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紙の本
田辺元・野上弥生子往復書簡 上 (岩波現代文庫 文芸)
著者 田辺 元 (著),野上 弥生子 (著),竹田 篤司 (編),宇田 健 (編)
京都学派を代表する哲学者・田辺元と、著名な女流小説家・野上弥生子が、田辺の亡くなる前年までの10年間にわたり、文学、哲学を巡って交わした往復書簡集。上は、1950年〜19...
田辺元・野上弥生子往復書簡 上 (岩波現代文庫 文芸)
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商品説明
京都学派を代表する哲学者・田辺元と、著名な女流小説家・野上弥生子が、田辺の亡くなる前年までの10年間にわたり、文学、哲学を巡って交わした往復書簡集。上は、1950年〜1955年の書簡を収録。〔2002年刊の改訂〕【「TRC MARC」の商品解説】
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著者/著名人のレビュー
戦後、北軽井沢の地にあって、田辺元は最晩年まで、...
ジュンク堂
戦後、北軽井沢の地にあって、田辺元は最晩年まで、ハイデッガーとの対決や数学・物理学の探求に歩を緩めることなく、思想的格闘を続けていた。そして傍らには、『迷路』執筆中の野上弥生子という、これ以上ない(同い年の)弟子が、田辺を師と慕っていた。
野上が交友関係にあった田辺の妻千代の死をきっかけに、二人は交流を始める。解説の加賀乙彦が「豊かな老年、美しい恋」と評するのは、あながち小説家の想像過多とはいえず、確かに二人の往復書簡からは、「相聞歌」と呼び得る短歌のやり取りも見られ、野上が甲斐甲斐しく田辺の世話をするさまも伝わってくる。書簡体は、初期の小説、就中恋愛小説がよく用いた形式であり、野上が夏は北軽井沢、冬は東京世田谷と移動することも相俟って、一幅の長編小説の味わいを堪能できると言って過言ではない。日本を代表する哲学者と文学者の文章であるから、日常の茶飯事が書いてあっても味わい深く、田辺の使用人に対する学者らしい癇癪も、第三者から見れば、微笑ましい。
とはいえ、老いてなお衰えぬ、飽くことなき二人の哲学的探求と創作活動が、やはり何よりも心に刻まれる。