紙の本
20世紀最後を方向づけた古典
2001/09/08 00:41
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投稿者:道成寺 新 - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な本、のはずである。しかし、今、BPRと言っても流行るわけでもない。もう、時代遅れ、という感もある。第一、この本を書いた人たちだって、リエンジニアリングって良くなかったかも、みたいなことを言い出している始末だ。
でも、これがなかったら、20世紀最後の10年に経営手法の適応へのもっともらしい言い訳が生まれないで、数々の喜悲劇も生まれなかっただろう。良いのか悪いのか。それはわからない。でも、20世紀最後の何年かはこれをもとに動いていったのだ。
野中郁次郎の解説もグッド。21世紀に20世紀を振り返るとしたら、挙げられてしかるべき本である。
紙の本
いまでも大事だと思います
2001/02/15 07:34
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投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
「リエンジニアリング」というと、どうも「ナレッジ・マネジメント」の前に流行した経営手法ということで、いまではほとんど無視されているように思います。しかし、経営学の世界、そしてビジネスの世界の両方に大きなインパクトを与えた本として、いまでもその中身には納得させられることが多いです。
本書の主張は極めて明快です。「業務の抜本的な見なおしをせよ」ということです。リエンジニアリングは、既存の業務の流れを情報技術を用いて抜本的に再構築するというものです。
日本企業のQC活動や「カイゼン」が本書のベースになっているということを聞いたことがありますが、ITを使うところや、こんな感じにパッケージ化する能力など、日本がアメリカに学ぶところはまだまだたくさんあるな、と感じる本です。
紙の本
結局,ダウンサイジングやリストラクチャリングとはどう違うのか?
2002/11/06 02:03
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投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
原著題名は,_Reengineering the Corporation --- A Manifesto for Business Revolution_,(1993)。ハマーは,ハマー・アンド・カンパニー社長。元MIT教授(コンピュータ・サイエンス)。「リエンジニアリング」概念を着想。チャンピーはCSC Index社会長。同概念の実践隊長。監訳者は1935年(東京)生まれ。橋大商学部教授(産業経営研究所)。早大政経卒(58年),Ph.D取得(カリフォルニア大学経営大学院,77年)。下訳は,一條和夫(橋大社会学部助教授)とその関係院生ら計5人。訳書は刊行後1ヶ月半で6刷。売れちょる。
(1)現状認識(第1章「現代企業の持病」),(2)リエンジニアリングとはなにか---(a)概論(第2章「リエンジニアリング---変革への道」,第3章「ビジネス・プロセスの再考」)(b)目標(第4章「新たな仕事の役割」)(c)手段(第5章「情報技術の役割」)(d)実行主体(第6章「誰がリエンジニアリングするのか」),(e)具体例(第7章「リエンジニアリングの探求」,第8章「プロセス・リデザインの試行」),(3)事例研究(第10章「ホールマーク」,第11章「タコベル」,第12章「キャピタル・ホールディング」,第13章「ベル・アトランティック」)(4)失敗予防(第14章「リエンジニアリングを成功させる」),の四部構成。(4)があるのは行き届いた配慮。
「リエンジニアリング」とは,「『すでにもっている知識と現代の技術のもとで,もし今日この会社を再び創り上げるとしたら,それはどのようになるか』と問いかけること」(55頁),「コスト,品質,サービス,スピードのような,重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために,ビジネス・プロセスを根本的に考え直し,抜本的にそれをデザインし直すこと」(57頁)。ダウンサイジングやリストラクチャリングなど「他の[ビジネス修正]プログラムとはほとんどまったくといっていいほど共通点をもたないし,リエンジニアリングと共通の前提をもつものとも,決定的な違いがある」(78頁)。着想じたいは素晴らしい。とは言っても,ダウンサイジングやリストラクチャリングの基本原理がリエンジニアリング的でなければ,それぞれは闇雲な企業規模縮小や支離滅裂な事業統廃合に過ぎなくなる。自分たちの考案した概念とは区別しようと対立させているこの二つの推進原理の“再発見”が「リエンジニアリング」という概念だと思わざるをえない。首尾よくいったダウンサイジングやリストラクチャリングとはどう違うのかの念入りな説明が欠如している。
訳文はこなれており,監訳者と下訳者の言語運用力を傍証するものだ。しかしそれにしてもカタカナが多すぎる。「ビジネス・プラクティス部門」(63頁),「プライシング担当者」(65頁),「フィールド・サービス・プロセス」(91頁),「ビッド・プレパレーション部門」(106頁)など,素人にゃわからん。「リエンジニアリング・ツァー」(170頁)の「ツァー」は帝政ロシア皇帝を意味する「ツァーリ」の方が適切(確かに『広辞苑』(第四版)にも掲載されてはいるけれど)。「キャシー・ステンゲル」(121頁)などの人物名には解説が必要(翻訳とは文化の紹介であるという教えは翻訳入門水準)。カタカナではないけれど,「支払い部門」(67頁)は経理部とどう違うのか? 邦訳書題名でもあり,本書主要概念である「リエンジニアリング」も「再創業」のほうが,端的なような気がする。
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BPRってそもそも何だっけ?ということで、手に取った1冊。
リエンジニアリングについて歴史的背景まで含めた基礎を学べる。
借りて読んだものの、第1章時点で購入を決めました。
仕事上、BPR+IT導入みたいなことをやっておりますが、
ITとセットにされることで、本来の意味が見えにくくなってしまっていると感じる。
システム導入や組織改革の前に、もっと「プロセス」に焦点をあてて改善策を検討する必要がある。
とはいえ、経験上プロセスを変えるのが一番大変なのですが、、
