紙の本
存在は確かでも、未だに実態がつかめないブラックホールについて分かりやすく解説した科学入門書です!
2020/02/20 09:13
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、その存在が証明されてから長い年月が経つにも関わらず、まだまだ謎に満ち、その実態が明らかにされていないブラックホールについて分かりやすく解説された科学書です。もともとブラックホールの存在は、アインシュタインの一般相対性理論によって、その存在が予言されたと言われています。しかしながら、その実態は未だに仮説の域を出ません。そこで同書はそこで、超巨大ブラックホール、光り輝くガス円盤、噴出するジェットのすさまじいパワー、ホーキング放射による蒸発などを実験的に研究してこられた著者である大須賀氏が自身のシュミレーションや最新の知見から分かったことを中心にブラックホールについて解説していきます。
紙の本
☆ブラックホール☆
2024/05/18 13:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブラックホールの入門書
アインシュタインの一般相対性理論が予言したおそるべき暗黒天体ブラックホールは、激しい論争の末にその実在が明らかになり、いまもなお人類に多くの難問を突きつけている。
超巨大ブラックホールの形成、光り輝くガス円盤、噴出するジェットのすさまじいパワー、ホーキング放射による蒸発等を誰にでもわかるように解き明かしていく。
ブラックホールは、単に光をも吸い込むだけでなく、ガスをジェット噴射したりもするとは知らなかった。
まずざっくりと……次に詳しく
大須賀流の解説とシミュレーションでブラックホールが頭の中にできあがる!
--------------------------------------------------------
~収録内容~
第1章 ニュートン力学のブラックホール
第2章 一般相対論のブラックホール
第3章 大論争! ブラックホールは実在するか?
第4章 超巨大ブラックホールの発見
第5章 超巨大ブラックホールの謎
第6章 ガス円盤1 3種のガス円盤
第7章 ガス円盤2 磁場の役割
第8章 ブラックホール・ジェット
第9章 ホーキング放射とブラックホールの蒸発
第10章 ブラックホールを見る
電子書籍
☆ブラックホール☆
2024/05/18 13:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブラックホールの入門書
アインシュタインの一般相対性理論が予言したおそるべき暗黒天体ブラックホールは、激しい論争の末にその実在が明らかになり、いまもなお人類に多くの難問を突きつけている。
超巨大ブラックホールの形成、光り輝くガス円盤、噴出するジェットのすさまじいパワー、ホーキング放射による蒸発等を誰にでもわかるように解き明かしていく。
ブラックホールは、単に光をも吸い込むだけでなく、ガスをジェット噴射したりもするとは知らなかった。
まずざっくりと……次に詳しく
大須賀流の解説とシミュレーションでブラックホールが頭の中にできあがる!
--------------------------------------------------------
~収録内容~
第1章 ニュートン力学のブラックホール
第2章 一般相対論のブラックホール
第3章 大論争! ブラックホールは実在するか?
第4章 超巨大ブラックホールの発見
第5章 超巨大ブラックホールの謎
第6章 ガス円盤1 3種のガス円盤
第7章 ガス円盤2 磁場の役割
第8章 ブラックホール・ジェット
第9章 ホーキング放射とブラックホールの蒸発
第10章 ブラックホールを見る
紙の本
ワクワクがとまらない
2017/01/29 20:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:お腹がすいた - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブラックホールの性質がわかりやすく書かれている。
ブラックホールの謎が解明される日が来ることが待ち遠しい。
投稿元:
レビューを見る
平易に書かれているのだが、それでも話題が話題だけに、文系人間である私には難解な部分もあり、最後の2章は流し読みになってしまった。
それでも、相対性理論などの物理学のちょっとだけでもかじることができてなかなか楽しいものだった。
NHKBSPで放送しているコズミックフロントの内容ともシンクロして大変興味深い内容だった。
この分野の本は、どうせ理解できないのに、また、読んじゃうんだろうなあ。。
投稿元:
レビューを見る
かなり難しい物理現象を分かりやく書いている.凄い! 自分の専門分野がこのように書けるかなと,少し嫉妬を感じた程だ.
