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商品説明
街でいろいろ勧誘されるけど、本当についていったらどうなるの? インチキ宗教から無料エステ、コーヒー豆の先物取引まで、実際にキャッチセールスの現場に潜入。気になるけど見にいけない場所のこと、こっそり教えます。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
多田 文明
- 略歴
- 〈多田文明〉1965年北海道生まれ。広告代理店勤務のかたわら、エキストラ業、ライターをこなす。キャッチセールス評論家。「油つぼリンカーン」のペンネームで書籍を出版。
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紙の本
どうしても好奇心を抑えきれない人たちのための本です。
2003/11/07 18:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
街で声をかけている、いわゆるキャッチセールス。
絶対怪しい、とはわかっているが、この後、何処に連れて行かれてどうなるのかということに対する興味は、どうしてもぬぐいきれない。
それでも、やっぱり「危険」な匂いはプンプンするので、その好奇心を懐にひっそりと仕舞って、追いかけてくるその声を無視して、立ち去る。
電話での勧誘も頻繁に来るが、顔の見えない電話ということが、「危険度」の認識ををぐんと下げるため、ついつい、どんなはなしかな、とちょっと聞いているうちにその気があると思われて、粘られて散々なこともたまにある。
自慢じゃないが、ワタシは相槌がとてもウマイのだ。
話している相手を調子にのせてしまうことが得意なのだ。
で、はなしを聞いてみると、なんだかおかしなことに気づく。
つじつまが合わないことを強引に納得させようとしている。
「この投資のリスクは全くない」とか、
「在宅ワークで、ホームページのつくり方を知っていても20万円のホームページのつくり方の教材を買わないと仕事をやれない」とか、
「試供品としてつかってくださいという化粧品が1万円」とか。
そこのところを指摘すると、ますますムキになって、
「リスクはないんです!」とか
「教材を買っていただかないとはじまらない」とか
「1万円は高いですか?!」とか言い出す始末。
それ、全然、説明になってないって。
そんなワタシなので、街角キャッチもいつかフラフラとついていってしまう日が来るのではないかと、我ながら、内心ハラハラしていたのだ。
しかし、相槌上手で、あまり乗せられることもあまりないワタシでも
「押し」には弱いのである。かなり、弱いのである。
家に来た新聞勧誘員に負けた経歴を持つ。
興味もない巨人軍2軍の試合のチケットをむりやり押し付けられて、あっけなく敗北。
そんなワタシが街角キャッチにフラフラついて行ったら、
ヤバイ。ぜったいヤバイ。
と、いうところに、この本。
救いの手だ。
キャッチセールス潜入ルポ、だというから、フラフラとついていかなくても、わたしの好奇心満たされるぞ。
その名も
「ついていったらこうなった」
そうだよ、ついていったらどうなったかが知りたいのだよ。
こうして、ワタシの危機は回避されたのである。
因みにこれは雑誌に掲載されたものに再取材や加筆修正を加えたものだが、雑誌に掲載されたときのタイトルが「誘われてフラフラ」だっていうから、笑える。
これを読んで無用なトラブルを免れた人は少なくないのではないだろうか。
もしも、街角キャッチに好奇心が湧いて仕方がない人がいたら、この本をまず読んでみることをオススメする。
紙の本
実はこうなっていたあの先
2017/08/21 22:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
大胆にもキャッチセールスにわざとついていく筆者。そこで起こる出来事を解説付きで面白く語ってくれている。実は宗教団体であったり、マルチな商法を行っていたりとその実の姿を解き明かしてくれているので、好奇心あふれる人は一読するといいだろう。
なお本書はその後文庫版が出ているようである。
紙の本
街角はいつでも孤独なのだ