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
企業の経営・業務をまったく新しくつくり直すための体系的な方法の原理を提示する重要な本。ビジネス・リエンジニアリングとは何なのか、なぜそれが必要なのか、などを明瞭に、わかりやすく解説。
From Publishers Weekly
Management consultants Hammer and Champy thoughtfully critique the management procedures of American business and offer a promising prescription in this invigorating study. "It is no longer necessary or desirable for companies to organize their work around Adam Smith's division of labor," they state, arguing that task-oriented jobs are becoming obsolete as changes in customer bases, competition and the rate of change itself alter the marketplace. Post-industrial companies must be "reengineered," which necessitates starting anew, going back to the beginning to invent a better way of accomplishing tasks. The process requires a leader with vision using information technologies, consulting closely with suppliers to reduce inventories, and empowering employees so that decision-making "becomes part of the work." Hammer and Champy acknowledge that reengineering can be difficult to launch and to sustain; yet they provide clear, specific guidelines and excellent case studies. Their superb book should have strong appeal to managers and general readers alike.
Copyright 1993 Reed Business Information, Inc. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
Book Description
No business concept was more important to America's economic revival in the 1990s than reengineering -- introduced to the world in Michael Hammer and James Champy's Reengineering the Corporation. Already a classic, this international bestseller describes how the radical redesign of a company's processes, organization, and culture can achieve a quantum leap in performance.
But if you think that reengineering once was enough, think again. More changes, more challenges are coming in the twenty-first century. Now Hammer and Champy have updated and revised their milestone work for the New Economy they helped to create -- promising to help corporations save hundreds of millions of dollars more, raise their customer satisfaction still higher, and grow ever more nimble in the years to come.
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
From the Publisher
Reengineering the Corporation sets aside much of the received wisdom of the last 200 years of industrial management and in its place presents a new set of organizing principles by which managers can rebuild their businesses.
The book provides numerous examples and in-depth case studies of how leading organizations are achieving significant competitive gains through reengineering: How Ford Motor reduced the size of its North American accounts payable organization by 80% while improving the process; how IBM is leasing subsidiary cut its deal-making process from seven days to four hours; and how Taco Bell used a new set of production and management processes to fuel a six-fold growth in revenue.
