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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 937件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:1980/01/01
  • 出版社: 東京創元社
  • レーベル: 創元SF文庫
  • サイズ:15cm/309p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-488-66301-X
文庫

紙の本

星を継ぐもの (創元SF文庫)

著者 ジェイムズ・P・ホーガン (著),池 央耿 (訳)

【星雲賞海外長編部門(第12回)】【「TRC MARC」の商品解説】月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚...

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星を継ぐもの (創元SF文庫)

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商品説明

【星雲賞海外長編部門(第12回)】【「TRC MARC」の商品解説】

月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが……。ハードSFの巨星が一世を風靡した歴史的傑作。【本の内容】

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評価内訳

紙の本

「幽霊なんて信じない!」そんな人こそ楽しめるSF大作

2005/10/02 03:11

27人中、26人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いくら - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書がそんなに有名な作品だということは全く知らなかった私が、手に取るに至ったきっかけは、信頼できる友人のオススメ作品と小耳に挟んだからです。
そもそも翻訳物はどうにも苦手で、ハードSFなんて未知の世界だし、正直言って、読み始めて未来の科学技術に関する細かい説明が始まった時には「挫折するかも・・・」と思いました。でもここで諦めなくて本当に良かった!と心から思います。

人間には2通りのタイプがあると思う。不思議なことが起こるとそれを受け入れてしまう人と、納得できる解答を探そうとする人。平たく言うと幽霊を信じるか信じないか、の違いです。
勝手なイメージなのですが、SFは前者のタイプの人間が好んで読むジャンルかと思っていました。その認識は間違いかもしれません。
本書はとにかく「謎」がてんこもり。
そしてその謎を論理的かつ科学的に解明しようとする学者達の物語です。
一つ手掛かりを見つけたと思えば、新たな謎が見つかる。提示される謎が魅力的なのは当然ながら、学者達がさまざまな視点からアプローチし、それぞれにデータを積み上げていく過程が生き生きと書かれており、自分も一員になった気分で議論の行方を見守っていました。
そして、データがただのデータでは何の役に立たない所が現実的で面白かったです。
各専門機関から集められたデータを読み取り、それぞれに役に立つであろう情報を提供し、新たな方向性を見出す役割をになうハントの功績には、組織が効率よく最大の力を発揮する為のヒントが隠されているように思え、SFでありながらビジネス書を読んでいるようなお得な気分になりました。
ハントという心臓があることで、全身の血管に血が行き渡るかのごとく、情報が生きるのですね。

最後には真相が明らかになり、人間という存在の根源にまで言及しています。
生物でありながら、他の動物と明らかに一線を隔する私たち人間。
何故ここまで差が生まれたのか、不思議に思いはしても誰にも解けないであろう謎ですが、本書には一つの「答え」が書かれているように思います。
この物語は、どこまでが現実なのか・・・もしかしたら?!と思わせる筆力に感動です。
28年経った今でも、間違いなく最高傑作と呼べる一冊に出会えたことに感謝!

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紙の本

超弩級のカタルシス!

2011/03/03 23:59

18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐吉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハードSFの傑作としてつとに有名なこの作品は、本国イギリスでの発表が1977年、邦訳は1980年に刊行され、さまざまなメディアの優れたSF作品に贈られる星雲賞を受賞している。昨年惜しまれつつ世を去ったSF界の巨匠ジェイムズ・P・ホーガンの、デビュー作にして代表作である。

人類が有人惑星探査を始めた近未来、月面に穿たれた洞窟で、宇宙服に身を包んだ一体の死体が発見された。綿密な調査の結果、その死体は現生人類、つまり我々とまったく同じ特徴を有していながら、死後5万年を経過したものであることが判明した。これはいったい何なのか。我々と同じ人類なのか、それとも他の惑星から来た未知の生命体か。あらゆる分野のトップクラスの科学者が謎の究明にあたり、議論百出、百家争鳴、世界中が騒然とする。そんな中、今度は木星の衛星ガニメデで、明らかに地球のものではない巨大宇宙船と、地球上の生物とはまったく系統の異なる生物の死骸が発見された……。

