紙の本
無垢なる魂と類い稀なる感性の見事な共演
2023/01/06 15:35
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「海にふる雪は、海になる。
街にふる雪は、泥になる。
山にふる雪は、雪でいる。
空にまだいる雪、
どォれがお好き。」(雪に)
何と言うことのない日常から紡がれる詩の内包する世界の美しさ。西條八十をして、「若き童謡詩人の中の巨星」と言わしめたのもむべなるかな。深い感動とともに、身過ぎ世過ぎに疲弊した心に活力を与えられる思いがします。
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泣けてくるなあ
2017/04/23 19:49
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投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
遺品にあった、チビタ鉛筆と手帳を想いながら読むと、微笑ましい情景を思い浮かべながらも、泣けてくる。
美しく・楽しいながらも、寂しく・悲しい作品ですねぇ。
少しずつしか、読めません。
紙の本
心洗われる金子みすゞの佳詩が収められています。
2022/09/24 12:57
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
本年1月のNHK「100分de名著」の予習のために一読した一冊。金子みすゞの有名な「私と小鳥と鈴と」(みんなちがって、みんないい。)や「大漁」(浜は祭りのようだけど/海のなかでは何万の/鰯のとむらいするだろう。)、そして「こだまでしょうか」(こだまでしょうか、いいえ、誰でも。)が、まずは巻頭に並んでいます。(最後の「いいえ、誰でも」ですが、評者は「いいえ、人間だったらみな誰でも、そう返してくれる(返す)ものですよ。人間とはそういうものなのです。」と解釈しました。)ひとつひとつ、読む毎に心が洗われていく全93篇。
有名どころは別として、評者がいいなと思ったのは「雀のかあさん」と「りこうな桜んぼ」、「金魚のお墓」の3篇。対象に仮託して深い感受性をもって観察眼と着想鋭く読み込まれた詩情(詩魂)や孤独、寂寥、哀惜、喜びは、総じて云えば「草木国土悉皆成仏」(梅原猛風)の心とも評すべく、また読み手の心根(性根)を試すリトマス試験紙でもあるかのようです。
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小学生の読書課題なら…
2012/09/03 20:29
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投稿者:foxtail - この投稿者のレビュー一覧を見る
これではなく全集を買いましょう
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前半の詩には、どこか教条的というか、話題になったCMのような使われ方をされたとしても無理もないような気がした。
後半になるほど、美しい詩が増えた。これは年代順なのかしら。
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金子みすゞ の詩集を衝動買いしました。
今読んでいます。
金子みすゞ の生涯って決して幸せではなかったようです。
結婚した男は最悪。
最愛の娘をその男に渡さぬ為にみすゞは自ら命を絶ち、究極の抗議をしました。
金子みすゞの詩は、みずみずしい子供の感性と、びっくりするような意外性のある悲しみを見抜く目、どれもが光る作品が多い様に思います。
僕の本棚から、また取り出して、時折眺めたい至極の言葉の達です。
余計な解説が無いので自分の感性で読める、良書です。
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2020年16冊目。(再読)
誰かが喜んでいる裏で、人知れず悲しんでいる人がいる。そういう「見えないけれど、たしかにある」ものへの繊細過ぎる感性が、人だけでなく、動物や植物、天体や自然現象にまで働いてしまう。大げさでなく、万物に耳を澄ませ、声を聴いていたのではないかと思う。
だからこそこんなに素晴らしい言葉を紡げるのだと思うし、だからこそいろいろなものが見えすぎて苦しい面もあったのではないか、と想像してしまう。ときどき見せる茶目っ気のある詩はかわいらしいけれど。
どの詩も、リニアに情景が動いていくというよりも、かなり構造化されている印象。A→B→C→D→E......ではなく、A→B→A'→B'→A''→B''→C.....というような感じ。これは何かに似ていると思ったら、モーリス・ラヴェル作曲の『ボレロ』の流れだ。この詩人が好きになる理由が、またひとつわかった。
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2012年86冊目。(初読:2012年11月12日)
見えないものを、見ようとする。
聞こえないものを、聞こうとする。
役割のなかったものに、役割を見出す。
そんな心が見事に表れている。
素晴らしい詩集でした。
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“詩集”などというものを、生まれて初めて購入。
……なぜに?
衝動買い。
……どうして?
「こだまでしょうか」が気になって。
………こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。…………
この一文を読むとどうしても、“あの日”の後の1週間が思い出されてなんとも言えない気持ちになるのだけれど…。
でも、良い詩だなと改めて思った。
他……
「私と小鳥と鈴と」
「ばあやのお話」
「お魚」
「転校生」
「こぶとり」
は、なんだか不思議と心に残った。
全体的には、何やら切ない気分になる詩が多く、一冊読み終えた読後感は、あんまりよろしくないみたい(苦笑)。
★3つ、7ポイント。
2013.11.01.了。
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金子みすゞの有名な詩がピックアップされて掲載された本。
文庫で持ち運びも楽だったためじっくり読めた。
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「積もった雪」
上の雪、さむかろな。つめたい月がさしていて。
下の雪、重かろうな。何百人ものせていて。
中の雪、さみしかろな。空も地面もみえないで。
こんなにあらゆる事に、気持ちをはせることが出来るって本当に素敵。ちょっとほっこりしたときにパラパラめくりたい詩集です。
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私と小鳥と鈴と、
不思議、
蜂と神さま、
雀のかあさん、
雪、
星とタンポポ、
露、
美しい町、
などなど
とても良い詩集です。
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こだまでしょうか いいえ、誰でも
に感銘を受けて手に取った。
とても身近で小さな気づきで、素朴で愛情のある詩が多く、とても思いやりのある人なのだなと思った。
「つもった雪」がおすすめ
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「こだまでしょうか」「大漁」「私と小鳥と鈴と」も入った詩集。声に出して読むと自分の声がきれいになったような気分になるので嬉しかった。金子みすゞが山口出身なので、九州に愛着がある私としては言葉のリズムがなじみ深い。子どもような純粋な目線で生と死が鮮烈に描かれていて面白い。26歳で自死を選んだのは死に囚われすぎてしまったからなのだろうか。
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全体的に悲しさや寂しさを感じる。でも、子どもの思いをストレートに表現している感じがして、とても繊細で敏感な人なんだと感じた。
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以前に合唱曲で何作か触れたので、この機会に他の作品にも触れてみたかった。
『硝子は 空っぽのように すきとおって見える。 けれども たくさん重なると、 海のように青い。 文字は 蟻のように 黒くて小さい。 けれども たくさん集まると、 黄金のお城のお噺もできる。』(硝子と文字)
優しく繊細ながら、時折はっとするほど鋭い観察眼も覗かせる瑞々しい言葉達。
なぜ自死を選ぶに至ったのか、作者の人生も気にかかる。