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(2011.07.24読了)(2011.07.14借入)
科学の本を主とした書評集です。毎日新聞日曜日紙面の「今週の本棚」に1997年1月から月一回書いてきた150冊の本の中から101冊の書評を選んだ、ということです。
僕は、科学方面の本をある程度読んできたつもりだったのですが、取り上げられている本の中で読んだのは一冊だけでした。積読は、9冊です。
どの本も丁寧に紹介してあるので、読んでみたくなってしまいます。リストを作ったので、一冊でも多く読んでゆきたいと思います。
★:既読、☆:積読、
Ⅰ、サイエンス―世界を「知る」ということ―
「ヒエログリフ解読史」ジョン・レイ著、原書房、2008年
「物語大英博物館-二五〇年の軌跡-」出口保夫著、中公新書、2005年
「博物館の誕生-町田久成と東京帝室博物館-」関秀夫著、岩波新書、2005年
「ファーブル植物記」J‐H.ファーブル著、平凡社、1984年
「アンデス登攀記 上」ウィンパー著、岩波文庫、2004年
「アンデス登攀記 下」ウィンパー著、岩波文庫、2005年
☆「ボノボ-謎の類人猿に性と愛の進化を探る-」榎本知郎著、丸善ブックス、1997年
「いじわるな遺伝子」テリー・バーナム著、日本放送出版協会、2002年
「生命40億年全史」リチャード・フォーティ著、草思社、2003年
「グラフィック日本列島の20億年」白尾元理写真、岩波書店、2001年
「原子論の歴史 上 誕生・勝利・追放」板倉聖宣著、仮説社、2004年
「原子論の歴史 下 復活・確立」板倉聖宣著、仮説社、2004年
「世界でもっとも美しい10の科学実験」ロバート・P.クリース著、日経BP社、2006年
「数学は最善世界の夢を見るか?」イーヴァル・エクランド著、みすず書房、2009年
「パロマーの巨人望遠鏡 上」D.O.ウッドベリー著、岩波文庫、2002年
「パロマーの巨人望遠鏡 下」D.O.ウッドベリー著、岩波文庫、2002年
「空間の謎・時間の謎」内井惣七著、中公新書、2006年
「はじめての〈超ひも理論〉」川合光著、講談社現代新書、2005年
「多世界宇宙の探検」アレックス・ビレンケン著、日経BP社、2007年
Ⅱ、人間―私たちはどこから?―
☆「5000年前の男」コンラート・シュピンドラー著、文春文庫、1998年
「楽園考古学-ポリネシアを掘る-」篠遠喜彦・荒俣宏著、平凡社ライブラリー、2000年
「縄文論争」藤尾慎一郎著、講談社選書メチエ、2002年
「生命の大地-アボリジニ文化とエコロジー-」デボラ・B.ローズ著、平凡社、2003年
「ラディカル・オーラル・ヒストリー」保苅実著、御茶の水書房、2004年
「話を聞かない男、地図が読めない女」アラン・ピーズ著、主婦の友社、2000年
「もうひとつの視覚」メルヴィン・グッデイル著、新曜社、2008年
「脳は眠らない」アンドレア・ロック著、ランダムハウス講談社、2006年
「脳は空より広いか」ジェラルド・M.エーデルマン著、草思社、2006年
「心の起源-生物学からの挑戦-」木下清一郎著、中公新書、2002年
「化石から知るヒトの進化」イアン・タッタソール著、三田出版会、1998年
「先史時代と心の進化」コリン・レンフルー著、ランダムハウス講談社、2008年
「現代ホモ・サピエンスの変貌」小原秀雄著、朝日選書、2000年
Ⅲ、生命―この不思議なもの―
「シベリア動物誌-カラー版-」福田俊司著、岩波新書、1998年
「奇妙でセクシーな海の生きものたち」ユージン・カプラン著、インターシフト、2007年
「性転換する魚たち-サンゴ礁の海から-」桑村哲生著、岩波新書、2004年
「マンモスを科学する」鈴木直樹著、角川学芸ブックス、2007年