投稿元:
レビューを見る
ブラックホール関連本を何冊か読んだが全くわからない。それでもまた買った。
12/14 読了。今まで読んできた何冊ものブラックホール本は何だったんだ! 素人が知りたい「無限に収縮した天体はどうなるのか? シュバルツシルト半径の内側はどうなっているのか?」の問いには第1章で「その答えはまだわかっていません。観測することも不可能です。」とすごく納得できる答えが書かれている。第2章から第9章の解説はすばらしいの一語に尽きる。そして第10章の最後で「ブラックホールが存在する証拠さえ、いまだに得られていない。」とくる。それまでの解説から納得してしまう。現在、ブラックホール研究の最前線にいることで書けた本だと思う。忙しいなかをありがとうと言いたい。
投稿元:
レビューを見る
丸ごとブラックホールの本。理論の黎明期から最新事情まで,重要な物理を省かずに分かりやすく解説。厳密さは犠牲にしてるそうだけど,まったく問題ないっす。最適の入門本だと思う。
ブラックホールといえば一般相対論と思うけど,実はニュートン力学からブラックホールみたいなものを考えてた人たちもいたらしい。天体の重力圏から抜けるための脱出速度というのがあって,地球の場合は約11km/s。重力が強いほど脱出速度も速い。だから重力を強くすると光でも脱出できない事態が想定できる。例えば,地球の質量を変えずに,直径9mmまで縮めると,地表における脱出速度は光速を超えて,地球がブラックホールになる。太陽なら直径3キロメートル。この値は偶然にも相対論から予測されるシュバルツシルト半径に一致。
ブラックホールの中と外を分ける境界(事象の地平面)は球になっていて(回転してないとき),その半径がシュバルツシルト半径。巨大な重力のため,それより内側から発した光は決して外へ進めない。シュバルツシルトとは,難解な一般相対論の厳密解を初めて導いた物理学者。彼は一次大戦で戦病死する。
シュバルツシルト解はブラックホールを予言していた。星の重力が強くなると,際限なく収縮して光さえ出られないブラックホールができる。ただ,これはアインシュタインも単なる数学的帰結と考えたぐらいで,ブラックホールが実際に可能であるのか,懐疑的な声が多かった。
恒星が安定していられるのは,ガスの重力が,核融合によって生じる圧力とつりあっているから。核融合が進んで,燃料が足りなくなると,圧力が不足して恒星は収縮を始める。収縮によって半径が1万kmくらいになると,電子の縮退圧という新たな力が働いて,重力収縮が止まる。これが白色矮星。
白色矮星には上限質量がある,と論じたのがチャンドラセカール。恒星の質量が大きいと,重力を電子の縮退圧が支えきれずに崩壊してしまうというのだ。しかしこれは当時の大学者エディントンに,ブラックホールみたいな奇妙な天体ができるはずがないと反論されてしまう。大した根拠もなしに。
そのうち中性子が発見され,新たな天体中性子星が提案される。中性子星とはほとんど中性子でできた巨大な原子核みたいな星で,ものすごい高密度。この星を支えているのは中性子の縮退圧。重い星の最後はブラックホールでなく中性子星かもしれない。
しかし,中性子星にも質量の上限があることがわかってくる。太陽質量の3倍程度。それより重い恒星は,核融合の燃料が尽きた後に,重力を支える力が足りなくなって,無限に潰れてしまう。これはブラックホールになるしかない。そしてX線天文学の進展により,その実在が示唆される。
はくちょう座X-1というX線源は,ブラックホール連星と考えられている。ブラックホール自体は見えないが,周囲のガスが吸い込まれる時にX線を出し,宇宙で最も明るい天体の一つとなっている。
この発見より前から,クエーサーという天体が観測されていた。そのスペクトルを調べると,かなり大きな赤方偏移を示している。これは���エーサーが地球から超高速で遠ざかっていることを意味していて,ハッブルの法則を考えると,なんと何十億光年も遠くにあることになる。
そんなに遠くにあるのに,明るく見えるということは,ものすごく厖大なエネルギーを出しているということ。これが可能なのは,巨大なブラックホールとその周囲のガス円盤,という組合せ以外には考えられない。
現在は,すべての銀河の中心には超巨大ブラックホールがあることが分かってきた。ブラックホールへ落ちるガスの解放するエネルギーが核エネルギーよりでかいとは恐れ入った。重力,あなどれないな。
超巨大ブラックホールは,太陽質量の数百万倍以上の質量をもつ。我々銀河系の中心にも,太陽の400万倍の質量のブラックホールがあるとされている(いて座A*)。太陽の何十億倍の質量のものもあって,それが百億光年も遠くのクエーサーとして観測されている。
クエーサーには130億光年遠くにあるものもあって,それは宇宙誕生から7億年でできたものということになる。この短期間に,超巨大ブラックホールができる仕組みについては,いまだ良く分かっていない。ブラックホールは巨大な重力でガスなどを吸い込むが,その速さには制約があるから。
ブラックホールにガスが吸い込まれる時,重力エネルギーが光エネルギーに変換されて,ブラックホールは明るく輝き,その光の圧力が吸い込みを抑制してしまう。その結果,単位時間あたりに吸い込まれるガスの量には上限ができる。これをエディントン限界という。
ただ,エディントン限界を超えるようなガスの吸い込みも,場合によっては可能。ブラックホールの周りにガスの円盤ができ,その上下方向へ光が放出される,円盤吸い込みなら光の圧力に吸い込みが邪魔されないから,可能かもしれない。これはブラックホール急速成長の有力なメカニズムらしい。