月面で死体が発見される場面は、映画『2001年 宇宙の旅』に登場するモノリスを連想させる。本作の解説によれば、こうした仕掛け自体はSF作品においてさほど珍しいものではないらしい。しかしその謎解きの過程には、SFとして見ても、またミステリと捉えても、思わず興奮せずにはいられない超弩級の読みごたえがある。何がすごいと云って、科学者たちがその「事件」を調査していくプロセスの描写が本格的だ。たとえばこうだ。

「現在わたしどもの進めている化学分析で、チャーリー(月面で発見された死体につけられた愛称:引用者注)の細胞代謝の周期および酵素の作用の量的モデルを作る見通しが立って来ています。遠からず、血液、ならびに体組織中の老廃物および毒素の蓄積の速度が計算できるようになると思いますが、その結果から、自然な状態におけるチャーリーの睡眠時間と起きている時間を割り出せるでしょう。もし、その方法によって一日の長さがわかれば、他の数字もたちどころに量的に理解できるはずです」
「それがわかれば、惑星の公転周期も出るわけですね」誰かが言った。「しかし、惑星の質量はどうかな?」
「それはわかるんじゃないかな。チャーリーの骨格と筋肉の構造を調べてさ、体重と力の比率を出せばいいんだ」別の誰かがすかさず言った。
(中略)
「惑星の質量はチャーリーが携帯していた装置や器具のガラスとか、結晶性の素材からだって求められますよ。結晶構造を見れば、それが冷却した時の重力場の強さがわかるじゃあないですか」

こうした記述をたどるうちに、これは実際にあり得る話なんじゃないかとさえ思えてくる。もちろん厳密に科学的な立場から見れば、そこには虚も実もあるだろう。しかし、小説におけるリアリティというのは、それがどれだけ現実に即しているかではなく、読者の脳裏にどれだけリアルなイメージを喚起するかにある。奇想天外な筋立てでありながら、目の前で展開しているようなリアリティを持った作品もあれば、実際にあってもおかしくない話なのに、見るからに作り物臭い作品もある。この作品は、現実と虚構の狭間の虚実皮膜の面白さを見事に形にしている。「とにかくこういうものとして理解してください」などという安易な姿勢は微塵も感じられず、その徹底した主観的リアリズムが、この作品の迫力をいやがうえにも増幅する。

科学者たちによっていくつもの推論が提示され、そのたびにそれに対する反証が見つかる。さまざまな矛盾は一向に解消されず、謎はさらに深まっていく。ところが、複雑に絡み合ったすべての疑問が、最後にあっと驚く結論に収斂する。もちろんそれは、都合のいい辻褄合わせなどではなく、見事なまでに論理的で説得力のある帰結である。読者は、そこに至ってはじめて、それまでにさまざまなヒントが散りばめられていたことに気づく。正直なところ、エンターテインメント小説としての造りには多少の粗がないでもないのだが、とにかくこの、すべてが腑に落ちる瞬間のカタルシスといったら……ない。

科学的な記述は一見難しそうに見えるかもしれないが、定評のある池の訳文は淀みなくなめらかで、理科系の話は苦手という方でも、読むのに苦痛を感じることはないだろう。もちろんそうした話が好きな向きにはこたえられない作品に違いない。SF好き、ミステリ好きな方はもちろん、小説好きなすべての方におすすめしたい。

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紙の本

壮大な作品。精緻なSF考証に圧倒されます。

2018/11/08 21:54

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

びっくりした。解説によるとハードSFの記念碑的な作品とある。
ハードSFと称されるものが何なのかよく分からないが、
内容も驚きの連続でこれぞSFという感じがするのは間違いない。

ヴィクター・ハントは原子物理学者。
生来の一匹狼の気質から、メタダイン社の雇われ博士として
フリーランサーのように研究を続けている。
ハント博士の重要な発明にCTスキャンの原型のような
トライマグニスコープがある。これを使えば、物体を開いたりせずに、
外部から中身を計測して解析データにすることができる。

