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密林の語り部 (岩波文庫)
都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の“語り部”として転生する一人のユダヤ人青年の魂の移住—。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の内奥を描...
密林の語り部 (岩波文庫)
密林の語り部
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商品説明
都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の“語り部”として転生する一人のユダヤ人青年の魂の移住—。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の内奥を描きながら、「物語る」という行為の最も始原的なかたちである語り部の姿を通して、現代における「物語」の意味を問う傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
〔新潮社 1994年刊の改訳〕【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 地 図
- 密林の語り部
- 1
- 2
- 3
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紙の本
リョサの凄さを体感させる一冊。
2015/09/03 21:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説の構成そのものは、ややこしい。出だしはマスカリータと呼ばれる、顔にあざのある青年のことを友人視点で描いていてわかりやすいのだが、「その後~」と語り始められる第三章がちがう世界すぎて面喰う。意味不明な単語がどんどん出てくるし、いきなり「その後」から始まるように、何の関係もなさげなところに話が飛ぶ。しかも脈絡がない。それもそのはず、その部分はマチゲンガ族の語り部が語っているパートで、小説のような起承転結があるものではないのである。この本を多少読みやすくするためには、訳者後記にある「語り部の章が3、5、7」「友人視点が2、4、6」という説明を頭に留めておくといいかもしれない。
私が感動したのは7章。語り部としての語り手の生き方がダイレクトに伝わってくる。マチゲンガ族の語り部は謎のヴェールに包まれていて、一族のものですら軽々しく話題にしない。過去の伝説も現実も、歴史も幻想も、すべてを融合させて語る「語り部」に、西洋人であるマスカリータがなったことの奇跡。すべてを捨てるだけではなれない、意識の底までマチゲンガ族の感覚を自分のものとすることの困難さ。最終章で彼の友人は圧倒的な驚きを感じているが、その驚きが読む側も伝わってくる。多少難解でも、最後まで読み進めれば報われる小説。
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読んで良かった
2022/08/16 21:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミー - この投稿者のレビュー一覧を見る
差別されるマスカリータと文明人により失われつつあるマチゲンガ族の悲しさ辛さが伝わってきました。バルガス=リョサの作品は「緑の家」に続くに2作品目ですが、全く違う小説なので内容を知らずに読んで少々驚きました。個人的には、「緑の家」の方が好きです。