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紙の本
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
著者 中川 毅 (著)
【講談社科学出版賞(第33回)】年代測定の世界標準となっている福井県・水月湖に堆積する年縞が明らかにしたのは、現代の温暖化を遙かにしのぐ激変する気候だった。過去の精密な記...
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)
人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか
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商品説明
【講談社科学出版賞(第33回)】年代測定の世界標準となっている福井県・水月湖に堆積する年縞が明らかにしたのは、現代の温暖化を遙かにしのぐ激変する気候だった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす。【「TRC MARC」の商品解説】
福井県・水月湖に堆積する「年縞」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録した地層で、現在、年代測定の世界標準となっている。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった。人類は誕生から20万年、そのほとんどを現代とはまるで似ていない、気候激変の時代を生き延びてきたのだった。過去の詳細な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめ直します。
人類は、たいへんな時代を生きてきた! 驚きの地球気候史
福井県にある風光明媚な三方五湖のひとつ、水月湖に堆積する「年縞」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録した地層で、現在、年代測定の世界標準となっている。その水月湖の年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった。
人類は誕生してから20万年、そのほとんどを現代とはまるで似ていない、気候激変の時代を生き延びてきたのだった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおします。
○氷期と間氷期が繰り返す中、人類誕生以来、その歴史の大半は氷期だった。
○現代の温暖化予想は100年で最大5℃の上昇だが、今から1万1600年前、わずか数年で7℃にも及ぶ温暖化が起きていた。
○東京がモスクワになるような、今より10℃も気温が低下した寒冷化の時代が繰り返し訪れていた。
○温暖化と寒冷化のあいだで、海面水位は100メートル以上も変動した。
○縄文人はなぜ豊かな暮らしを営めたのか。
○平均気温が毎年激しく変わるほどの異常気象が何百年も続く時代があった。
○農耕が1万年前に始まった本当の理由。
「年縞」とは?
年縞とは、堆積物が地層のように積み重なり縞模様を成しているもので、樹木の年輪に相当します。2012年、福井県にある風光明媚は三方五湖のひとつ「水月湖」の年縞が、世界の年代測定の基準=「標準時計」になりました。世界中の研究が、その年代特定で福井県水月湖の「年縞」を参照するようになったのです。この快挙を実現したプロジェクトを率いたのが著者です。
「プロローグ」より
水月湖では、地質時代に「何が」起きたかだけではなく、それが「いつ」だったのかを世界最高の精度で知ることができる。タイミングが正確に分かるということは、変化のスピードや伝播の経路が正確に分かるということでもある。(中略)水月湖の年縞堆積物から気候変動を読み解くプロジェクトはまだ進行中であり、今も続々と新しい知見が得られつつある。本書ではそれらの新しい発見のうち、とくに私たち自身の未来と関連の深いものについて、なるべく分かりやすく紹介してみようと思う。【商品解説】
1万年前に平均気温7度上昇の大変動があった! 過去7万年の気候を記録した地層の年輪「年縞」が明らかにする驚きの地球気候史。【本の内容】
目次
- プロローグ──「想定」の限界
- 第1章 気候の歴史をさかのぼる
- 第2章 気候変動に法則性はあるのか
- 第3章 気候学のタイムマシン──縞模様の地層「年縞」
- 第4章 日本から生まれた世界標準
- 第5章 15万年前から現代へ──解明された太古の景色
- 第6章 過去の気候変動を再現する
- 第7章 激動の気候史を生き抜いた人類
- エピローグ──次に来る時代
- あとがき
著者紹介
中川 毅
- 略歴
- 〈中川毅〉1968年東京都生まれ。エクス・マルセイユ第三大学(フランス)博士課程修了。立命館大学古気候学研究センター長。専攻は古気候学、地質年代学。
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電子書籍
古気候学にとどまらないいろいろな面白さのつまった傑作
2018/09/17 21:55
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nakyama - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほんといろいろな意味で面白い本だったが、やはり何といっても湖のそこに溜まる泥の縞々が1年に1枚できるのを一枚一枚、数えも数えたり7万年分。縞々をさかのぼるにつれてはっきりしないところも増えてくるのだが、統計処理も加えて7万年でも誤差百数十年という執念の成果がすごい。次にこれを利用して一緒に埋もれている葉っぱの14C存在比を調べること800枚、過去の骨や化石の年代測定の精度を格段にあげる成果をだしている。そしてまた泥の中の花粉の種類を数えること1400サンプル、これで湖畔の樹木の種類分布を推定し、日本各地の花粉分布との比較から降水量、平均気温を逆算していくこと15万年分、これはまだ精度も範囲も広がっていくらしい。何とも地味な作業の果てに過去の気候の変動がまるでタイムマシーンで見てきたかのように再現される大スペクタクルに至るという、なんだかとんでもない偉業である。
