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商品説明
老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」敦子の頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。だが、少女には秘めた決意があった。逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。【「BOOK」データベースの商品解説】
自分が“普通”で退屈なことを嘆く中学2年の逸夫と、両親が離婚し級友からいじめを受け“普通”を欲する敦子。あるきっかけで言葉を交わすようになったふたりだが、敦子には秘めた決意があって…。『小説現代』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
道尾 秀介
- 略歴
- 〈道尾秀介〉1975年生まれ。「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。「龍神の雨」で大藪春彦賞、「光媒の花」で山本周五郎賞、「月と蟹」で直木賞を受賞。
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著者/著名人のレビュー
人の悩みはそれぞれに...
ジュンク堂
人の悩みはそれぞれにあり、
またそれを解決する術も人それぞれにあるということを教えてくれる作品です。
紙の本
ダムの底に消えたもの
2011/11/14 16:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方の温泉旅館の長男・逸男は「普通」であることに
日々、倦む中学2年。
実家では祖母が隠居し、母親が女将、父親が事務長として
ふんばるも、経営は右肩下がり。
祖母いくは、逸男とは年の離れた弟の世話と
蓑虫を飼うことで毎日が回っています。
逸男と同級生の敦子は、転校してきた小学生の頃から
いじめを受け、中学でもそれは続いています。
そんな敦子から逸男は、小学生の時に埋めたタイムカプセルの
手紙を取り換えたいと相談を受けます。
その手紙には、いじめが克明に記され、
20年後に開けた時に、もういない自分に対して
その人たちが後悔するように書かれているという。
いじめが最近なくなったから、それを取り換えたいという。
逸男、敦子、いくのそれぞれが抱える深く重い屈託や
後悔や問題が、閉塞感に煮詰まった温泉町を舞台に
過去と現在を往復しながら描かれます。
母子家庭の敦子の母親はスナック勤めをしながら
そのオーナーと深い関係にあり、子どもを顧みません。
敦子の妹は3歳で、口が遅い。
お嬢様育ちと80歳過ぎまで家族にも従業員にも
話していたいくの過去は、全然別らしい。
道尾秀介の小説は、終盤驚かされるのですが
この話はいい意味でのサプライズ。
ホッとすると同時に、しみじみと人生をかみしめる感じ。
誰もが屈託や問題を何度も捨て、振り切り、
あるいは乗り切り、生きています。