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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.1
- 出版社: 翔泳社
- サイズ:20cm/366p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-88135-815-4
紙の本
DNAのらせんはなぜ絡まらないのか
著者 ニコラス・ウェイド (編),中村 桂子 (監修),翻訳工房ことだま (訳)
ヒトゲノム完成間近にして、人類の今後はどうなるのか、また人間とは何かを遺伝子を通して浮かび上がらせる。『ニューヨーク・タイムズ』の科学コラムで連載された、DNAに関する米...
DNAのらせんはなぜ絡まらないのか
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商品説明
ヒトゲノム完成間近にして、人類の今後はどうなるのか、また人間とは何かを遺伝子を通して浮かび上がらせる。『ニューヨーク・タイムズ』の科学コラムで連載された、DNAに関する米国の遺伝子業界の最新情報を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ニコラス・ウェイド
- 略歴
- 〈ウェイド〉1942年イギリス生まれ。『ニューヨーク・タイムズ』科学レポーター。著書に「ノーベル賞の決闘」「恋のかけひきはグッピーに学べ」など。
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紙の本
解き明かされた遺伝子から21世紀を読む。第2世代の遺伝子工学の開幕
2000/09/14 00:15
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投稿者:内海 龍太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年代,遺伝子の構造の解明,遺伝暗号の解読以来,地球上に存在するすべての生物は姿,形は異なるが,遺伝子を中心に語られるようになった。このような遺伝子を中心にした生命観はセントラルドグマと呼ばれるようになり,20世紀現代社会の人間の哲学思想,生命像に大きな影響を与える事になった。このようなセントラルドグマの原理に基づき,1970年代,誕生した遺伝子工学は医薬品,遺伝子組み替え作物など,医薬農業生産にバイオテクノロジーの飛躍的な発展をもたらした。1990年代において,ヒトの全遺伝子(ゲノム)解読作業が開始され,今世紀末において,その全貌がほぼ明らかにされてきた。さらに,ヒト以外の生物も続々とそのゲノム構造が明らかにされるようになった。
これらの,豊富な遺伝子資源を利用し,新たな第2世代の遺伝子工学が誕生しようとしている。本書は,ゲノム・サイエンスの最新の成果と米国におけるゲノム産業の実態が生き生きと述べられている。
本書において,ゲノム・サイエンスのもたらす革命的な成果の数々が紹介されている。たとえば,ハンチントン病遺伝子,てんかん遺伝子,肥満遺伝子,乳がん遺伝子などの遺伝子が続々発見され,21世紀が遺伝子治療の時代になることを期待させられる。病原菌ゲノムの解読は,新しい抗生物質の標的探しに有望で,21世紀の感染症対策に重要な役割を果たすと思われる。さらに,われわれ人間の寿命,心の問題までも遺伝子により解明されつつある。
さらに,遺伝子研究の進展により,生命の神秘のベールが一枚,一枚はがされた。生命の誕生の神秘はもう神の領域ではなく,生命工学とも言うべき時代の到来が,否応なく21世紀に待っている事を読者は知らされる。生命誕生とは,受精卵のゲノムにプログラムされている遺伝子情報が逐次解読されていくことにより可能となる。本書では,発生プログラムにかかわる重要な遺伝子の発見を概観し,臭覚,毛の成長パターンの決定など生体の生理学についての,遺伝子レベルの説明が紹介されている。
驚くべきことに,それらを支配する遺伝子の操作により,1つの細胞からいくつもの目を発生することも可能となっている。これらの生命操作はクローン動物の作成技術とも連携し,21世紀のライフ・サイエンスの基幹となる。このように,本書は遺伝子研究ならびに遺伝子産業の最前線の内容をていねいに,読者に紹介することにより,遺伝子からみた,21世紀社会を見事に浮き上がらせている。
(C) ブックレビュー社 2000