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紙の本
<戦争報道にむやみに流されることなく戦争について深く思索する>
2003/05/20 16:56
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投稿者:まんでりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争については、おおむね、変に感情的になるか、あえて触れずに済まして忘却のかなたに押しやろうとするか、好事家の趣味になってしまうか、技術的戦略的分析になるか、むやみな精神論に帰着してしまうかすると言えよう。
無論その中にも優れたものは少なくはない(事実こう書きながらも何冊かの書名が頭をかすめる)が、この本のように、落ち着いて時間的、空間的に全体を通観した上で、個々の事象に踏み込み、あるいはその逆の道筋を辿って、ついには死生観にまで辿り着いたものは珍しいのではなかろうか。
著者は、「見るべき程ほどの事は見つ」という平知盛の言葉を引用して、かつての「戦争」は、今なお「見るべき」ものとしてわれわれの前にあると言う。
地道で学術的な研究の積み上げの全体を通して、著者のこのような透徹した眼差しが感じられる。
この本を読んで、もう一度、石光真清や吉田満が読み返してみたくなった。