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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.11
- 出版社: 彩図社
- サイズ:19cm/254p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-88392-709-8
紙の本
本当にヤバイ!欧州経済
サブプライムの“有毒証券”を最も購入していたのは欧州だった! 欧州のどこが危ないのか、リーマンショックが与えた衝撃とは何かを解説し、欧州各国に起こっている出来事なども説明...
本当にヤバイ!欧州経済
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商品説明
サブプライムの“有毒証券”を最も購入していたのは欧州だった! 欧州のどこが危ないのか、リーマンショックが与えた衝撃とは何かを解説し、欧州各国に起こっている出来事なども説明する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
渡邉 哲也
- 略歴
- 〈渡邉哲也〉1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒。複数の企業運営に携わる。共著に「完全にヤバイ!韓国経済」がある。
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紙の本
欧州経済へのレクイエム-欧州連合と欧州共通通貨ユーロについての真相を知るための必読書
2010/04/06 00:03
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
欧州の金融経済を専門としない私のようなビジネスマンが、日々の断片的情報をから大きな見取り図を描くことは難しい。著者のブログも見ていない私のような者にとっては、こういう形で単行本として一冊になったものを読むことで、はじめて事の重大さに気がつくことになる。
欧州経済が想像以上に危機状況にあることは、本書に目をとすことで確信に変わった。サブプライム問題の震源地である米国よりもひどい状況にある欧州、われわれはすでに日本でバブル経済の崩壊と失われた10年(・・いや20年)を経験しているのだが、欧州経済の崩壊が、想像を絶するスピードと規模で一気に進行したこと、そして回復までの道のりがはるかに遠いことを思い知らされた。1997年のアジア金融危機の比でもない。
デレバレッジ、レパトリエーション、リワインド・・・日頃聞き慣れない金融用語の意味も、恐怖とともにアタマのなかに刻み込まれることになった。
サブプライム問題の首謀者であり真犯人であるドイツ銀行、欧州の金融システムに大きな影響を与えたドイツのヒポ・リアルエステート、爆弾を抱えたままのフランス、衰退する金融立国でかつ貯蓄率の低い英国の暗い見通し、不動産バブルの崩壊したスペイン、欧州経済崩壊の引き金となりかねない中東欧の新興諸国、金融強化の流れの中、口座の秘匿性を維持できなくなったスイス・・・。
これら各国の金融状況は、バブル崩壊のメカニズムを知っている人間にとって、これは恐怖以外の何者でもない現実である。また、そこから導き出される将来予測は暗澹たるものとしかいいようがない。
おそらく、そうでなくても衰退過程にある欧州は、さらに衰退スピードに拍車がかかったというべきであろう。
また、発行に際して国家の裏付けのないユーロの脆弱性、政治主体である国家と通貨管理主体である欧州中央銀行(ECB)が別個の存在である二重構造ゆえに、政策決定のスピードが極度に遅い欧州連合の脆弱性。こうした事実から、われわれ日本人が得るべき教訓は実に多い。「友愛」にもとづくアジア連合など、愚策の最たるものであることがわかる。
情報ソースも明示された本書は、欧州経済の現状についての正確な見取り図であり、また欧州連合と欧州共通通貨ユーロについての真相を知ることのできる警告書でもある。
本書出版後も時々刻々と悪化する欧州経済の状況が報道されているが、いまからでも遅くない、ぜひ本書を一読して情報武装することをすすめたい。