「地中生命の驚異-秘められた自然誌-」デヴィッド・W.ウォルフ著、青土社、2003年
「植物のたどってきた道」西田治文著、NHKブックス、1998年
「骨から見る生物の進化」ジャン=バティスト・ド・パナフィユー著、河出書房新社、2008年
☆「カンブリア紀の怪物たち」サイモン・コンウェイ・モリス著、講談社現代新書、1997年
「未知なる地底高熱生物圏」トーマス・ゴールド著、大月書店、2000年
☆「進化論という考えかた」佐倉統著、講談社現代新書、2002年
「生命とはなにか-細胞の驚異の世界-」ボイス・レンズバーガー著、青土社、1999年
「寿命論-細胞から「生命」を考える-」高木由臣著、NHKブックス、2009年
「細胞紳士録-カラー版-」藤田恒夫・牛木辰男著、岩波新書、2004年
「眼の誕生」アンドリュー・パーカー著、草思社、2006年
Ⅳ、科学の冒険者たち―好奇心を抱きつづけて―
「謎の哲学者ピュタゴラス」左近司祥子著、講談社選書メチエ、2003年
「本草と夢と錬金術と-物質的想像力の現象学-」山田慶児著、朝日新聞社、1997年
「巨人の肩に乗って」メルヴィン・ブラッグ著、翔泳社、1999年
「レーベンフックの手紙」クリフォード・ドーベル著、九州大学出版会、2003年
「氷河期の「発見」」エドマンド・ブレア・ボウルズ著、扶桑社、2006年
「恐竜の世界をもとめて」デボラ・キャドバリー著、無名舎、2001年
「メアリー・アニングの冒険」吉川惣司・矢島道子著、朝日選書、2003年
「メンデル-遺伝の秘密を探して-」エドワード・イーデルソン著、大月書店、2008年
「科学者キュリー」セアラ・ドライ著、青土社、2005年
☆「人物で語る物理入門(上)」米沢富美子著、岩波新書、2005年
☆「人物で語る物理入門(下)」米沢富美子著、岩波新書、2006年
「エジソン-20世紀を発明した男-」ニール・ボールドウィン著、三田出版会、1997年
「奇想科学の冒険-近代日本を騒がせた夢想家たち-」長山靖生著、平凡社新書、2007年
「レーザーはこうして生まれた」C.H.タウンズ著、岩波書店、1999年
★「月をめざした二人の科学者」的川泰宣著、中公新書、2000.12.20
「星界の報告 他1編」ガリレオ・ガリレイ著、岩波文庫、1976年
Ⅴ、ちょっと息抜き―文系世界を楽しむ―
「坊ちゃんの時代」関川夏央・谷口ジロー著、双葉社、1987年
「アーサー王と円卓の騎士」ローズマリ・サトクリフ著、原書房、2001年
「アーサー王と聖杯の物語」ローズマリ・サトクリフ著、原書房、2001年
「アーサー王最後の戦い」ローズマリ・サトクリフ著、原書房、2001年
「蕪村」藤田真一著、岩波新書、2000年
「古代日本人・心の宇宙」中西���著、NHKライブラリー、2001年
「西洋陶磁入門-カラー版-」大平雅巳著、岩波新書、2008年
「地中海-人と町の肖像-」樺山紘一著、岩波新書、2006年
「パレオマニア」池沢夏樹著、集英社インターナショナル、2004年
Ⅵ、歴史と文化―人間の歩みをたどる―
「シュメル神話の世界」岡田明子・小林登志子著、中公新書、2008年
「甲骨文字に歴史をよむ」落合淳思著、ちくま新書、2008年
「古代エジプト人の世界-カラー版-」村治笙子著、岩波新書、2004年
☆「アナトリア発掘記」大村幸弘著、NHKブックス、2004年
「ヴァイキングの暮らしと文化」レジス・ボワイエ著、白水社、2001年
「ジャガイモのきた道-文明・飢饉・戦争-」山本紀夫著、岩波新書、2008年
「インディアンの夢のあと」徳井いつこ著、平凡社新書、2000年
「ハワイ王朝最後の女王」猿谷要著、文春新書、2003年
☆「シュリーマン旅行記 清国・日本」H.シュリーマン著、講談社学術文庫、1998年
