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- カテゴリ:中学生 一般
- 発行年月:2001.6
- 出版社: 扶桑社
- サイズ:21cm/261p 図版13p
- 利用対象:中学生 一般
- ISBN:4-594-03156-0
紙の本
新しい公民教科書 市販本
著者 西部 邁 (ほか著)
西尾幹二を代表にして執筆された新しい「歴史」の教科書ともども、マスコミや知識人から標的とされてきた「新しい公民教科書」。国民の判断を待つという姿勢の「市販本」。【「TRC...
新しい公民教科書 市販本
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商品説明
西尾幹二を代表にして執筆された新しい「歴史」の教科書ともども、マスコミや知識人から標的とされてきた「新しい公民教科書」。国民の判断を待つという姿勢の「市販本」。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
公民教科書で国際社会を学ぼう
2003/05/19 10:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の姉妹版とも言える「新しい歴史教科書(市販本)」は、60万部を超えるベストセラーとなった。それによって、相対的に本書は影が薄くなってしまった。しかし、本書の中にも、是非とも子どもたちに教えたい重要な記述が少なくない。
まず、本書(扶桑社版「新しい公民教科書」)は、中学校公民教科書の中で、唯一「北朝鮮による日本人拉致問題」を扱った教科書である。横田めぐみさんの写真入りで1ページのコラムにまとめている。拉致事件を通して、国家主権と人権について考えさせることは重要である。
また、「考えてみよう」として、「国旗・国歌に対する意識と態度」が2ページ記述されている。その前半部分は特に重要なことが書かれている。
多くの国では国旗・国歌を特別に保護し、尊重することを定めているとした上で、「わが国では、自国の国旗・国歌を尊重する気持ちがうすいとともに、他国のそれについてもうすい」ために、「外国で知らず知らず非礼な態度をとってしまう者もいる」のである。そして、ケニアに派遣された青年海外協力隊員の失敗談を載せている。理屈ではなく、具体的な失敗談を知ることで、読者の印象に残るのである。
欲を言えば、もう1、2の失敗例があればもっと良かっただろう。例えば、外国のスポーツ大会などの式典で、日本人青少年の団体が国歌斉唱の折に座ったままでいて、大ひんしゅくを買う例が少なくないと聞く。
国旗・国歌を尊重する態度は、国際社会の基本的マナーである。外国の式典などでは、国旗掲揚・国歌斉唱の際には外国人であっても起立して姿勢を正さなければならない。そのように外国の国旗・国歌に敬意を払うためには、まず自国の国旗・国歌を尊重する姿勢がなければならない。国際社会における日本人として、まず「日の丸」「君が代」を無意識のうちに尊重する態度を身に付けることが必要である。それによって、外国の国旗・国歌にも自然に敬意を払う態度を示すことができる。
わが国で、近隣諸国との友好・親善を特に重要視する一部の人たちが、「日の丸」「君が代」を蔑視するような言動を見せることは、私には全く理解できないのである。
そのほか、私が注目するのは、「核兵器廃絶という理想を考える」というコラムである。
「多くの人々が、国際平和の見地から、核兵器廃絶を強く望んでいる。」そして、この問題は、「一国だけの努力で解決するものではなく、世界各国の共通理解と信頼関係の上で実現すべき理想である。」
しかし、「もし核兵器廃絶が表面的に合意されたとしたら、そのときが、世界にとって最も危険な瞬間だともいえる」。なぜなら、「核兵器廃絶の禁を破るものが世界を支配するかもしれない」からである。
つまり、「全世界の人々が信頼を裏切らない、核兵器廃絶に違反するものがいないという前提がなければ、どんな理想も空論に終わってしまう」のである。
これは極めて正論である。世界を見渡すと、核兵器の保有に固執する指導者や、武力を背景に他国を威嚇する国家が存在することは、歴然たる事実である。単純に核兵器反対を叫ぶだけの観念的な平和論に凝り固まるのではなく、国際社会の現実をしっかりと認識することも重要である。
本書には重要な記述がたくさんあるが、それを生かすも殺すも教員の資質次第であることは言うまでもない。
紙の本
「歴史」よりおもしろい
2001/06/17 16:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実はかなり豪華な執筆陣がそろっているかもしれない公民教科書。個人的には歴史教科書よりこちらの方が面白かった。「公民」であるということは「市民」とも違うし、ましてや「大衆」ではない。これにははっきりとした答えはない。安易な「公民としての自覚」なんてものは、せいぜい「選挙に行きましょう」程度のものだと思う。もっと、自分の頭で考えることが必要なものだと思う。その意味ではこの教科書はそれなりに有意義なものであると思う。
とくに、住民投票などにたいして一応両論併記の形をとりながら、「しかしながら〜」以降の反対材料が異様に多いあたりは良い。テレビのような大衆向けの情報媒体が流すことについて疑う能力を養うことは、「歴史認識」よりよっぽど重要なことだ。
地理や歴史や国語と違って、公民教科書をまともに読みたいと思う中学生なんて、どうせ居ないだろう。せめて、そんな公民教科書くらいは、マスコミの訳の分からない論理が通用しない聖域であってほしい。