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
About the Author
Dr. Michael Hammer is the leading exponent of reengineering and the founder of the reengineering movement. President of Hammer and Company, a Cambridge, Massachusetts management consulting and education firm, Hammer wrote the influential 1990 Harvard Business Reviewarticle, "Reengineering Work: Don't Automate, Obliterate." He also co-authored the bestselling The Reengineering Revolutionand Reengineering the Corporation.
Hammer regularly addresses and consults with many of the world's leading companies on the topic of business reengineering. His seminars on reengineering are attended by thousands of people annually.
Hammer has been profiled in Business Week, The New York Times, The Boston Globe, and numerous business publications. He was named one of the four preeminent management thinkers of the 1990's by Business Week and one of America's twenty five most influencial individuals by Time. He was formerly a professor at the Massachusetts Institute of Technology where he received his bachelor's, master's and doctoral degrees.
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
目次
現代企業の持病
リエンジニアリング―変革への道
ビジネス・プロセスの再考
新たな仕事の世界
情報技術の役割
誰がリエンジニアリングするか
リエンジニアリングの探求
プロセス・リデザインの試行
リエンジニアリングに着手する
ケーススタディー―ホールマーク
ケーススタディー―タコベル
ケーススタディー―キャピタル・ホールディング
ケーススタディー―ベル・アトランティック
リエンジニアリングを成功させる
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経営書で知った書籍で、コンセプトに興味がわいた。
日本に圧倒された時期に、米国の様々なジャンルの人が、日本を研究したらしい。
そのアウトプットの一つだろう。
改善ではなく、革新以上の変化を説いている。
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・リエンジニアリング=IT利用、とは限らない
・プロセスを根本から抜本的に且つ劇的に、が重要
・野中さんの『リエンジニアリングを超えて』と併せて読みたい
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リエンジニアリング
新しい言葉からと思ったら、もう四半世紀前の本だった
手にとったきっかけは自社で取り組みをはじめて
結構な年月がたったから
言葉の正確な意味を知るのが目的だったが
その意味は奥深いものだった。
そもそもアダム・スミスが考えだした分業のシステム
我が社はまさにこのスタイルがいまだに。。。。。
そして、実務上はもう崩れるしかなく
そのプロセスはかなりイジられてしまって
イレギュラーなフローが通常フローとなりつつある
つまり時代遅れは否めず、四半世紀前のことでも
取り組む価値が十分にあると言える。
しかし、その内容は、さすが始めた人たちがよくわかっていたんでしょう。 だいぶ斬新な方向で自社は動いているようだ。
そんな中、しっかりとその考えとプロセス
そして正確な意味と視点を手に入れられたことは好都合だった。
分厚い本だけど、多くのものを得ることができた。
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本の内容というよりは、日本が世界に誇る頭脳・野中郁次郎先生が監訳したという理由で読んでみようと思った本です。