しかしそれだけでなく、カオスの研究者の金子邦彦教授が示した大域結合写像を少し変形した系の挙動が気候の変動と似ているという話も面白く、さっそくプログラムを作って眺めてみた。本書にでてきる式のaを1.5くらいに、εを0.3くらいにしてやると全体の値が一定になってきたかなと見ているうちにまたチカチカと変動し始め、そのうちまた落ち着いたり激しく乱れたりを繰り返す。二つの値をどう与えるかで系の動きがどう変わるかをまとめた文章がネットで読めるが、地球の気候変動となんだか似ているのではないかというのは本書のオリジナルの見解のようだ。そして過去の研究データから、氷河期が終わるときは、まるで梅雨が開けたかのようにその年から、地球が暖かく、安定した気候になるらしいという結果をなるほどそうなのかもと思わせてくれる。ちょっと怖くなるような話だ。
地球温暖化についてはいろいろなことを言う人がいるが、人類として気になるのはたかだか数百年、ところが数万年単位でみると、我々が今の社会を維持できるかなんてちょっと絶望的になりそうな変動が茶飯事なのだという視点が得られるのも貴重である。とにかくいろいろな意味で勉強になるのである。
実は水月湖が自宅から1-2時間でいける場所で、あまりに感心したので見に行ってきた。あいにく雨と霧で湖の景観はさっぱりだったが、ちょうど近くの博物館で、年縞の標本の展示がはじまったところで、本物を見ることが出来た。ボーリングしたサンプルを樹脂でかためてガラスにはさんだものが、45mどどーんと横にならべられて、年代などの表示をつけて展示されている。これをイギリスの院生君が3万341年、3万342年、3万343年、ふぅ...なんていいながらかどうか知らないが数えたのかと思うとあきれるやら尊敬するやらなんともすごかったのである。
紙の本
気候変動のメカニズムを明らかにして、人類と気候の関係を捉え直した画期的な書です。
2020/01/27 09:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、難しい専門知識が楽しく学べると人気の「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は「人類と気候の歴史」について書かれた非常に興味深い書です。同書によれば、福井県にある三方五湖の一つである水月湖に堆積する「年縞」から、人類はこれまでに、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」を生き抜いてきたことが明らかになったと述べられています。果たして、どのような「激変する気候」を経験してきたのでしょうか。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムを明らかにして、人類史のスケールで現代の気候をとらえ直した画期的な一冊です!
紙の本
中身も構成も良い
2022/07/01 09:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
データに基づかない、あるいは恣意的にピックアップされたデータに基づいた地球温暖化の議論にずっと疑問をいだいていたが、本書によって疑問の一端が解けた気がした。導入部の議論から、二重振り子やカラーボールに例を取った気候変動の話、メインテーマの水月湖の年縞の話、植生の話と 本としての組み立て構成も見事である。(中身は面白いのに構成で失敗しているブルーバックスもあるが)猛暑の夏を迎えた今、この本を読むと実感として気候変動を感ずる。
電子書籍
地質学的な意味でここ最近の気候変動
2021/01/28 12:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
福井県の水月湖の底に積もった年縞が何年前にどんな気候変動が起こったのか(地層に含まれる花粉から植生を推定するなど)や誤差の大きかったC14炭素年代法の補正などに使われるすごいところだということがわかった。
最後の氷期が終わってから地質学的な意味でここ最近の気候は例外的に安定していてかつては今の地球温暖化で予測されている変動よりももっと大きな気候変動が数年レベルで何度も何度も発生していたことに驚いた。
紙の本
我々みんなすごい存在。
2018/01/04 15:52
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
哺乳類から猿人・人類にどんな気候変化や大地動乱を生き残った我々子孫。どんあことがあっても自殺や他殺・戦争をしてはいけない。我々は太陽系が滅びる200?億年後まで子孫は生き続けなければならない。
紙の本
過去の気候は湖底からわかる
2017/03/11 13:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
15万年前からの地球の気候の変化について概説した著作。過去の気象を調べるために、福井県の水月湖の湖底の地質が活用されている。この湖底の地質を採取すると1年間毎に明瞭な縞模様(年縞というらしい)が形成されている。なぜ、水月湖では、年縞が形成されているのか、年縞からなぜ過去の気温が推定できるのか。この謎解きは本書を読んでのお楽しみ。地球の気温の変化は、地球の公転軌道の形や自転軸の傾きが影響するなど湖底の地質から宇宙まで話題満載の内容。地球温暖化の原因として、産業革命以降の二酸化炭素排出量の増加が、しばしば話題となっているが、温暖化効果ガス(二酸化炭素、メタン等)の排出量は人類が農業を始めたとされている8000年前から増大傾向にあることも目から鱗。科学的好奇心を満たす読む価値十分な一冊である。
電子書籍
過去の気候変動解明の物語
2018/01/09 00:01
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名に惹かれて電子書籍で購読。
福井県水月湖の湖底調査から過去15万年の気候変動を明らかにした著者が、調査の苦労話を交えながら、解明された気候変動、それが起こる原因、今後の見通し等について平易な語り口で解説している。
気候変動のメカニズムは極めて複雑であること
地球の公転軌道が楕円と真円を行き来することで氷河期と温暖期が訪れること
氷河期はただ気温が低かっただけでなく、大規模な気候変動が起きていたこと
直近の1万年強は温暖で安定した時期であること、
本来であれば、氷河期に向かっている時期だが、人間活動(と思われる)によって温暖期が継続していること、等が示される。
この本に書いてあることを知ったからと言って、じゃあ何ができるのか、というと難しいが、天文と気候の関係について考えたこともなかった身としては、少し世界が広がった気がした。
お薦め。