紙の本
ドイツの反ユダヤ主義者で有名なヒトラーによる『Mein Kampf』の翻訳版です!
2021/02/05 09:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、歴史上悪名高いドイツの反ユダヤ主義者であるアドルフ・ヒトラーによって著された『Mein Kampf』の翻訳語版です。角川文庫からは上下2巻で刊行されています。同書には、ヒトラーの幼少時代、第一次世界大戦でのドイツの裏切り、フランスに対する激しい復讐心、ドイツ国民のための生存圏の必要性、アーリア民族の賛美、そして、ヒトラーが「国際的な毒殺者たち」(ユダヤ人を指します) の根絶として特定したナチ党が権力を握る方法について詳述されています。もともと同書は、無名の小さな党の政治家の戯言としてほとんど無視されていたのですが、ヒトラーが 1933年1月に第三帝国の総長になってから、ドイツのベストセラーに躍り出てたという書です。ぜひ、この機会にヒトラーについて再度、学んでみませんか。
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開始:20071031、終了:20071031
下巻では、アドルフ・ヒトラーの主張について記載されている。基本的にはアーリア人種(ドイツ民族)による支配、反ユダヤ主義、ヨーロッパにおける領土拡大である。自分たちを世論の実施者ではなく、世論の命令者と認識し、大衆を扇動していった様子が詳細に描かれている。
しかし、偏った間違った考えであったものの、彼の、理念に基づき、拝金主義を憎み、そして大衆を見方につけ、自分たちの尊厳を主張し、未来志向であった態度が、大衆をひきつけたのは事実である。これは、庶民は政治に関心を持たず、政治家は自己の出世と金のことばかり考えている、現代においても、きっと起こりうるべきものと思われる。しかし、そうした間違いを繰り返さないためにもの本書は一読の価値がある。一般的に私たちは、ヒトラーは戦争を引き起こした悪人だと教育される。実際には、ヒトラーという人物の背景を何も知ることなく、「20世紀最大の犯罪者=ヒトラー」という知識だけが詰め込まれてしまう。ものごとを一面だけでなく別の面からも見る、または背景を知った上で判断する、という能力を養う意味でも、有用な一冊といえる。しかい、訳が長ったらしくて読みにくい。
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国家社会主義を唱えるヒトラーが共産主義を毛嫌いする、これは国家社会主義と共産主義の違いを知らない自分には理解できないでいたことだし、なにが憎くてあそこまでユダヤ人を迫害したのかも理解できなかったが、彼の著作を読んで少なくとも彼が根拠にしたものがなんだったのかはわかった。
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どんな題目から出発しても、回答は一貫している。はっきり言ってここまで同じことを繰り返し繰り返し言われると、かえって頭に入らないような気がする。というよりか結論までの流れが頭の中に入ってるので、そこに行きつくまでの文章の印象が読めば読むほど薄くなっていくような感じ。ただ繰り返し言われたことは頭の中にはいる。ヒトラーはこの文書を演説化することで全ドイツを動かしたわけだから、ヒトラーの『一貫性』という才能は天才の領域と言っていいのだろう。
天才には2種類あると思う。驚くほど複雑な方と、驚くほど単純な方だ。ヒトラーは後者であり、後者の天才は現代においても絶大な支持を得やすい。ヒトラーは本書で「有能な政治家は有能な扇動者でもある」と語っている。さらに扇動の容量は「要点を絞って表現を変えながら繰り返し」言うことであり、大衆を扇動するためには単純さが必要であるようだ。実際政治家はシンプルに見られるものであるらしく(その論文はイグノーベル賞を受賞している)、だからこそより天才的な単純さが勝利し、人々の心を動かすのであろう。
『わが闘争』上下とも読んで、とにかく体力のいる本であり、国家政策を語るにしては内容はかなり抽象的ではあったものの、やはり当時のドイツの不満と理想(いまの日本に通じるものがかなりあると思う)をより正確につかみ取り表現した本であるのだと思う。つまりドイツ国民に共通する深層心理の何かを一気に引き上げたのである。同じドイツ国民であるユングの深層心理学を学べばこの点はもっと深く分析できるような気がしている。(手始めにマンガを読んだ。)
ナチ行動開始から90年近く経った今であるが、大衆心理はほとんど変わらないようだ。ヒトラーの大衆に関する分析はがかなり正確であったこともそこに証明される。ナチズムは死なない、というのが一番の感想である。
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上巻と合わせて読むのに時間はかかりましたが、引き続き興味深い一冊でした。第三帝国、ナチス、ヒトラーを「絶対的な悪」と言わざるを得ない欧米ではなく、日本だからこそ予断と偏見なしにこの時代と第三帝国を議論できるという点だけでも我が国は非常に恵まれていると思います。国家とは、社会とは、民族とは、という点を考えさせられる本でした。終盤は地政学っぽい視点に言及されてます。
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これは、難しいぞぉぉww
下巻を読むとこの人(ヒトラー氏)は
確かに合理的は合理的なんだろうし
ユダヤ人と民族に対する歪んだ思想を持っていなかったら
↑ここ重要
雄弁家でリーダーとしてはふさわしすぎるのであろう
演説は書物より影響が大きい
と言い切っているあたり
自分の演説にどれほどの自信と実績があった事で
あろう
それに賛同した何百、否、何千万のドイツ国民
に指示され、あの毅然とした行動
行くとこまで来て引けなかったのかもしれない
が!
