ＴＩＭＥ２１世紀大予測 どうなる１００問、こうなる１００答

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投稿者：西川大亮　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　米週刊誌『ＴＩＭＥ』に掲載された、未来を語る１００問１００答集。設問が多岐にわたるがゆえに執筆者は多彩で、作家や学者、軍人、さらにはビル・ゲイツといった企業経営者までもが参加している。また選ばれたトピックや行間から、米国の現状が透けて見える点も、なかなか興味深い。
　設問は８つのカテゴリー（環境、社会、政治、生活、科学、医療、テクノロジー、宇宙）に分かれる。内容は切実な話題“貧しいものに希望はあるか？”や、評者としては斜に構えたくなる話題“ダウ平均は５万ドルに達するか？”、ちょっとひねった設問“ティーンエージャーがいなくなるのか？”“ログオフできるだろうか？”、夢のあるもの“タイムトラベルで過去に行けるか？”などなど、様々で飽きない。
　また多くの専門家が執筆することで、回答のレベルが保たれているように感じる。執筆者名が巻末にしか記載されていないのは残念だが、紹介文の読後に本文を読み返すと、著者のスタンスがわかって楽しい。
　各設問ごと完結した文章なので、ページ数が多くとも苦にならない。上手にウンチクを語れる人なら、「会話の種」としても重宝するかも。なにより未来を語る楽しさを共有できる一冊だ。

（西川大亮／北海道大学大学院 工学研究科 博士課程）