッフの人達がこの番組に注ぐ熱量の大きさは、本書に引用されている筑紫氏の著書の一節「ジャーナリズムはひとつの事を勇気をもって追及するときには、必ずそれ相応の傷を負わなければならない」という言葉がそれをよく表していると感じます。
ネットの存在の有無など当時と現在ではテレビの位置づけも異なりますが、これほどキャラの際立った報道番組をほとんど目にしなくなったように感じます。大きな事件、事故は次々と発生している一方で、印象に残る報道番組のシーンが少なくなったと感じるのは、筑紫氏がおっしゃる「相応の傷を負う」覚悟のある番組の作り方や作り手が減ったからなのか、それとも私自身が20代から50代へと年齢を重ねて感受性が鈍くなったせいなのか、ちょっと考えさせられました。