国連宇宙軍UNSAがこのスコープの性能に目をつけ、
一つの依頼が持ち込まれる。チャーリーと名付けられた生命体が
月の裏側で発見され、これを解析するようにとのこと。
チャーリーは宇宙服に身を包み、亡くなった状態で発見された。
なぜスコープを使うのかハントは疑問に思う。答えは明白。
放射性炭素同位元素の分析により、チャーリーは
死後五万年と推定されたからである。

劣化を防ぐため解剖しないのは当然だろう。
スコープにより新たな事実が次々と見つかる。
月で発見されたためルナリアンと呼ばれているが、
あらゆる分析の結果チャーリーは人類と一致しているとの
結論が導かれた。

議論が混乱する。
ハントは議論の収拾と情報の一元管理のため、UNSAから
引き抜きを持ちかけられ、プロジェクトの責任者に収まる。
生物学者や言語学者の助けを借り、調査プロジェクトは
次々とさらなる発見を重ねていく。

精緻なSF考証に圧倒された。
なぜチャーリーが人類と酷似しているのか、
なぜ五万年前に死んでいるのか、
そもそもチャーリーはどこから来たのか。

これ以上詳しくは書かないが、まだまだ事象はたくさんある。
そして解明された結果が驚くほど合理的なのだ。
近未来に本当にこんな発見があるのかもしれない。
真剣にそんな気持ちにさせられる作品だ。

ハントの導き出したプロジェクトチームの結論と、
ラストシーンの鮮やかさがとても印象的だ。
実に人間くさい終わり方をする。
SFに敷居の高さを感じる人にも、文句なくお薦めできる。

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紙の本

SFの構築した世界に逃避したいならば、ぜひ手に取ることをおすすめします

2010/04/24 10:20

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本では1980年に刊行されたものなので、今年で30年になるが、少しも古びていない。間違うことなき傑作である。ハードSFの燦然たる宝石のような存在とも言える。

 科学的な記述にぐいぐい引き込まれるが、科学が苦手だという人に、むしろ手にとってほしい。ストーリー展開を巧みにすれば、ここまで面白い読み物になるという事例がここにはある。

 ハードSFというだけでなく、ミステリーの要素も織り込んである。月面で発見された5万年前の死体はいったい何なのかという謎を追いかけていく。それはやがて木星の衛星ガニメデにまでおよび、どんどんスケールアップしていく。このあとどうなっていくのだろうと、ほとんどの読者は引き込まれていく。
 わくわくドキドキ、とは今どき多用される表現だが、まさにホーガンのためにある言葉といってもよい。

 ホーガンの著書には上下巻に分かれる大著が多いので、そういう意味でも、読み通しやすいページ数の本書は入門に適している。
 この一冊を読めば、『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』といった本書と設定が同じシリーズものに手が伸びることだろう。

 本書を読み終えたときには熱病のように浮かされて、ホーガンの世界にひたりきり、友人に熱く語ってしまう自分がいる。こんなに読書の楽しみを味わわせてくれる本もめったにないだろう。出会えて幸せな一冊である。

 (星5つでも不足する。10個くらいあげてもよい)

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紙の本

ハードSFの最高傑作

2005/04/10 23:49

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『星を継ぐもの』を初めて知ったのは、アニメ製作会社GAINAXの庵野秀明監督の『不思議の海のナディア』の最終話のタイトルだった。今思うと、なるほどというタイトルだ。あの古代も含め地球上のすべての生物を保管した博物館の映像が、この小説を読んでいてまじまじと思い浮かんだ。この作品も、SFとしてはもう完璧な古典ですね。世界中のSF作品に影響を与えている大傑作です。僕は、どちらかというとファンタジー系のSFが好きな方ですが、この作品はまるで傑作の推理小説を読むような謎解きを味わえ、作者の想像・創造力に眩暈がするほどくらくらさせられました。まぁこのレベルになると、多分読む人を選ばないのではないかと思います。それほどの傑作です。ぜひご一読を。
誰かが、いまのCG技術ならば、映像に表現できる、と云っていたのを聞いたことがありますが、ぜひ映画化して欲しい。月から地球を眺める・・・・コリエルの映像をぜひ見てみたいです。なぜ、こんな素晴らしい作品がまだ映画化されていないのだろう。権利が複雑なのかな?。ハリウッドは馬鹿としか思えない。絶対売れるもの。
人類の起源という謎を、まるで推理小説の本格ミステリーのような緊迫感とスリルに、読みやすいエンターテイメント性が混じっている見事な作品。もちろん科学の厳密性から言えば、いろいろ穴があるのかもしれないが、一流のストーリーテリングは、そうした細かい厳密性をぶっ飛ばす見事な世界観と納得性を作り出してしまう。人類とはいったいどこから来たのか?。この究極の問に、物凄い超ど級の直球で答える作者の見事なヴィジョンに感動しました。もう脱帽です。