ブラックホールのガス円盤には,3つのタイプがある。ガス密度が中くらいで,質量降着率が中程度の場合は,薄い標準円盤が形成される。質量降着率が小さいと,ライアフと呼ばれる変換効率の悪い円盤。質量降着率がエディントン限界を超えると,スリム円盤(超臨界円盤)ができる。スリム円盤は,最も明るく輝く円盤で,これが超巨大ブラックホールの形成に重要な役割を果たすと考えられている。
ちなみに,ブラックホールというと何でも簡単に吸い込んでしまうイメージがあるが,意外と吸い込みは難しい。重力だけでは,遠心力の作用で吸い込みができず,磁場の助けを借りて吸い込んでる。例えば太陽が同じ質量のブラックホールだったとしても,地球の軌道はいささかもかわらず,そのブラックホールの周りをずっと回り続ける。落ちて行ってしまうことはない。ブラックホールがガスを吸い込むのには,ガス円盤の中を通る磁力線が,不安定に引き延ばされたりすることが関与している。
ブラックホールのガス円盤は,極の方向に光だけでなく細く絞られたガスのジェットも噴射している。ジェットの生成メカニズムは充分解明されていないが,磁場の効果で加速し絞る磁気圧駆動ジェットと,光の力で加速し磁場の効果で絞るというハイブリッドジェットが提案されている。
ブラックホールを蒸発させるホーキング放射についても一章が割かれている。ブラックホールの質量に対して,蒸発するまでの時間も見積もられていて,恒星質量より重いブラックホールは現実的な時間で消えて無くならないが,ミニブラックホールの蒸発は実際に起きている可能性もあるそう。
ブラックホールそのものは,まだ観測されていないが,その試みも詳しく紹介。ブラックホールは周囲のガス円盤に黒い影を落として見えるはず。ただ,その影の視直径が最大となるはずの銀河系中心ブラックホールでも,45μ秒角しかない。対してハッブル宇宙望遠鏡の空間分解能は0.05秒。なんと3桁も違う。空間分解能をもっと高めるには,望遠鏡を大きくしないといけない。実際には,広い範囲に電波望遠鏡を分散配置して,それらを組み合わせて一つの巨大な望遠鏡と同じ分解能を達成する。地上だけでなく,宇宙空間に飛ばした電波望遠鏡も使う計画もある。
重力波によるブラックホールの観測も模索されている。重力波を捉えるのは,ものすごい感度が必要で,とても難しいらしい。ただ重力波は電磁波のようにガス等に遮蔽されない利点もある。重力波にしろ電波望遠鏡にしろ,実際にブラックホールの観測に成功したら,大ニュースになるんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
ほんとにわくわくするような一冊(個人的に)
いっぱい書きたいことあるけど、まとまらないので
再読してから書きます!w
投稿元:
レビューを見る
まさしくゼロからわかるブラックホール、
著者も繰り返し書いているように、
厳密さは多少犠牲にしてでも噛み砕かれて書かれています。
プラネタリウム・博物館に勤めている人間としては、
その方針は非常に重要になってきます。
ですが、自分が自信を持って噛み砕けているかは常に不安があります。
厳密さを犠牲にするのと間違ったことを伝えるのとは違うからです。
研究者が自身の専門を噛み砕いているという意味でも、
この本は参考になりました。
大事なことは繰り返し出てきますし、
この章に戻れば説明があります、といったガイドもあり、
ここはスルーしても大丈夫ですというように、
しっかち理解するよりは大略を掴むことに重点を置いた本で、
まさに初心者にオススメです。
著者は一般向けの本を書くのはこれが初めてだそうです。
「若い研究者はバリバリ研究だけをすべきで、
本の執筆をはじめとする普及活動は熟練の研究者がするべき」
という彼の考えには賛同できませんが、
そういう彼の文章は分かりやすいと思います。
今年は夏に天の川銀河中心のブラックホールでのイベントもあり、
いつもよりブラックホールへの関心が高まると思います。
ぜひ、次回作を書いていただきたいですね。
ブルーバックスだから仕方ないのでしょうが、
せっかくの図版がモノクロなのはちょっと残念ですね。
投稿元:
レビューを見る
コンピュータシミュレーションの専門家の手になる最先端のブラックホール研究の紹介。理論、観測技術、シミュレーションなどの学際的な取組が新たな事実を明らかにしている。しかし、クェーサーが巨大ブラックホールの可能性があるとは!
投稿元:
レビューを見る
ニュートン力学のブラックホール
一般相対論のブラックホール
大論争!ブラックホールは実在するか?
超巨大ブラックホールの発見
超巨大ブラックホールの謎
ガス円盤1 3種のガス円盤
ガス円盤2 磁場の役割
ブラックホール・ジェット
ホーキング放射とブラックホールの蒸発
ブラックホールを見る
著者:大須賀健(1973-、秋田県)
投稿元:
レビューを見る
ブラックホールって物理学的には特異点だが、大きさも質量も有限ということは数学的には特異点という訳ではないということを改めて認識。放射が殆どないという点で宇宙一冷たい物質というところも納得。その正体が解明される日はいつか、世界にどういう影響を与えるのか。
投稿元:
レビューを見る
ガス円盤やジェットという現象、ブラックホールの蒸発など知らなかった事が盛りだくさんでした。大変面白かったです。観測もうまくいくと素敵ですね。・・・うまくいかなくても面白いのかもしれませんが。
投稿元:
レビューを見る
ホーキング宇宙を語るに根をあげて、こちらを読んだ。ずいぶんわかりやすい。まだまだ研究段階のブラックホール、とても興味深い。
C0244
蔵書