紙の本
面白さもさることながら、小説の作り方の裏側を見せてくれてるような作品でした。
2016/12/13 10:36
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白さもさることながら、小説の作り方の裏側を見せてくれてるような作品でした。本作品中の主人公はチェスの世界チャンピオンであるアンディ・ウォーカー(1967年3月9日~)(P-99)であるが、このモデルは実在の世界チャンピオンであるボビー・フィッシャー(Bobby Fischer、1943年3月9日~2008年1月17日)であることは明白である(文末<注-1>参照)。その生年を24年遅らせることで、現代に当てはめて見せているのである。多分、アンディ・ウォーカーに連れ添う中国人美女・宗蓮花のモデルは日本チェス協会事務局長の渡井美代子であり、作品中の男性・日本チェス協会事務局長はその分身であろう。更に、元SPの女性主役・安奈がSPを辞める切っ掛けとなった入江康憲(P-127)のモデルが堀江貴文(1972年10月29日~、愛称:ホリエモン)(文末<注-2>参照)であることも明白。ただ、ホリエモンがボロクソに書かれ、あっさりと政治絡みで抹殺されてしまうのは少々可愛そうでした。さて、実在の世界チャンピオンであるボビー・フィッシャー(1943年3月9日~2008年1月17日)に関しては、2015-289:『完全なるチェックメイト(Pawn Sacrifice)』(c2015:アメリカ/115分、監督:エドワード・ズウィック、出演:トビー・マグワイア)でも描かれていたが、映画ではチェスのルールが良く判らなかったためその凄さが伝わってこなかったのだが、本作品ではその辺も事件の進展に合わせてアンディ・ウォーカーの生い立ちを描く形で描かれていて解り易かったのも良かったです。著者の凄さはこれだけに止まらず、推理小説としての面白さを加えるため、“チェスの天才児”=アンディ・ウォーカーに対して、2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマン(P-336)を登場させたことである。アンディ・ウォーカーが置かれた複雑な立場の隙間をぬって謂れのない復讐を図ったアンドレア・ノーマンが黒幕として設定されているのである。これによって、アンディ・ウォーカーを取り巻く状況からするなら世界的大事件のように見える反面、実行犯達の貧弱さの説明も巧くつく設定となっており、更に題名の『キング&クイーン』、キング=“チェスの天才児”=アンディ・ウォーカー、クイーン=2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマンの意味もピッタリと嵌ってくるのである。巧いですね。なお、2歳下の少女“チェスの神童”=アンドレア・ノーマンは多分架空の人物であろうと推測される。
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叙述トリックがなんかラノベっぽい。
まんまと嵌ってしまった自分が言うのもなんだけど、、、
ラストがあっけなさすぎ。
こんなにページ数使う必要を感じない、短編でいいと思う。
シリーズ化するんですかね?
主人公の、クールだけど、頼られると断れないキャラは好きなんで、文庫でなおかつ短編だったら、また読みたいかも。
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読了。一気に読んでしまった。元SPでやめてバーの用心棒をしてる主人公のところにチェスの世界チャンピオンを守ってほしいと依頼がきて、といかにも面白そうな内容。しかも『ジョーカーゲーム』の柳広司だから間違いないでしょうと。
現在と過去のシーンと交互になってる感じで面白かった。ただ最後のオチというか真相というかがちょっと期待しすぎたのもあってもう少し深くつっこんでほしかったかなと、意外とあっさり終わっちゃったなって感じ。でも十分楽しめた。
てか首藤主任、完全に『ジョーカーゲーム』の結城中佐だろこれwwwwこういうキャラ大好き。
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著者の作品は初めて読んだ。チェスの世界的なプレーヤーを元SPが守るという内容。帯の2度読み必至に惹かれて読んだが、確かに最終場面でおっと思わせる場面があった。なるほどとは思ったがネタバレした以上、暫くは2度目はないかなという印象。可もなく不可もなく。
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元SPの主人公、冬木安奈。そこに舞い込んだ警護依頼は、不世出の天才チェスプレイヤー、アンディ・ウォーカーを護ることだった。
とまぁ、謎だらけの序盤に惹きつけられ、あっという間に読了。
アンディとその相棒?の蓮花を連れての逃避行の合間には、安奈、そしてアンディの過去がたっぷりとページを割いて語られるわけだが、なんせメインのストーリーが進まない。敵の襲撃こそちょいちょいあるものの、とにかく話が進まない。そして何も起こらない...。
思えばこのときに気づいてしかるべきだった。メインはあっちじゃなくこっちだ、と。
どんでん返しというほどのものではなく、よくあるタイプの真相で、そのままラストまでサクサク読み進めてハイおしまい、と相成りました。
キャラ立ちが良くスイスイ読めたので、読後感は悪くなかったが、物足りなさが残る一冊であった。
65点(100点満点)。
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二度読み必至!!な帯になるほど~!