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紙の本

事実を積み上げて仮説を構築する姿勢が科学的

2011/08/07 15:46

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類史にとって大きな転機となる事件は、男性遺体の発見から始まる。それが発見された場所は、月面の洞窟。ただし、放射性物質による年代測定法から算出された死亡時期は、5万年前だ。

 物理学者のヴィクター・ハントは、その起源の調査を行う国連宇宙軍に協力することになる。遺体は調べれば調べるほど、生物学的には完全に人間。遺留品の文字の解析は遅々として進まない。
 そんな状況の中、生物学者のクリスチャン・ダンチェッカーは、彼を地球人類として議論を強引にまとめようとするのだが、ハントはそれに反対し、もっと自由な立場から調査を進めることを主張する。
 各分野のトップ研究者がそれぞれの領域で分析を推し進め、様々な発見的事実に基づき組み上げられた仮説は、常識を覆す驚くべきものだった。

 SFとは、常識の上に空想を重ね、ありうべき未来を構築するフィクションだ。しかしこの常識は、時代により変化する。作品が時代を超えて読み継がれるためには、執筆時の作者と、読者との間に、常識のズレがないことが重要な要素であると思う。
 この常識のズレを避けるために、この作品では常識を読者に委ねてはいない。作中で解き明かされる謎の前提となる常識を、解決の前にあらかじめはっきりと提示しているのだ。
 ゆえに読者は、丹念に作品を読み進めて行けば、どんな事実をベースにハントたちが悩んでいるかが分かるし、彼らが積み上げていく発見から、彼らが至るコペルニクス的転換を味わうことも可能になる。

 本作では、その様な転換のタイミングが3度、訪れる。その転換はさながら、読者への挑戦状が出されているミステリーの解決編のようなものだ。一体何がその常識で、それがどの様に転換されるのか。ぜひ味わってみて欲しいと思う。
 このとき注意することは、いまあなたが知っている常識に捕われてはいけないということだ。全ての常識は、作中の記述の中にあるということを忘れてはいけない。そして読み終われば、このタイトルがどれほど内容を適切に表現しているかも理解できることだろう。


 個人的に、なぜ十二進数なのかに対する仮説もあるんだけど、それは作中では明確にならないんだよなあ。

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紙の本

著者の想像力の際限のなさに酔える傑作

2004/12/04 14:41

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類の起源について想像を絶するような仮定を本格ミステリの要素をふんだんに盛り込んで編み上げたハードSF巨編です。私はSFというものはあまり読みませんし、かりに読むとしてもファンタジーの要素の強いもののほうを好むので、この作品のようにハードSFとよばれるジャンルのものはほとんどお初といってもよいと思います。そんな私にこの作品は、人間というのは果てしない想像力を備えた偉大な生き物なのだということを感じさせ、脳髄がしびれるような心地よい読書体験を与えてくれました。

 そしてぜひ指摘しておきたいのは、翻訳を担当した池央耿氏の類いまれなる能力です。氏が巧みに操る日本語は天下一品。翻訳小説では時に読書の流れを止めてしまうようなつたない訳文に出くわすことがありますが、池氏の訳文は実にわかりやすく、また文学的な美しさに彩られています。翻訳小説というよりもこの作品がそもそも最初から日本語で書かれたかのような錯覚に陥ります。お見事としか言いようのない仕上がりです。これだけの英語翻訳が出来るのは今の日本では柴田元幸氏か池氏くらいではないでしょうか。