「仏陀を歩く-誕生から涅槃への道-」白石凌海著、講談社選書メチエ、2004年
「仏陀南伝の旅」白石凌海著、講談社選書メチエ、2010年
「遥かなるチベット-河口慧海の足跡を追って-」根深誠著、中公文庫、1999年
「ヒンドゥー教-インドの聖と俗-」森本達雄著、中公新書、2003年
Ⅶ、現代社会と科学―矛盾はなぜ生まれる?―
☆「市民の科学をめざして」高木仁三郎著、朝日選書、1999年
「カール・セーガン科学と悪霊を語る」カール・セーガン著、新潮社、1997年
「きわどい科学」マイケル・W・フリードランダー著、白揚社、1997年
「人はなぜ騙されるのか-非科学を科学する-」安斎育郎著、朝日新聞社、1996年
「背信の科学者たち」ウイリアム・ブロード著、ブルーバックス、2006年
「旧石器発掘捏造のすべて」毎日新聞旧石器遺跡取材班著、毎日新聞社、2002年
「98%チンパンジー」ジョナサン・マークス著、青土社、2004年
☆「古文書返却の旅」網野善彦著、中公新書、1999年
「思索紀行-ぼくはこんな旅をしてきた-」立花隆著、書籍情報社、2004年
「ミシシッピ=アメリカを生んだ大河」ジェームス・M.バーダマン著、講談社選書メチエ、2005年
「見えない巨大水脈地下水の科学」日本地下水学会著、ブルーバックス、2009年
「土の文明史」デイビッド・モントゴメリー著、築地書館、2010年
Ⅷ、未来―科学から見えてくるもの―
「生命科学の冒険」青野由利著、ちくまプリマー新書、2007年
「生物多様性とは何か」井田徹治著、岩波新書、2010年
「〈生物多様性〉入門」鷲谷いづみ著、岩波ブックレット、2010年
「熱帯雨林」湯本貴和著、岩波新書、1999年
「ダイビングの世界」須賀潮美著、岩波新書、1999年
「イワシと気候変動-漁業の未来を考える-」川崎健著、岩波新書、2009年
「活火山富士-大自然の恵みと災害-」読売新聞特別取材班著、中公新書ラクレ、2003年
「火山噴火-予知と減災を考える-」鎌田浩毅著、岩波新書、2007年
「正しく知る地球温暖化」赤祖父俊一著、誠文堂新光社、2008年
「「地球温暖化」論に騙されるな!」丸山茂徳著、講談社、2008年
「地球と一緒に頭も冷や���!」ビョルン・ロンボルグ著、ソフトバンククリエイティブ、2008年
「CO2と温暖化の正体」ウォレス・S.ブロッカー著、河出書房新社、2009年
「古代文明と気候大変動」ブライアン・フェイガン著、河出書房新社、2005年
「地球環境46億年の大変動史」田近英一著、化学同人、2009年
「世界の終焉へのいくつものシナリオ」ジョエル・レヴィ著、中央公論新社、2006年
☆海部宣男の本(既読)
「宇宙の果てへの旅」海部宣男著、新潮文庫、1987.02.25
(2011年7月24日・記)
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ブックガイドは数あれど、無難というか紋切り型の書をすすめてくる上から目線のものに比べて、本書は筆者が楽しんで読んで推薦しているのが伝わってきて、購読意欲を非常にそそられる。
ただし、最新科学は生ものなので、ふと見直してみると古めの本が多いので実際に読むかというと躊躇する。
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タイトルから想像したのは,古今東西の科学の名著の紹介を集めた本.実際は,毎日新聞の月一回の書評をまとめたもの.面白そうなところだけ拾い読みした.取り上げられている本だけでもかなりの読書量だが,文章の背後にはたくさんの読著の蓄積がみえる.読みたい本も何冊か見つかった.(「日本人の誇り」なんて本を読んでる場合じゃないのだ).
時間があるときにまたこの本をぱらぱらまくってみたい.