※野中郁次郎先生は、SEにとっては情報処理試験の頻出キーワード「SECIモデル」の提唱者だという説明が一番ピンとくるかもしれません。小池百合子都知事の座右の書だという『失敗の本質』を書いた「6人の大学教授」の一人でもあります。
「リエンジニアリング」は、一言で言えば 「顧客の視点から見た業務プロセスの抜本的な組み直し」のことです。
<以下、要約>
アダム・スミス以来の分業的・官僚的な組織は、以下の前提に基づくモデルであり、大量生産の時代においてはうまくいっていた。
・労働者の技術は限られていて、トレーニングのための時間も余裕もない。
・実際に仕事をする人は、その仕事を監視したり管理したりする時間もないし、そうしたいとも思わない。
・実際に仕事をする人は、その仕事に関する意思決定を行うために必要な知識も持っていない。
でも、いくつかの問題もはらんでいた。
・分業しすぎた各部門の効率を部分最適の視点で見れば生産性は高まっていても、
各部門をつなげるための間接コスト(中間管理職の存在とか)がふくらみすぎて、全体最適の視点ではかえって生産性が下がってしまうという問題。
・分業した部門をつなげるために中間管理職がいて⇒さらにその中間管理職をつなげるための管理職がいて⇒さらにその管理職を・・・ と、組織が階層化していくことにより、
トップマネジメントになるほど現場のことが見えていない、という状況が引き起こされた。
そんな状態で、「実際に仕事をする人は、その仕事に関する意思決定を行うために必要な知識も持っていない。」という前提や、それと表裏一体の
「マネジメントする人は、実際に仕事をする人以上にその仕事に関する意思決定を行うために必要な知識を持っている。」という前提は成立するんだろうか? しないよね多分。 という問題。
・本来、分業は分業した仕事の結果が組み合わさって、「価値あるもの(やサービス)を顧客に届けるために」存在する手段なのに、
分業した各部門が「自分は自分たちの部門の仕事だけをキッチリこなしていればいい」と考えてしまうことによって、
肝心の「分業した仕事の結果を組み合わせて、価値あるもの(やサービス)を顧客に届ける」ということそのものに対して全体を見渡せる・責任をもつ人が誰もいない状態になってしまった。
・分業した各部門の間で書類が回されて、処理を待っている間の時間が異様に長くなる。
(各部門でその書類を処理する時間の合計はわずかでも、書類の受け渡しや待ち時間が数日~数か月かかるなんてことが起こる)
そして、モノがなかった時代は、たとえこういう↑問題を企業が抱えていても、顧客はとにかくそのモノがほしいから、いつまでも企業の仕事を待ってくれた。
顧客には選択の余地がない。モノがほしければ企業の仕事を待つしかない。つまり企業が優位だった。
でも、そういう高度成長の時代を先進国は経験し終わってしまった。
顧客は生活に必要なモノはもう一通り持っている。 だから、それ以上のものを買うのも買わないのも顧客の自由。
だから、顧客が買いたいと思うものやサービスを顧客の満足のいくやりかたで提供できる企業は生き残れるし、そうじゃない企業は見捨てられ、淘汰されていく。
そういう時代になった今、アダム・スミス以来の分業のありかたを見直す必要に私たちは迫られている。
<要約終わり>
・・・という問題認識にもとづく、1993年(つまり大昔)に出版された本です。
著者たちの提唱した考え方はある程度普及していて、今や誰も縦割り組織・官僚組織がベストな組織のありかただなんて思っちゃいない。
でも、実際の私たちのやり方はどうなんだろうか? 縦割り的・官僚的なところが一切ないって言えますか? っていうと、
世の中の企業の大半は、特に金融企業や大手のSIerなんてなおさら、自信をもって答えられないと思う。
そんなわけで、私たちの働き方を見直すきっかけのひとつとしても、今読んでも学ぶところがある本です。
また、SEとして要件定義をやるときに、
「本当にこの業務を 『効率化』 することが正解なの? そもそもなんでこんな仕事やってるの? なくせないの? 別の方法はないの?」 とか考えることはすごく大事で、
そのあたりのヒントとしても、色あせないものを持っている本でした。
(色あせている部分ももちろんあるけれど。だって書かれたのがこんなに大昔なんだから仕方ない。でも、大昔に書かれたにもかかわらず、今なお色あせない部分が残っている、ということが大事なことだと思います。)
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「最高の仕事ができる幸せな職場」が参照にしていたので、興味を持った。
四半世紀ほど前のもので、産業構造自体変化しており、事例は古いが、基本的な考え方は変わっていない。
昨今、「○○ファースト」とか言われているが、本当に○○を大切にするためには、精神論ではなく業務プロセスを見直すことが重要なのはその通り。
