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商品説明
現在をつくり出してきたのは、昭和という時代にモノづくりを進め、努力してきたローテク最前線の人々なのだ。超精密歯車製造、船舶外壁加工など、ハイテクを支えるテクノ・マエストロたちの神業を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
赤池 学
- 略歴
- 〈赤池学〉1958年東京都生まれ。筑波大学生物学類卒業。科学技術ジャーナリスト、ユニバーサルデザイン総合研究所所長。著書に「代官山再開発物語」「トヨタを知るということ」など多数。
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紙の本
ものづくりに欠かせない職人芸の世界
2001/09/11 17:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ローテク」という新しい言葉がある。ハイテクの対義語だが、決して低いテクノロジーではない。大田区にある小さな工場が、世界トップレベルの技術を持っているというのは有名な話。製鉄炉の建造や大型クレーンの製造といった大規模なものから、液晶プロジェクタのプリズム加工やノートパソコンの金型製作という身近なものまで、そうした職人芸が生きているのである。
だが、単に優秀な職人がいるという話ではない。そうした職人が育ってきた背景こそが重要なのである。技術を支えるということが、いかなる意味を持つか。これを読むとよく分かる。
紙の本
もの作りの素晴らしさを伝える良書
2002/07/25 10:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:淳一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ローテクの最先端は実はハイテクよりずっとすごいんです。」とはこれまた
変わったタイトルの本書だが、中身は実に質実剛健で、もの作りの重要さを事
例を挙げて切々と説く良書である。日本における産業の空洞化の危機が叫ばれ
はじめて久しい。しかし最先端の技術開発、というよりほとんど伝承芸能に近
いレベルの職人芸は切々と受け継がれ、磨かれていた。
私自身「もの作り」は大好きで、いわゆる理系の道に進んだ。現職はソフトウェ
アエンジニアなのでなかなか有形のものを産み出すことができない寂しさはあ
るものの、新しいソフトウェアを編みだしていく喜びを日々感じている。その
ような立場の人間なので、日本の高度成長を支えてきたこのような職人芸の火
は絶やさないでほしいと切に共感する。本書でも、技術を受け継ぐ次の世代が
なかなか育たないと憂う意見が何度も述べられている。最近は理系離れが進ん
でいるともきく。次代の日本を担うワカモノにはぜひ本書を読んで、もの作り
の素晴らしさに気づいてほしいところである。
紙の本
単なる職人芸の紹介記事で終わらず持続可能社会への大きな視点を持つことに魅力
2001/01/05 11:35
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投稿者:村野慎一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ITによってモノ作りの現場は大きく変貌してしまった。CAD/CAMやNC制御の機械によって、昔ながらのモノ作りは陰をひそめ、大手製造業のラインではプログラミングとマシンオペレーションにその姿を変えてしまったかのようだ。
しかしデジタルを追い詰めていけばいくほど、アナログな部分が溢れ出してきて、人間の五官をフルに生かしたモノ作りが必要にならざるを得ない現実がある。本書では匠の技とでも言うべき事例が36社に亘って繰り広げられていて壮観。ここを読むだけでも日本の製造業の未来をを占う材料にいくらでも出会うことが出来る。
しかもそれは単なる職人芸の紹介記事ではなく、何度も繰り返されていく「不易」という著者の言葉に象徴されるように「昔から変わらぬ技術を未来に伝承させ、持続可能な社会に踏み出していく」という大きな視点へと次第に向かっていく。
現在下請け製造業は猛烈なコストダウンとグローバル競争、顧客大企業の内製化、下請け自身の整理淘汰の流れによって、非常に厳しいところに立たされているが、その一方で大企業を凌ぐ強みを発揮しているところも数多く出てきている。
そうした勝ち組の基本戦略はナンバーワン戦略・オンリーワン戦略であるわけだが、著者の愛情とでも言うべき中小企業の強み弱みへの考察を読んでいくと、自己責任で生き残らなければならない21世紀の我々の生き様を示唆しているかのようでもあり非常に興味深い。