2004/01/07 00:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たびと - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社に入ったばかりの頃、話す相手といえばぬいぐるみのクマだけという日々だった(いや嘘だ、ぬいぐるみのクマなんて持ってたこと一度もない)。大阪から東京へ上京してきたばかりで友達もいなかったし、インターネットなんてものは当時最先端の軍事技術だった。
その頃、何より嫌いだったのはキャッチセールスの類だった。心の弱い人間が自分の生活を守るためには、絶対にキャッチセールスや電話勧誘や宗教の類とは話をしてもいけないと思っていた。
「あなたの幸せを祈らせてください」という人間に対しては、
「おれがおまえの幸せ祈ったるわ、5万円で」と切りかえし、
「手相の勉強してるんです」と寄ってくれば、
「勉強するなら金払え」と切り返した。
…なんだか自分が守銭奴のように思えてきたのでこの辺にしておくが、キャッチセールスや宗教の勧誘をしている人間があんなに多いのは、ひっかかる人間がいるからだ。
多分、最初は好奇心で、そして多くは孤独から。
じゃあこれについていったらどうなってしまうんだ?というのがこの本だ。
怪しい宗教やセールスに飲み込まれそうになりながら、時には真剣に怒り、かわし、戦いながら書き上げた本書は、さながら街頭の戦記だ。ほとんどの人には群衆の中の光景でしかないキャッチセールスに、好奇心だけを武器に殴りこんでいく多田の文章は、生身の迫力に満ちている。街頭手相見の親玉(しかも実はこれが某宗教の尖兵)に会ったり、ムキになって議論してみたり、変なセミナーに潜入してみたり。だが、そのことごとくから彼は生還している。なんと言う心の強さだろう。僕なら300万は毟り取られているね(すいません嘘です、300万なんて持ってません)。
僕の古い友人で、ある宗教の構成員をやっていた人間がいる。彼に会うといつもその宗教がよくないものであることを僕に説いて、絶対に入らないほうがいいよ、と言う。だが、彼はその宗教から脱会することはないのだ。
他に居場所がないから。
全ての心弱き人間よ、この本を読んで、路上の勧誘から生き残れ。君の居場所はそんな利害の絡まないところにきっと見つかるはずだから。敵の正体を見破り、この戦いに勝つのだ。
ああ、今日も駅前で彼らが待っている。
紙の本
上京したばかりの学生が身を守るために必要な書かも
2004/11/27 10:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の勤務先は渋谷にあり、週末には映画を見に新宿へ足を運ぶことが多いのですが、この本に登場するような「手相見の修行中」や「署名募集ボランティア」の若者の姿を頻々と目にします。彼らは私が学生だった20年以上も前から街を徘徊しており、十年一日変わることがありません。それだけキャッチセールスというのは「カモ」の絶えない、おいしい商売なのでしょう。
本書はそうしたキャッチの勧誘に敢えてついていった著者の体当たりの記録です。
キャッチの連中は専ら若者に狙いを定めているようですが、それは若さがもつ無知と人の良さにスキがあるからに違いありません。上京したばかりの学生だった頃の私もキャッチにどう対処すべきか判らず、電話セールスにもうっかり引き込まれそうになることがありました。知識と度胸の欠けた当時の私のような若者には、キャッチの怪しさを啓蒙してくれる書は必要でしょう。
その意味で本書には勧誘を断る上での対処法がいくつか書かれていて若者には有益だと感じました。
本書の難点は著者の筆力が低いところです。例えば次のような文章:
「部屋に入ると、目の前に銀行の受け付けカウンターのような光景が広がっていた。
番号札を取り、順番を待ち、金を払い商品を受け取るシステムで(中略)商品は1000円程度のものから2万円のものまでいろいろなものがある。」(126頁)
「いろいろなもの」とはどんな商品を指しているのか皆目わかりません。
取材力と表現力を持った人が書けばさらに興味深い書になったことでしょう。
またついていった先で繰り広げられるのは、私のような中年社会人にはある程度想像がつく展開ばかりです。ジャーナリスティックな視点は見られず、私的な面白体験記の域を出ません。キャッチに対して毅然たる態度を取ることが出来、一定の知識と常識を身につけた社会人にはさして必要性はない書といえるでしょう。