 このすぐれたSF作品が池氏のようなすぐれた翻訳家と日本で邂逅したというのは、まさに天の配剤としか言いようがありません。そしてその日本でこの本が読めたことに感謝したいと思います。

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電子書籍

コレぞSF!が読みたい方へ

2015/01/27 19:05

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めて読んだ時はこんなにもセンス・オブ・ワンダーに溢れたSF小説がまだあったのかと感動しました。とにかく導入部の謎が奮っていて「月面で発見された五万年経った宇宙服を着た死体」たったこれだけ。たったこれだけなのですがこの遺体を調べるうちに次々と判明してくる新事実に世界各国から集められた科学者、技術者たちは自分達が立てた仮説を覆されて行く。このスクラッチ&ビルドが実に楽しく今度こそこれが真実だと納得した瞬間に新たなる事実や矛盾が提示され再考をせまられる、正に推理小説の様な展開。そして徐々に見えて来る太古から現在へと続く太陽系の本当の姿と人類起源の謎。多分、最後まで読まれた方は、最初の謎の提示からどれだけ遠くに来たんだろうと感嘆するとともにコレぞSF!という満足感で一杯になると思います。

ホーガンは新たなテクノロジーがもたらすメリット・デメリットが人類社会に対してどのように影響を及ぼして行くのかをシュミュレートしている作品を多数書いています。暗い未来や世界を描いた物語が溢れて返っている昨今では珍しく科学がもたらす明るい未来を描く作家で、科学的・理性的であれば人は人類はいくらでも繁栄していけると思っている節があり(笑)、ある種この能天気な作風が私は好きでかなり彼の作品にはハマりました。

とにかく判官贔屓ならぬホーガン贔屓の私としては是非とも本作から続くガニメアンシリーズをまずは読んで頂きたい。その後は「創世紀機械」「未来の二つの顔」「未来からのホットライン」「断絶への航海」などなど単発物も多数ありますのであなたも彼が描く人類の理想郷へ誘われてみませんか。

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紙の本

ホーガンSF・初期の大傑作!

2001/06/17 16:51

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ニュートリノビームの干渉によって物体を透過して観察できる装置、トライマグニスコープの発明者であるヴィクター・ハント博士は、ある日、所属する企業を介して、国連宇宙軍への召喚を受ける。宇宙軍は、月で発見した「何か」をトライマグニスコープを使って調べたいらしいのだ。そして、ハントは月で発見されたものの正体を知らされる。それは深紅の宇宙服に身を包んだ、人間の死体。そしてその死体は、なんと死後5万年の時を経ていたのだ…!

 もはやホーガンの代名詞の感すらある、その筋では超有名作品の『星を継ぐもの』。初版は1980年…ってワタシがまだ4歳の時じゃないか!でも今読んでも面白い。読んでるとホント、わくわくしてくるんだ、これが。
 話の内容はといえば、月で見つかった死体は一体何者なのか、どこから来たのかを登場人物たちが調査していく、という、本当にそれだけのお話。にもかかわらずこの本が面白いのは、他でもない、その調査の過程そのものが、なまなかの話よりはるかにエキサイティングだから。最初の手がかりは、チャーリーと名づけられたその「人間」の死体と、その装備品数点、ただそれだけ。しかし、調査にたずさわる人々は、次第にその限られた手がかりから多くの情報を引き出し始める。するうち、思いもかけぬところから新たな情報が転がり込み、その情報から、世論を沸騰させるような驚くべき結論が導き出される。その方向で行き詰まりが生じたかと思えば、全く別の方向から、それまでの研究をひっくり返すような内容の情報がもたらされ…。途切れそうな手がかりを一歩一歩追っていく過程が、本当に面白いのだ。そしてクライマックスでは、それらの謎はすべて解明…!ああたまらん。
 謎が解ける際の胸のすくような感覚が存分に味わえる本。オススメ!

 ちなみに、この作品と、続刊の『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』は、あわせて俗にガニメアン3部作と呼ばれてます。もちろん『星を継ぐもの』だけでも楽しめるけど、このシリーズは3作それぞれにおもろいのでチェックすると吉。偏屈者だけどいつもおいしいところは持っていくダンチェッカー教授が毎回いい味出してます。

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紙の本

センス・オブ・ワンダー!

