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商品説明
歴史家・網野善彦は、厖大な読書量とさまざまな人々との出会いから、歴史研究の枠をはるかに凌駕する成果を得た。彼の短文・対談・インタビューなどを編集。歴史を研究することの愉しさを教える。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
人生とともにある読書 | 12-16 | |
---|---|---|
自分の「眼」で本を読む | 17-26 | |
アジアと日本の〈海の民〉 | 鶴見良行 対談 | 27-47 |
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紙の本
士農工商はイデオロギーであり、実態ではなかった
2009/08/25 00:32
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は網野善彦(2004年に亡くなられた)となっているが、彼が書いた本というよりは、「出会い」をキーワードに彼の評論文や対談などを寄せ集め、構成した本である。縄田一男や北方謙三、宮崎駿との対談もあって興味深く読ませてもらった。
3章の冒頭では意外にもアニメ映画「もののけ姫」に対する評論が書かれている。網野はこの映画を次のように観た。人間は自然を殺して生きてきた。「しかし自然はそんなにヤワなものではありませんから、殺しても殺しても生き返る強靭な生命力を持っている。人間自身もそれは同じだ」ということを表現していると。自然も、その一部である人間も逞しい。だからといって人間が反省もなく、従来どおり自然破壊することを認めているわけではないだろう。
4章では学問のあり方について次のようなことを言っている。急速に変貌しつつある日本社会において学問がなすべきことが多いと言い、「狭い専門領域にとじこもっていてのでは、もはやこの状況に対応できない」「異なった学問の間の緊密な協力」が必要としていると。逆説的ではあるが、そのためにも「自らの方法を一層鍛え、独自な分野を深く掘り下げる」ことが求められるとし、そうなって初めて真の交流や協力が達成できるとしている。
ますます複雑化する世の中で一人の人間に出来ることは限られている。だからこそ各自が得意分野ごとに役割を分担し、協力し合うことで、効率的になり、新たなアイデアや相乗効果も現れてくるだろう。これは学問の世界だけの話でなく、ビジネスの世界や公的なサービスなどでも同様だろう。社会を良くし、幸せに生きていくためには皆が持つべきマインドである。