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読みたい本がかなり増えました。
楽しみ。
こんなに幅広い分野に通じる著者の博識さにただただ驚きです。
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天文学者の著者によるサイエンス本を中心にした書評集。毎日新聞に掲載され、2012年に第10回毎日書評賞を受賞した。「科学とは世界を知ること」というスタンスで紹介。文系人間にはとっつきにくいサイエンスだが、その入り口を示してくれる。
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自然を正しく知らなければ、また私たち人間が自然に対して何をしているかを知らなければ、人類文明の未来は闇である。
天文学者・海部宣男さんが『毎日新聞』「今週の本棚」に連載した書評をまとめたもので、宇宙論や天文学だけでなく、進化や化石、温暖化の問題など様々な科学の話題を扱い、そのおもしろさを教えてくれる一冊だ。
※本書は150点の書評から読まれるべき101冊に絞り込まれ構成されています。
およそ15年に及ぶ海部氏の読書の軌跡は、いわば科学全般へのトータルな水先案内ともいうべきもの。各章には書き下ろしのコラムも寄せており、そこでは科学者ならではの科学・技術論も紹介されている。
「科学とは世界を知ること」という著者の科学批評は、科学について関心をこれまで抱かなかったひとや「僕はニガテなんです」という方に是非読んでもらいたい。
さて本書はくどいようだが書評集。その特色を最大に活かしたい。そう、、関心のある問題については、本書から探究を出発することができるのだ。
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自然を正しく知らなければ、また私たち人間が自然に対して何をしているかを知らなければ、人類文明の未来は闇である。未来のために科学の見通しに基づいた賢い政策をとれるよう、日本社会も、科学を基礎においた組織・システムに変わってゆくことが必要だ。そのためには科学者自身も広い視野を持たねばならない。
「知りたがりの動物」である人間は,知りたがりという特性を活かすことでしか、困難な未来を切り拓いてゆくことはできないのである。
科学の本を読むこと・紹介することからも、そうした未来につながってゆければと願っている。
「あとがき」より。
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1 サイエンスー世界を「知る」ということ
2 人間ー私たちはどこから?
3 生命ーこの不思議なもの
4 科学の冒険者たちー好奇心を抱きつづけて
5 ちょっと息抜きー文系世界を楽しむ
6 歴史と文化ー人間の歩みをたどる
7 現代社会と科学ー矛盾はなぜ生まれる?
8 未来ー科学から見えてくるもの
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いろいろな本を読みたくなった。書評を読むだけでも、少し世界が広がったように感じる、お得な本。
いじわるな遺伝子 ケリーバーナム
ファーブル植物記
生命40億年全史 リチャード・フォーティ
グラフィック 日本列島の20億年 小嶋尚
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1 サイエンスー世界を「知る」ということ
2 人間ー私たちはどこから?
3 生命ーこの不思議なもの
4 科学の冒険者たちー好奇心を抱きつづけて
5 ちょっと息抜きー文系世界を楽しむ
6 歴史と文化ー人間の歩みをたどる
7 現代社会と科学ー矛盾はなぜ生まれる?
8 未来ー科学から見えてくるもの
もう、この目次を見ただけで、ワクワクするでしょう!
見開きかプラス1頁にコンパクトに纏められた文章は、程々に客観的で淡々としている。だもんで興味ない分野はフーンと読み飛ばしてしまいますが、逆にそのお陰で、ある程度の速度で読める。あまりキャッチーなフレーズや煽情的な表現がないのも好感度高し。
天文学者だけあって、5,6章辺りは今ひとつ精彩を欠く感じ。
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著者はかつて国立天文台に勤めていた天文学者。毎日新聞の「今週の本棚」で1997年から紹介してきた150冊の中から101冊を掲載。科学全般、人間、生物、科学者、科学論のほか、文系の世界や歴史と文化、未来の分野の本も取り上げているところがユニーク。新聞に掲載されたものが基になっているためか、多くが一般向けの本になっている。
あとがきでは、日本の中央官庁のトップクラスが圧倒的に文系出身者で、科学の専門知識が政策で活かされていないことを嘆いている。欧米だけでなく中国や韓国でも官僚や政治家の半数は理系出身者であるという。ひとつひとつの書評でも、科学的姿勢の重要性や疑似科学に対する批判的態度など、科学に対する著者の強い気持ちが伝わってくる。
