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商品説明
生活クラブ運動が歩んだ30年。この愚かな国に「待った」をかけた大勢のしなやかな女性たちが繰り広げる、新しい市民の社会とは? NGO、NPO、市民運動等に携わる人にとって、有効な実践的ヒントと提案に満ちた1冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
横田 克巳
- 略歴
- 〈横田克巳〉1939年茨城県生まれ。みどり生協を創り、初代理事長に就任。現在、福祉クラブ特別顧問、神奈川大学非常勤講師、生活クラブ生協・神奈川名誉顧問等を兼任。著書に「参加型市民社会論」等。
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紙の本
詰めの甘い信念
2002/07/13 22:13
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投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘が(アトピーではないけれど)皮膚のトラブルを抱えているため、我が家は生活クラブ系の生協から食品を購入している。というわけで、お世話になっているのに申し訳ないのだが、どうも生活クラブ生協には不思議な印象がある。神奈川県では政党を作って地方議会に議員を送り出したというニュースを聞いたり、生協という組識のかたちからは想像しにくい(だって使用者も従業員も同じ組合員のはずだ)労使紛争が多発しているという噂を耳にしたりしているうちに、普通の生協とは何か違う、どこか違う、という気がしてならなくなったわけだ。
生活クラブ生協の創始者の一人だった横田さんが書いたこの本を読んで、僕の疑問は少し解消された。生活クラブ生協は、〈生協〉活動に力点があるわけではなくて、ライフスタイルを変えようとする〈生活クラブ〉運動の手段として生協活動を利用しているのだ。そう考えると、わかる。政治活動に進出するのも、ライフスタイルをかえる運動の一環として、当然の選択なのかもしれない。〈みんなが組合員〉という生協組識のかたちにこだわらないから、労使紛争がおこっても当然なのかもしれない。なるほど、なるほど。
でも「組合員主権」や「自己決定・自主管理」(五七頁)を強調しながら、生活クラブ生協内部に結成された労働組合がストライキをしたことを「生協の主権者である組合員を無視しても平気でいられる人々が存在し、その根拠が、いわゆる労働三法であること。また、その雇用関係のせめぎ合いをメンバー主権の正義をもってしても押し切れない制度矛盾と優先順位の歪みに直面して、自らの主権が守られない生協の組合員の無念さ」(五九頁)としか理解できないところに、僕は横田さんの信念の詰めの甘さを感じて、違和感がある。生協だろうが何だろうが、働く人である従業員には労働三法に守られる権利があるという労使関係の〈きほんのき〉がわかっていないようだから。従業員も組合員であり、だから「組合員主権」と「自己決定・自主管理」の担い手だという、生協活動の〈きほんのき〉ことがわかっていないようだから。