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商品説明
【産経児童出版文化賞美術賞(第68回)】夏のある日、川の浅瀬に大きな魚がいるのをみつけたぼくは、足をすべらせて川に落ちてしまう。水の中で懸命にのばした指が魚にふれると、ぼくは無我夢中でそれをつかまえて…。少年の日の原体験をテーマにした絵本。【「TRC MARC」の商品解説】
『ちからたろう』『しばてん』『ふきまんぶく』『とべバッタ』など、大胆な筆づかいで、ほとばしる生命の躍動を描いてきた絵本作家・田島征三が、忘れられない少年の日の原体験をテーマに取り組んだ入魂の一冊。
夏のある日、川の浅瀬に大きな魚がいるのをみつけたぼくは、そっと近づこうとしたが、足をすべらせて川に落ちてしまう。水の中で懸命にのばした指が魚にふれると、ぼくは無我夢中でそれをつかまえた──。【商品解説】
著者紹介
田島征三
- 略歴
- 〈田島征三〉1940年大阪府生まれ。多摩美術大学卒業。「ふきまんぶく」で講談社出版文化賞絵本賞、「とべバッタ」で小学館絵画賞と絵本にっぽん賞を受賞。「絵本と木の実の美術館」を開館。
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紙の本
少年と魚の 驚きと喜び
2020/10/31 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2020年7月に誕生した絵本です。
田島征三さんが登場している番組をテレビで観ていたら、
なんとご本人がこの絵本『つかまえた』を読み聞かせされたのです。
なんと贅沢な瞬間。
うわぁと声が出てしまった。
とにかく迫力がすごい!
絵筆のタッチが素晴らしい!
内容もぐいぐい迫ってきます。
ある夏の日、少年が川で魚を捕まえた。
見つけてから、捕まえるまで、すったもんだの大騒動。
少年は魚を素手で捕まえようとする。
魚は少年から逃げようと必死。
ようやく捕まえてバケツに入れてから、そのそばで昼寝をする少年。
「魚を だいて
魚に だかれる
ゆめを みた」
このシーンがなんともいい。
そうして、夢からさめた少年を待っていたのは…。
少年の驚きと喜び、
魚の驚きと喜び、
対等な一人と一匹。
命と命の触れ合いがまぶしい。
紙の本
命をつかまえる
2021/02/07 08:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
収束が見えないコロナ禍で、政治にしても経済にしても閉塞感がぬぐい切れない。
そんな中、絵本作家田島征三さんは元気だ。
1940年生まれというから、時の総理よりもまだ年上。それでも、これだけ元気。
もともとの画風が力強いものだが、今回のこの作品はその極地ともいえる。
一人の少年が川の浅瀬で見つけた大きな魚を捕まえる牧歌的な話で、田島さんの少年時代の思い出が色濃く反映されているといわれます。
牧歌的なのはそういう背景だけで、実際には魚を捕まえるという人間と魚との力のぶつかり合いが描かれています。
そこに水や大地、あるいは風や光といった自然のありようも重なり合います。
ようやくにして捕まえた魚を抱いて少年は大地に寝ころんで、しばしまどろみます。
その時見た夢は魚に抱かれている自分です。
捕まえられたのは魚だったのか、少年だったのか。
夢から覚めた少年は、魚が死にかけていることに気づきます。あわてて水のあるところまで駆けていきます。
魚は無事息を吹き返しますが、同時に少年の手からも逃げ出すことでもありました。
少年はこうしてせっかく捕まえた魚に逃げられてしまうのです。
少年は魚に逃げられましたが、命を実感したかもしれません。
自分の腕の中で暴れる強い命、胸の中で次第に弱っていく命、そして生き返る命。
この絵本はそんな強い命に溢れた作品です。