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商品説明
どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。【「BOOK」データベースの商品解説】
【織田作之助賞(第24回)】夢を失いつつ町工場で働く中年男と、恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。ふたりは周りの喧騒をよそに、さらに追い込まれていく。しかし、通天閣を舞台に起こった大騒動がふたりの運命を変えることに…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
西 加奈子
- 略歴
- 〈西加奈子〉1977年テヘラン生まれ。関西大学法学部卒業。「あおい」でデビュー。他の著書に「さくら」「きいろいゾウ」など。
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紙の本
西加奈子という作者に見事にやられたと思ってしまう一冊です。
2006/11/24 21:19
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜかホモの中年男性に好かれ壊れた時計に囲まれた部屋で夢もなく深く関わり合う人もおらず家の近くの工場で働く男と、二年間同棲していた恋人のマメが留学するために去っていったことで夜の寂しさを紛らわすためと、恋人を自分にひきつけるためにスナックのチーフとして働き始めた女。
物語の中盤まではちょっと偏屈な男と閉鎖的な女の日常生活に読んでいてこちらまでトホホとした気分になってしまいます。トホホとした気分なのに何故だか妙に可笑しい。
二人の独り言や心の中の言葉に「あぁ分かる」と思わず笑いがこ込みあげてくるのです。
そしてラストに起きる珍事件は笑いが止まらない、笑えるのにジーンとくる、ジーンとくるのに脱力するくらい笑える、西加奈子という作者に見事にやられたと思ってしまうのです。
この物語を天気に例えるとしたら最初はどんよりとした曇り空、次第に雨がポツポツと降り始め雨脚が一気に激しくなり土砂降りに、雷が鳴ったと思ったら突然青空が戻ってきて最後はキラキラと輝く虹までかかっているという具合。
虹と同じく一時のものであり、決して永遠に続くハッピーエンドではないけれど何となく「明日も虹が出るかもしれない」と思わせてくれる一冊でした。
ラストのページがきたときはこの二人の物語が終わってしまうのがすごく残念な気持ちになった一冊でした。
紙の本
底辺からてっぺんへ
2020/04/09 20:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪の下町で生きる人たちの、人情味あふれる姿が良かったです。通天閣で起こったドラマが、無関係なふたりを結ぶ後半の展開にもスカッとします。