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紙の本
享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」 (講談社選書メチエ)
著者 峰岸純夫 (著)
享徳3年、鎌倉公方・足利成氏が関東管領の上杉憲忠を誅殺した事件を発端として内乱が発生。やがて京へと飛び火して「応仁・文明の乱」を誘発した…。関東で起こった「享徳の乱」が戦...
享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」 (講談社選書メチエ)
享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」
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商品説明
享徳3年、鎌倉公方・足利成氏が関東管領の上杉憲忠を誅殺した事件を発端として内乱が発生。やがて京へと飛び火して「応仁・文明の乱」を誘発した…。関東で起こった「享徳の乱」が戦国時代の幕開けであることを論じる。【「TRC MARC」の商品解説】
戦国時代は「応仁・文明の乱」より13年早く、関東から始まった――。 享徳3年(1454)、古河公方と上杉氏の対立に始まる仁義なき抗争。以降30年近くにわたる戦乱を著者は、「享徳の乱」と称すべきと学界に提唱した。本書はこの用語をメインタイトルとし、「戦国時代の開始=応仁の乱」という根強い「国民的常識」を正さんとする著者年来の宿願である。
日本列島での戦国時代の開幕は、一般的には応仁元年(1467)に始まる「応仁・文明の乱」が画期とされることが多い。この戦乱で京は焼け野原となり、下剋上があたりまえの新しい時代が訪れたというわけである。
最近でも、呉座勇一氏のベストセラー『応仁の乱』(中公新書)のサブタイトルは「戦国時代を生んだ大乱」となっている。新書などのタイトルは概して出版社や編集者の意向をうけて決まることが多いから、やはりこれは最大公約数的な見かたといっていいのだろう。
さて、のっけから恐縮だが、その見かたは、まちがっているとまでは言わないまでも大きな問題がある。
私の説は思いきって簡単にいうとこうなる。
◎戦国時代は応仁の乱より13年早く、関東から始まった
◎応仁の乱は「関東の大乱」が波及して起きたものである
「関東の大乱」というのは享徳3年(1454)12月、鎌倉(古河)公方の足利成氏が補佐役である関東管領の上杉憲忠を自邸に招いて誅殺した事件を発端として内乱が発生し、以後30年近くにわたって東国が混乱をきわめた事態を指す。
この内乱は、単に関東における古河公方と上杉方の対立ではなく、その本質は上杉氏を支える京の幕府=足利義政政権が古河公方打倒に乗り出した「東西戦争」である。しかし、これほどの大乱なのに1960年代初頭までまともな名称が与えられておらず、「15世紀後半の関東の内乱」などと呼ばれていた。
(中略)
関東で起こったこの戦乱は、戦国時代の開幕として位置づけるべきではないか、そのためには新しい名称・用語が必要ではないか。こう考えた私は「享徳の乱」と称すべきことを提唱した。1963(昭和38)年のことである。この歴史用語は、その後しだいに学界で認められて、今日では高校の歴史教科書にも採用されるようになっている。
しかし、いまだに「戦国時代の開始=応仁・文明の乱」という「国民的常識」は、根強く残っている。それを正すためにも、「享徳の乱」をメインタイトルとした書を世に問いたかったのである。本書は私の年来の宿願である。
(「はじめに」および「あとがき」より抜粋要約)【商品解説】
目次
- はじめに 教科書に載ってはいるけれど……
- 第一章 管領誅殺
- 1「兄」の国、「弟」の国
- 2 永享の乱と鎌倉府の再興
- 3 享徳三年十二月二十七日
- 第二章 利根川を境に
- 1 幕府、成氏討滅を決定
- 2 五十子の陣と堀越公方
- 3 将軍足利義政の戦い
- 第三章 応仁・文明の乱と関東
著者紹介
峰岸純夫
- 略歴
- 〈峰岸純夫〉1932年群馬県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。文学博士。専攻は日本中世史。中央大学文学部教授等を歴任。著書に「中世災害・戦乱の社会史」など。
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長期抗争
2017/10/22 17:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
内乱によって足利氏と上杉氏による関東を二分する長期抗争となり、その実態は京都と関東の二大権力による抗争であることが分かる。今までの常識について楔を打つ本である。
紙の本
入門書に最適
2017/10/20 14:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:匿名 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校教科書にも載るが、知名度が低く取っ付きづらい享徳の乱。それを中世史の大家が分かりやすく紹介したのが本書である。
文字の大きさや年表なども読みやすく考慮されており、入門書に最適。比較的初学者向けの内容なので、物足りなさを感じた方は参考文献へと進んでいくといいだろう。
前書きなどで度々触れられる『応仁の乱-戦国時代を生んだ大乱』と併せて読むのも良い。ちなみに、本書では乱の流れを紹介しながら特定の人物に注目するという『応仁の乱-戦国時代を生んだ大乱』と同様の手段が取られている。
マイナーな大乱への入門が、命名者自らの筆で誠実で手軽な一冊になったことを感謝したい。
紙の本
足利幕府・関東管領と鎌倉(古河)公方との争いの歴史
2024/04/08 12:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:パミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国時代の始まりは、一般的には応仁元年(1467年)に始まる「応仁・文明の乱」が画期とされることが多い。しかしながら著者は、「戦国時代は応仁・文明の乱より13年早く関東から始まった。」、「応仁・文明の乱は関東の大乱が波及して起きたものである。」と言う。その自説の根拠を詳しく説明しているのが本書である。日本史の授業では室町時代の関東の内乱については全くと言っていいほど学習する機会がない。本書を読むと室町時代は鎌倉(古河)公方対足利幕府・関東管領との争いの歴史であったことがよくわかる。北山文化・東山文化とは又違った室町時代が見えてくる。
紙の本
全く知らなかった享徳の乱
2020/03/04 10:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
応仁の乱と時を同じくして、鎌倉公方と関東管領が対立。関東を二分する大乱が繰り広げられた。それが享徳の乱。さて、その実態はいかに??
私の高校時代にはまったく習わなかったこの享徳の乱、当時の関東の事情も含めて、発生した背景も分かりやすく書いてくれている。鎌倉公方と関東管領という支配層だけでなく、新田岩松氏という国人衆も取り上げて当時の関東事情も合わせて説明している。
享徳の乱自体は出てくる人物像がよく見えないことや、乱が終わっても既存の価値は大きく変わらなかったことから、何というか、地味。しかし、鎌倉公方がこののち関東の一部の実効支配を果たし、戦国大名の奔りとなったことが本書でよくわかった。研究が進めば、もっと魅力ある分野になるかもしれない。
紙の本
前半部分までは最高、後半は副読本がほしい
2017/10/14 19:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでなかなか無かった、関東室町時代の本。
大変分かりやすくまとめられており、また、文中の用語なども、要所要所に丁寧な解説が入る。
全く知られていない室町時代部分から、一般的に知られている戦国時代へと、どう繋がるのかまでをカバーしており、入門書としてとても良い。
気になるのは、中盤、都鄙和睦以降の内容が、近年発売されている他社の同時代の本と比べると、どうしても情報量が少なく、少し枯れた内容に思えてしまう。入門書ゆえの制約かもしれない。
この本を読んで興味の出た方は、副読本に戎光祥出版の中世武士選書の『長尾景仲』『上杉顕定』『上杉憲政』が良い気がする。