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紙の本
偉大な作家たちの「裏歴史」
2007/06/05 23:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちは、偉大な事を成し遂げた先人の足跡を、伝記などを通じて知ることができますが、知りたい相手が作家だった場合、作品と伝記の両面を通じて、その人となりを知ることができます。作品と著者の実像の双方を読み比べて、ギャップを楽しむなどという、少々意地悪な楽しみ方も出来なくはないでしょう。
本書は、近現代の作家(日本・海外を問わず)のエピソードを簡潔に紹介していますが、史実の中から、仰天するような話ばかりをピックアップしているところに、面白さがあります。普通の伝記なら、取り上げられないか、せいぜいこぼれ話程度のものとして扱われているに過ぎないだろう部分に焦点を当てていることで、本書の独自性が引き立っています。また、エピソードに会話部分などを交え、軽妙な筆遣いを見せている、著者の山口氏の手腕のせいもあって、嫌味な感じが全くせず、全体に、カラっとした感じが漂っていることも見逃せません。本書を一読すれば、国語の教科書にいかめしい写真付きで掲載されて大作家たちとの「距離」が縮まること請け合いです。これまで敬遠していた古典作品を、読み進めるきっかけになるかも知れません。
本自体の構成も巧みで、恐らく意図的に用いられたと思われる作家たちの顔を描いた写実的なイラストも、なかなかいい味を出しています。「作家たちの名前だけは知っている」という方にも、安心して推薦できる快作ですが、かねてから、作家たちに親しんでいる方にとっても、作品そのもの、伝記に続く「第三の材料」として、本書が作用してくれるかも知れません。