2001/03/31 05:11

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:スギモト - この投稿者のレビュー一覧を見る

 月面で発見された深紅の宇宙服を着た死体。 綿密な調査の結果、死後五万年以上経過していることが判明した。 一体彼は何者なのか?

 もう最高です。 おそろしくSFらしいSF。 まさに“センス・オブ・ワンダー”というやつで、このアイディアだけでご飯三杯はいけます(笑)
 文章はお世辞にも洗練されているとは言えないし、 むしろ物語は“二の次”的な印象もあります。
 でもね、トリックが出尽くして文学へ傾斜してゆくことになったミステリとは違い、 SFは“面白いハナシ”を考えた人が勝ち!
 『星を継ぐもの』はまさにそういうお話で、 もうこれでもかとばかりに謎が謎を呼び、その解決は素晴らしくSF的で…。
 作者のホーガン、これ書いてるとき楽しくてしょうがなかったんだろうなあ、という気がします。 多少のキズはあるものの、というかもうキズだらけの気もしますが(笑)、 これはもうアイディアが全て! なんてったって、ご飯三杯ですもの(笑)

【解説より抜粋】
 小説として、SFとして、おそらくは数多くの欠点を持っているこの作品には、そのすべてを帳消しにする魅力がある。 読んでいる内に、胸がワクワクしてくるのだ。 サイエンス・フィクションなのだ、これは。
===鏡明


そう、胸がワクワクするのです。
オススメ!

Loud Minority

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紙の本

月を見上げてニヤリ

2017/04/30 00:33

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きらこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

月面で発見された死体の謎。
様々な学問の知識や解決への切り口にワクワクできればよかったのですが…
今まで読んだ数少ないSF小説といえば、
主人公が宇宙で爽快なアクションをするものばかりだったので
主人公、ほぼ研究機関で学者と話してばかり…?
と途中で挫折しそうになりました。(ハント博士すみません)

しかし評判を信じて
あきらめず 読んで 本当に よかった…!!!
この星の人間として、読後大きなご褒美をもらった気分です。

読み終わったら、地球から月を見上げて
ニヤリ。

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紙の本

人類誕生以前から月で眠っていた死者の謎を解くミステリSF

2023/07/02 05:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る

月面で見つかった宇宙服を着た死体は、死後5万年が経過していた。ルナリアン(月の人)と名付けられた彼らは宇宙人なのか、それとも人類以前に地球で生まれた知的生命体なのか? ハードSFにして本格ミステリの傑作として誉高いホーガンの代表作。
高度な宇宙航行技術を持つはずのルナリアンが地球へ来た痕跡がないのは何故か。ルナリアンの故郷から月へ理論上あり得ない速さで通信が可能なのは何故か。
これらの謎がただ一言で解明されるクライマックスは、そのスケールの大きさでSFファンを、シンプルで鮮やかなどんでん返しで 推理小説ファンを魅了します。

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紙の本

初めてのSF作品

2020/06/26 21:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コータロー - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はいままでSF小説を読んだことはなかったのですが、この作品をきっかけにすっかりはまってしまいました。素晴らしい作品であることは間違いありません。SF作品を読み始めたいと思われる方は是非この作品から入ってはいかがでしょうか。

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紙の本

名作は色あせないとはこのことか

2019/04/14 19:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る

月で真紅の宇宙服をまとった死体が発見される。死んだのはおよそ五万年前、しかも彼はどう見ても人間であった。一体死体は何者か?というミステリアスなストーリー。学者たちが自分の分野を生かして謎を解き明かそうと奮闘すればするほど新しい謎が出てくる。SFならではの難しい造語が出てきて読みにくい部分もありましたが「星を継ぐもの」の意味が分かった瞬間ぞくりときました。それになりよりエピローグがいい。最後の一行が深い余韻をもたらします。

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紙の本

一押しの小説です

2016/03/16 01:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kawa12 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み進めるほど、展開にのめり込んでしまいます。

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