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紙の本
出身地でわかる中国人 (PHP新書)
著者 宮崎 正弘 (著)
「北京愛国」「上海出国」「広東売国」といわれる中国が1つなんて、ありえない! 33すべての省、市、自治区、特区を踏破した著者が、地域ごとの多彩な「お国柄」を紹介。本邦初の...
出身地でわかる中国人 (PHP新書)
出身地でわかる中国人
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商品説明
「北京愛国」「上海出国」「広東売国」といわれる中国が1つなんて、ありえない! 33すべての省、市、自治区、特区を踏破した著者が、地域ごとの多彩な「お国柄」を紹介。本邦初の出身地別中国人探訪の書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
宮崎 正弘
- 略歴
- 〈宮崎正弘〉1946年金沢市生まれ。早稲田大学英文科中退。『日本学生新聞』編集長、月刊『浪漫』企画室長などを経て、「もう一つの資源戦争」で論壇へ。著書に「中国大分裂」「対中対決時代がきた」等。
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紙の本
面白いのだが、記述の仕方のために損をしている
2006/03/07 20:42
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
一口に中国といっても、省、市、自治区、特区をあわせると33にもなり、少数民族も55にもおよぶため、地方・地域によって風土や人柄が違うことはたしかに想像できる。日本だって、東北の人と九州の人とではひとくくりにはし難いであろう。
著者は33のすべてに実際に足を運んで、省ごとの違いを体感し、記述しているのだから、それだけでもすごい。歴史的文献やその省の出身者を例に挙げながらも、自分で見聞きしたことをもとに書いているので、「それなりに」説得力がある。
「それなりに」と、ただし書きを付けたのは、やはり、その省の人がすべて、そのような性格を持ち、行動するわけではないだろうから、少し断定しすぎているのではと感じたからだ。九州出身だからといって、男はみんな骨っぽい九州男児ばかりかというと、同意する人は少ないであろう。
明快に言い切ることで、わかりやすさを生んでいるのは認めるが、人の多様性についても配慮しないと、「中国人というのは・・・だから困る」という著者の壊したかった偏見が、「広東省出身者というのは・・・だから困る」などといった新たな偏見を生む恐れもある。もっとも、省ごとの特徴を新書で分かりやすく説明している類書は少ないので、貴重な本であると思う。特に、これから中国大陸に進出したいと考えている企業人には、どの省に進出するのがよいかの目安になると思われる。
それにしても、日々変わりゆく現代中国にくまなく足を運び、情報収集に精を出す著者は相当な行動派である。客観的な視点と、主観的な視点を書き分ける工夫をすれば、もっと多くの人から支持されるのではないだろうか。この点で著者はやや損をしている感じがした。