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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.5
- 出版社: 早稲田大学出版部
- サイズ:21cm/203p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-657-05413-9
紙の本
報道が社会を変える (石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座講義録)
第1回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の推薦・応募作品のなかから、公共部門、草の根民主主義部門、文化貢献部門受賞者が行った講義を収録。さらに、選考委員のなかから講義に...
報道が社会を変える (石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座講義録)
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商品説明
第1回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の推薦・応募作品のなかから、公共部門、草の根民主主義部門、文化貢献部門受賞者が行った講義を収録。さらに、選考委員のなかから講義に加わった2人のジャーナリズム論も収める。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ジャーナリズムの九〇年代 | 内橋克人 著 | 1-22 |
---|---|---|
阪神・淡路大震災の報道 | 上羽慶市 著 | 23-68 |
映像ジャーナリズムの可能性 | 曽根英二 著 | 69-116 |
著者紹介
原 剛
- 略歴
- 〈原剛〉早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。
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紙の本
報道のあり方が良くも悪くも社会を変えることを知るべし
2005/08/31 05:48
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
早稲田ジャーナリズム大賞など知りもしなかったが、石橋湛山が冠となっていることに目を引かれた。
「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」は、「在野、反骨、利益に流されぬ理想の追求を志すジャーナリズム伝統を受け継ぎ、著しい社会貢献をなした言論活動を顕彰するために2001年5月に創設された」
本書は、この大賞の記念講座の講義録。もっとも注目したのは、内橋克人氏。
「ジャーナリストには二種類しかない。優れているか、優れていない、ではなく、伝えるべきを伝えているか、そうでないのか」「尺度は唯一、それだけです」
そして、作為的なジャーナリズムの実態を鋭く批判する。報道のあり方が「大きく世論のあり方を左右する」。そんな意図的な報道の実態を本書からうかがい知ることができる。
内橋克人氏はいう。「隠されたものを報道し、世に真相を伝える、という意味での『報道が社会を変える』なら反対ではない。しかし、いま話してきましたように、ある政治的目的を達成する、それを通じて『報道が社会を変える』こともあり得るという、恐ろしい側面もまた知らなければならないでしょう」
上羽慶市氏による「阪神・淡路大震災の報道」では、報道を誰の視点から行うことが重要なのか、阪神大震災という具体的経験から示される。
また、曽根英二氏が豊島の産廃問題で、報道が政治を動かした現実を語っている。
真田和義氏が「旧石器発掘ねつ造」スクープの裏側を語っていおり、興味深く読んだ。ただ、スクープという功名心が見え隠れした部分もあり、少し疑問を感じた。
佐野眞一氏の論には納得できない部分が多く含まれ、とりわけ人を見下し自分だけが正しいような視点には反発さえ感じた。
報道のあり方が問われる今日、「在野、反骨、利益に流されぬ理想の追求を志すジャーナリズム」が求められている。報道のあり方と社会を考えるうえで、重要な提起を含んだ講演者の意見を聞くことも、いま必要だろう。