彼は彼の正義があったのであろう
それが第2次世界大戦へと導いた立役者のひとリなら
その正義は歪んだ正義にしか思えないけど…
ボロボロのドイツをリカバリー(復旧)させたヒトラー…
それは凄まじい闘争の中から刻まれた歴史。
反面教師+ヒトラー氏の良い所は吸収する!
歴史があって現在がある。
その歴史の中から未来が生まれると私は思います。
未来を見たくば歴史を知ることから。私はそう信じております。
是非、歴史に興味がある方は一読する価値アリ
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解説にもあるが、主張に一貫性があり、なぜヒトラーが独裁者になったか、ユダヤ人を虐殺したか、理解できる。正しいかはさておき、理論的に通っている。論破出来るほど歴史や政治を学んでいる人は少ないということをふまえると、悪魔的な本といえる。過去だからこそ冷静に読めたのだろうと思った。
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ドイツ人で当時に読んでいたら夢中になるんじゃないかな。自分たちアーリア人は文化創造の担い手で、戦争に負けたのも貧困も全てユダヤ人のせい、ドイツが戦争を起こすのは生存圏獲得のためだから正しいとか。
選ばれた人間が責任を持って決断する貴族議会主義はコスモ・バビロニアみたい。
イギリスに好意的な記述が多い。日本もちょっぴり出てくる。猿真似の国としてだけど。
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こんなに読み切るのが大変な本は初めてだった。
ある程度歴史を勉強してから読まないと全然わからないと思います。
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上巻からずっと思ってたんだけど、和訳が悪いのか本文が悪いのか非常に読みづらい。
あとヒトラーは若いころにユダヤ人によっぽどひどい目に合わされたんじゃないのかっていう感じのユダヤ人嫌いだった。
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上巻よりもヒトラーの思想に触れる機会が多いかな。偏見に満ち溢れてるけど一概に反面教師とも断定出来ないらしい。恐ろしい程に正論で気付かされたり、共感したり、感心させられるものもある。人類最大の汚点は平凡な人間には作れない。断じて崇拝者ではないけれども。
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(1992.08.08読了)(1973.10.27購入)
国家社会主義運動
内容紹介 amazon
独裁者が語る恐るべき政治哲学・技術は、現代政治の虚構を見抜く多くの有力な手掛りを示唆する。狂気の天才が、世界制覇の戦略と思想とを自ら語った世界史上稀有の政治的遺書である。
☆関連図書(既読)
「ヒトラーの抬頭」山口定著、朝日文庫、1991.07.01
「わが闘争(上)」ヒトラー著・平野一郎訳、角川文庫、1973.10.20
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我が闘争。このころのゲルマン民族東欧生活圏拡大思想が後世半ば現実したかと思うとぞっとする。
しかし、大衆の心を掴む演説方法。国家教育のあり方に対する意見は参考になった。
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行っていることは民族をちょっと入れ替えればいつでもどこでも言われている自民族優秀、他民族劣等論理で特別な内容じゃない。
また、100%悪な人間はおらずいつも一人一人の正義の争いで負けた者が悪になるんだろうから(受け売りでちゃんと調べてないが、聖書の中で神と悪魔で人を殺した数を集計すると神の方が人を圧倒的に多くの人を殺しているらしい…)ヒトラーのやった中にも経済政策などの良い面があれば評価し見習わなければ折角の人間の歴史の教科書になる部分を捨ててしまうことになるだろう。確かにヒトラーのみに責任を押し付けてお終いにすれば楽だろうが。
そして、気づかずに操られるのが宣伝の効果なのだから自分は操られていないと思っているのは既に術中に陥っていると思う位の方が良い様に思う。
これを読んで思ったのはヒトラーは取り立てて狂気の人では無く、一応今日でも読むことができる内容のそれなりの長さの書籍を書く能力があった事は間違い無いということだ。
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歴史教育について、ヒトラーの「歴史の中に将来のため、指針をうるために歴史を学ぶ」という記述には激しく同意するが、それがなぜ民族の存続のためという目的になってしまうのか。目的が間違うと正しい学びもいい結果をうまない。
ものすごく全体を冷静の捉えてるところと、偏見に満ちて自分の小さな考えに凝り固まっている部分が共存している不思議な人。しかし、本はとても退屈な代物だった。演説の天才も執筆の才能はなかったか。