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紙の本
なまづま (角川ホラー文庫)
著者 堀井 拓馬 (著)
激臭を放つ粘液に覆われた醜悪な生物ヌメリヒトモドキ。日本中に蔓延するその生物を研究している私は、それが人間の記憶や感情を習得する能力を持つことを知る。他人とうまく関われな...
なまづま (角川ホラー文庫)
なまづま
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商品説明
激臭を放つ粘液に覆われた醜悪な生物ヌメリヒトモドキ。日本中に蔓延するその生物を研究している私は、それが人間の記憶や感情を習得する能力を持つことを知る。他人とうまく関われない私にとって、世界とつながる唯一の窓口は死んだ妻だった。私は最愛の妻を蘇らせるため、ヌメリヒトモドキの密かな飼育に熱中していく。悲劇的な結末に向かって…。選考委員絶賛、若き鬼才の誕生!第18回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【日本ホラー小説大賞長編賞(第18回)】【「TRC MARC」の商品解説】
醜悪で激臭を放つ生き物ヌメリヒトモドキは人間の記憶や感情を学習する。その生態を研究する「私」は、死んだ最愛の妻を蘇らせようとヌメリヒトモドキの飼育に熱中していく。悲劇的な結末に向かって……。【商品解説】
著者紹介
堀井 拓馬
- 略歴
- 1987年生まれ。東京都出身。文京学院大学人間学部卒業。2011年『なまづま』で第18回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。
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書店員レビュー
たった1人の人間が、...
ジュンク堂書店福岡店さん
たった1人の人間が、この世から消えてしまっただけ。
それがどんなに苦しいことか。
自分を埋め尽くす、かけがいのない人がもうそばにいないのに、
新しい1日は無神経におとずれる。
最愛の妻を失った「私」は、
「ヌメリヒトモドキ」という激臭を放つ粘液につつまれた醜悪な生物の、
「人を模写する」という特質を利用して、
妻を取り戻すために飼育をはじめる。
それは容易なことではないけれど、
彼女を失った日々の苦しみに比べれば、
「妻」を感じることができる生活に、「私」は歓びしか思わない。
ホラーというよりも、どちらかといえば純愛小説なのでは、といいたいほどに、「私」の愛は深い。
でもやっぱりこれはホラー小説なので、それだけでは終わらないのですけれど、
ホラー描写よりも彼ら夫婦の相手をおもう台詞に惹かれてしまってならないのです。
文庫担当 彌益
紙の本
狂気のラブストーリー
2011/11/20 16:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
粘液を引きずりながら、酸味の強い、
吐き気を催す臭いを発散させ
青白い姿で街を徘徊するヌメリヒトモドキ。
3つの穴があるだけの姿から人間の姿に進化し、
しかも人間の記憶や感情を学習し
人間に近づいていきます。
そんなヌメリヒトモドキの研究者である「私」は
2年前に妻を亡くし、その喪失感から立ち直れません。
世間との唯一の窓口的存在だった彼女がいなくなり
人とのつきあいもほとんどなくなり
ただ会社と家を往復するだけの毎日を送っています。
ヌメリヒトモドキが、ある特定の人間の唾液や
髪の毛を摂取し続けると、その人間になることがわかり
「私」は妻に似たヌメリヒトモドキを作り始めます。
ホラーなのですが、話の主筋は語り手の妻への恋愛感情。
愛するが故に常識を逸脱します。
耐えがたい異臭と容易に落ちない粘液をものともせず
妻に似たヌメリヒトモドキと同棲するに至ります。
しかし、妻のクローン化は無理であり
不死のヌメリヒトモドキの存在が大きくなりすぎてしまう。
よくできた狂気のラブストーリーで
異常な妻への執着がしっかりと核となり
「私」の行動がリアルで説得力があります。
また「人に似た生物」というよくあるパターンも
ヌメリヒトモドキの設定がしっかりと組み立てられています。
カンナミ研究員や山崎さんといった脇役も
話の広がりをちょうどよく広げ、集結します。