チェスの世界王者を狙う何者かから、彼を守る元SPの話。
チェスには全然詳しくないけれど、近頃観た映画の何本かに、いい小道具として頻繁に登場していたりするので、買ってみた。
チェス、全然分からなくても面白かった。局面が文章で見事に表現されている場面に思わず息をのんだり。
衝撃のドンデン返し、かどうかといえば。疑わしい・・・ヒントは十分に隠されているので。でも、読み終わったとき、あぁ!そうか!そうだった!って読み返すのは認めます。
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二度読み必至!!新たなる「ゲーム」、ここに始まる。
<ゲームを始める際の心得>
一、相手の手を、注意深く読め。
一、相手の心を、注意深く読め。
一、考えろ。無限の可能性を疑え。
柳広司さんの作品を読むのはジョーカー・ゲーム2作に続き3作目だが―
率直な感想としては「うーんイマイチ」の感がある。
ジョーカー・ゲームが短編集として出色なだけにどうしてもそれらと比べてしまい、
長編には向いていないと思った。
チェスそれ自体についての薀蓄が多すぎるのと、主人公のSPの仕事に魅力が持てなかったのかも。
チェスをモチーフにした作品では、
「盤上の敵/北村薫」「『アリス・ミラー城』殺人事件/北山猛邦」の2作品の方が楽しめたかな。
もちろんテーマ自体が違うのですけれども。
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成り行きで元SPがチェスの世界チャンピオンを守る事に。誰が何の為に。敵が見えない中、昔の上司とも敵対する。守るきる事が出来るのか?
オチに近づくにつれ、話がどんどんスケールダウンして行く。チェスの話などは面白いけど、ストーリー的には今ひとつ。文章構成的にトリックはあったけど唐突すぎて不自然だった。
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前半は登場人物に全く共感できなくてどうしようかと思った。
でもだんだんと芯のある強い登場人物たちに惹かれていった。
まぁそれでもそんなに面白い方でも無いかと思っていたら、ラストで綺麗さっぱりひっくり返された。強烈などんでん返し。
あまりに綺麗にひっかけられて、くやしい。
次回作が出たらぜひ読みたいと思った。今度は見破りたいな。無理かな。
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この人の本はいつも面白いと思うため、今回も期待して読んだのだが、期待しすぎた感はあるかも。
帯に二度読み必至と書いてあったが、そこまで意外性のあるものとは思えない。よくあるオチ。
読みやすく、引き込まれる内容ではあったが、ジョーカーゲームの方が面白かったなー
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チェスのルールはよくわかんない。
コマの動かし方以外にも、なんか入れ替わりがどうたらとか、ルールがあるから、いまいち取っ付けないというか。
コマはかっこいいと思うのですけど。
キング、クイーン、ビショップ、ナイト、ポーン、はわかる。
人間であり、その階級だったりするから。
ルークって何だよ、と。
なんで、塔もしくは城が動くんだ?
と思って調べてみたら、もともとは戦車のことだったとか。
ああなるほど。動く要塞ってことなのか。
物語は、チェスを知らなくても充分に楽しめます。
個人的には、SPの話の、某「時代の寵児」を守る件が、けっこう好き。その結末も含めて。
SPの上司たちが異常にかっこよいので、続編を期待してしまう。
シティーハンターチックな、実写ドラマで展開しましょうよ、これ。
一気読みできる面白さです。
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主人公はいいんだけど、オチがかなりイマイチ。
ジョーカーゲームはかなりおもしろかったんだけどなー。
がっかりなり。
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「二度読み必至!!衝撃のドンデン返し!」帯の文句が期待を煽り過ぎたような感じがしました。盛り上がりが低かったような気がします。これからどうなるんだろうというドキドキ感はなかったです、ジョーカーゲームは面白かったんですが、(._.)冬木さんの有能っぷりはかっこよかったです!ダズンの人たちも憎めない感じでしたし、冬木さんのSP時代の話しも良かったです
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「2度読み必須」の謳い文句に惹かれ購入。
作者は、2009年、『ジョーカー・ゲーム』で第30回吉川英治文学新人賞・第62回日本推理作家協会賞受賞者の柳 広司氏。
本作の主人公は元女性SPの安奈。
元チェス世界王者の警護依頼を引き受け事件の真相を明らかにしていく。
過去、現在と時間軸を往来し話が進展していくも、文章は全体的に読みやすく、イメージしやすい内容。
終章でこれまでのストーリーが第3者の過去を物語っていた事が明らかになるもそれほどの衝撃は受けない。
著者の書物は本作が初めてであり、評価は★★★と致す。
次回、『ジョーカー・ゲーム』を購読してみたいと思う。
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二度読み必至‥ではなかったです。SPなので強すぎて、こける所がなくて話が盛り上がりに欠けます。最後の種明かしでもあまり捻られておらず、うまく事が進む話だなと思わされるばかりでした。これを読んで、他の作品を読もうとは思えませんでした。