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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.5
- 出版社: 早稲田大学出版部
- サイズ:21cm/197p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-657-98526-4
- 国内送料無料
紙の本
スペインの社会 変容する文化と伝統 (Waseda libri mundi)
伝統的価値観は崩壊したが、「友人至上主義」は根強く残る。民主主義が定着して当たり前のヨーロッパに近づいたスペインの現実を、住まいと風土、多言語国家、ガウディなど多角的に探...
スペインの社会 変容する文化と伝統 (Waseda libri mundi)
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商品説明
伝統的価値観は崩壊したが、「友人至上主義」は根強く残る。民主主義が定着して当たり前のヨーロッパに近づいたスペインの現実を、住まいと風土、多言語国家、ガウディなど多角的に探る。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
スペインを定点観測する | 寿里順平 著 | 13-18 |
---|---|---|
価値観の変容 | 野々山真輝帆 著 | 19-43 |
住まいと風土 | 入江正之 著 | 44-68 |
著者紹介
寿里 順平
- 略歴
- 〈寿里〉1936年生まれ。早稲田大学法学部教授。著書に「カリブの国々」など。
〈原〉1943年生まれ。早稲田大学商学部教授。著書に「フランス資本主義」など。
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掲載情報が古くなりつつあるかもしれないが、類書に見られないテーマは評価できる
2005/01/14 09:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
スペイン現代事情を概観する書で、出版は98年5月です。
2章4項「ラテンアメリカとスペイン」、スペインと中南米でのtuとUstedの用いられる範囲に違いがあり、スペイン人の気安さが中南米ではぞんざいと受け取られる点は社会言語学的に大変面白いところです。この章を執筆している野々山真輝帆氏はこれまでもスペインの文化や社会を平易な言葉で紹介してきた実績のある人物だけに、その文章のわかりやすさには好感が持てます。
4章「多言語国家と言語の共存」はスペイン言語学学会会長を務める、この分野ではスペインを代表する人物が執筆しています。ですが、和訳があまりにも読みにくくて大変残念です。
6章「映画からみたスペイン社会」ではフランコ政権下の検閲制度や外国映画への対抗措置などについて興味深く読みました。スペイン語への吹き替え制度が国民の理解を助けるためというよりは、保守的価値観にそぐわない台詞を密かに削除する手段として用いられていた点などは、言論統制の巧みさと空恐ろしさを感じないではいられません。
アルモドーバルの映画の表題「Que’ he hecho yo para merecer esto?」を「何でこんな目にあうの?」と和訳していますが、本書出版時には「グロリアの憂鬱」という題名で日本ではビデオ販売されていましたから、その邦題で表記したほうが良かったのではないでしょうか。
8章「歴史からみたスペイン社会の特質」ではフェリーペ2世をフィリップス2世(180頁)、カール・マルテルをチャールズ・マルテル(187頁)と英語風に記述している点が納得できませんが、イスラム影響下のイベリア半島の様子を限られた紙幅の中で簡潔に記述して点は大いに参考になりました。