官庁や会社、社会の仕組みにいたるまで、ファーストにしているものが違うことを実感。
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約四半世紀ぶりに再読。
日本企業は「リストラ」という名目で、
この本が主張する抜本的な業務プロセスの変更はせず、
人員削減だけ行いました。
それでも、残った人たちが、「首切りよりまし」と
サービス残業で何とか乗り切りました。
時代は流れ、今は人不足です。
それでも何も変わりません。
全く無駄と思われる業務をRPAに置き換える事に、
日本企業は躍起です。
一度確立されると、ホント日本企業はてこでも動かないですね。
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企業の競争力とはビジネスプロセスをよりも早く回すことで決まる、という三枝さんの主張が最近ようやく腹落ちできたので、その考えの背景にある本書を読んでみた。
トヨタ生産方式
↓
ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)
↓
時間戦略
という推移をたどり、強い企業もこの理論に説明がつくのだが、BPRについての最初の理論書が本書。
BPRとは業務プロセスを抜本的に見直し、ゼロベースから再設計する姿勢と手法のことだ。
BPRが流行ったのは1990年代後半だが、これはITのマス普及によって今までとは異なる業務プロセスを構築できる素地ができたからだ。
最近はSaasモデルの普及で大規模投資も不要になり、DXという大きな波が来ているが、これも同じ文脈で理解できそうだ。
BPRを成功させるためには強力なリーダーシップが必要だが、同時に手法についても説明がされている。
BPR=企業変革なので、
1.社員に変化を促すために下記2点を示す必要
1-1. 今、変革をしなければいけない理由の説明(3Cの視点、漸進的な改善ではダメな理由、変革しない場合の損失の提示)
1-2. どのような会社になるべきかというビジョン(業務に焦点があたっていて、測定可能な目標で、競争の在り方を変えるインパクトを持つビジョンでないといけない)
2.変えてはいけないことを明らかにする(企業文化など。これはリクルートの峰岸社長も講演で同じようなことを言っていた。「リクルートは変わり続けるという企業文化だけは変えてはいけない」)
3.失敗は許されないので、エースを集めたPJチーム組成と戦略的なパイロットケース選びを行う。
などが重要だと書かれている。
特に2は興味深い視点だった。変えないことを明らかにしないと社員が不安になり、変革に前向きに取り組まないからだという説明は納得感がある。
企業変革はイコール社員のマインド変化を起こすことでもあり、その手段としてビジネスプランの提示や強烈なリーダーシップの発揮などが必要だが、
経営者視点だけでなくこうしたイチ社員の心理に寄り添う考え方は本質的など感じた。
最後の野中先生の解説文はまさに三枝さんの普段からの主張とも完全に合致する内容で、より理解を深めることができたが、そこで面白かったのは
変革を主導する組織横断のプロジェクトチームは新しい知を創造して企業全体に展開していくのには適した形態だが、
生み出された知や既存の知を活用・蓄積して定常業務を遂行していくのは機能別組織の方が適しているので、
両者の組織を使い分けろ、という主張はめちゃくちゃ面白かったし、さすが野中先生らしい視点だと思った。
BPRについてのめちゃくちゃわかりやすいまとめと相変わらず鋭すぎる解説は経営共創基盤 富山さんの記事がいい。(1994年のCDI時代の記事)
https://www.cdi-solutions.co.jp/pdf/column/no33.pdf
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「リエンジニアリング」の提唱者が、リエンジニアリングのコンセプトとその事例を解説。
リエンジニアリングとは、「優れたリーダーの指揮の下に、情報通信機器を効果的に利用して仕事のプロセスそのものを根本的に変えることによって、業績の劇的な向上を図る」ことを特徴とする経営改善手法である。本書は、1993年の発刊であるが、2021年現在にもてはやされている「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を先取りしたような内容だといえる。
リエンジニアリングの肝は、分業化されたプロセスを再編成し、中間工程をできる限りカットして、顧客とワンストップでやりとりするようにするといったことだと理解したが、それはいつの時代でも通用する本質的な経営改善の考え方であると思う。
ただ、本書では、リエンジニアリングは、トップダウンで行うものでボトムアップで行うものではないとされており、本書を読んでも、個人としての仕事の改善にはあまりつながらないように感じた。本書を読むべきなのは、一従業員というよりも、経営者層なのだろう。