惜しむらくは、15年分の書評がやっと1冊のブックガイドとして出版されるという状況。科学の分野の進歩は速いから、長くても10年くらいでまとめて欲しいと願う。それだけに、需要=日本人の科学に対する関心度が低いことが残念だ。
書評の中から関心を引いた記述:
・家畜では、脳が野生種に比べ20〜30%も小さい。行動面では警戒心を失い、社会的行動の退化にもつながっている(現代ホモ・サピエンスの変貌)
・日本の原子力関係の予算は、世界各国の研究開発費合計の7割を占めている。科学研究費全体ではODA諸国中最悪(市民の科学をめざして)
・企業的大規模農法は化学肥料への依存を深めるが、化学肥料の製造には石油の30%が費やされている(土の文明史)
<読んだ本>
生物多様性とは何か(井田 徹治)
古代文明と気候大変動(ブライアン・フェイガン)
いじわるな遺伝子(テリー バーナム、ジェイ フェラン)
<関心をもった本>
話を聞かない男、地図が読めない女(アラン ピーズ、バーバラ ピーズ)
ジャガイモのきた道(山本 紀夫)
進化論という考えかた(佐倉 統)
植物のたどってきた道(西田 治文)
イワシと気候変動(川崎 健)
土の文明史(デイビッド・モントゴメリー)
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毎日新聞に定期的に掲載された書評まとめ。10年前の出版だが、非常に参考になるのと、読みたいと思う本が何冊か出てきた。 やはり科学系の本はどれも面白い。
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一応、図書館の理系のコーナーにあった本だけれども、文系の僕でもバリバリ読めた。文系、つまり理系があまり得意ではない、と言う意味では、この本は理系の本なのに楽しく、しかも二日で読了してしまったのが驚異的だった。
どこらあたりに面白みを感じるか、と言えば村上陽一郎さんの科学史ではないが、似てはいるが、今世紀の科学の極論(極論は子供や男子が好きである。具体例・ギネス記録など)の羅列が、しかも数式が全く出てこない体裁が文系バリバリ、理系ショボショボの僕を二日で本を読了させると言う使役が可能になったことになる。
内容についても少し。極北の生物やアフリカのサルたち、このあたりは単に僕の好みだが印象には残っている、あと本草とか少々(本草を理系と捉えるあたりが村上陽一郎さん的である)。何分理系ショボショボなので薄い内容でご勘弁して下され。以上。
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天文学者が書いた科学に関する書籍の書評101冊。
1.サイエンス 世界を「知る」ということ
2.人間 私たちはどこから?
3.生命 この不思議なもの
4.科学の冒険者たち 好奇心を抱きつづけて
5.ちょっと息抜き 文系世界を楽しむ
6.歴史と文化 人間の歩みをたどる
7.現代社会と科学 矛盾はなぜ生まれる?
8.未来 科学から見えてくるもの
2011年に出版されたもので、一部は更に研究が進んだ分野があるが、科学的事実に関しては古いことは全くなく、むしろ知っておくべきことだとあらためて思わせてくれる。2、3ページに要約と著者の感想が書かれているが、どれも好奇心をそそる。
図書館に割りと蔵書があるのが分かったので、読んでみたい。
ちなみに日本では理系、文系の分離縦割りが著しいことに加え、中央官庁のトップクラスは圧倒的に文系出身者、民間企業のトップも政治家もほぼ同様で、他の先進諸国やアジア諸国と比べても、相当異質らしい。道理でそれが諸政策にも表れる訳だ。納得。
最後の「未来のために科学の見通しに基づいた賢い政策をとれるよう、日本社会も科学に基礎をおいた組織、システムに変わっていくことが必要だ。そのためには科学者自身も広い視野を持たなければならない」には、大いに共感です。
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新たな発見と示唆に富んだ本。退屈している人に読んでほしい。
p48-
ヒトは二つの視覚をもっている。一つは知的な解釈をする視覚と、無意識的に行動させる視覚。
知的な解釈をする視覚を失えば、コーヒーカップを持ち上げても、それをコーヒーカップとは認識できないまま持ち上げるという。愛する人と会っても、その人の顔と他人の顔を識別できないという。
p51-
夢を見る意味とは?眠る意味とは?
睡眠は脳が外界の刺激を絶って自分の作業に専念するためのもので、高等動物には絶対に必要なものであるという。そして脳が専念する作業とは、新しく得た経験を整理し、系統だった記憶として前頭葉皮質に焼き付けること。だから睡眠中の脳は休んではいない。情報をやり取りし、経験と照らし合わせ、記憶回路の配線を進める。その際の刺激が、現実世界のようではあるが脈絡なく変化する夢を生む。